人や周りの意見に流される人の心理とは?

人や周りの意見に流される人の心理について。「人の意見に流される」と言うと、大抵は悪い意味に捉えられますよね。自分の意見を持っていないと判断されます。では、人に流される人というのは本当に自分の意見がないのでしょうか。

自分のしたいことや興味のあることは人間誰しも持っています。それをあえて言わずに流されているのか、それとも流されるのが本望なのか。この辺りの謎を追ってみましょう。

 

人や周りの意見に流される人の心理

類似効果を狙っている

人は、自分と共通点がある相手に親近感を覚えます。これを類似効果を呼びます。この状態を表したことわざに、「類は友を呼ぶ」というものがありますね。友達を作る時や初対面の相手と話す時、共通点があれば話しやすくなり、会話も弾みます。

これを利用していると、時に周りから人に流される奴だと思われることがあります。誰かと仲良くなりたいと思う時、無意識に相手と同じ意見にしようという心理が働きやすい人がいます。その方が波風が立たないからです。

 

特に好き嫌いの話になると、相手の好きなものを否定してしまうと良い空気にはならないため慎重になる人がいます。好き嫌いをはっきり言わない人というのは自分の意見がないわけではなく、はっきり言うことで相手を傷つけてしまうかもしれないということをわかっているからです。

この場合、人の意見に流されるというよりは、人の意見に同調できるものをピックアップしている、と言った方が正しいでしょう。自分と意見が合わないものも当然ありますが、その話題を避け、同じ意見であるものにより焦点を当てることで誰とでも共通点を見出すことができます。

どんな話題でも必ず意見が反対になるという人はあまりいないため、類似効果を使っていると初対面でも人と仲良くなる術を得ることになります。

 

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反対意見にも一理あると思える

ディベートでは自分の意見と反対意見が述べられますが、それに対し納得してしまう人は人に流されやすいと言われます。その場ではそう思っても、またそれを論破できるだけの考えを作りだしてしのぐことができますが、実際のところその意見にも一理あると思っています。

こう思うのは悪いことではありません。自分の考えに固執して、他人の言うことに耳を貸さない人間ではないと言えるからです。柔軟に物事をとらえられ、自分がやってもいないのにはなから否定することはありません。

 

一度相手の言い分を咀嚼してくれるので、相談相手として重宝されるような人柄です。相手の意見を突っぱねることがないことから、他人と喧嘩をしても自分から謝ることができるのも良い特徴です。

完全には相手に賛同できなくても、そういう考え方、感じ方もあるのだなと冷静になって判断できるのはその人の魅力と言えるでしょう。ディベートで一理あると思わされることがあるからこそ、それを論破できる材料は何かを適切に理解することができます。あまりに感化されすぎて流されやすすぎるのも問題ですが、軸のない人間とは柔軟な人間とも言い換えられます。

 

 

物事に対してあまり決まった考えを持っていない

人の意見に流されやすい人は、人の考えや気持ちを聞いて、「そんな確立した意見をどんな話題に対しても持てるなんてすごい」と感じる傾向にあります。普段から物事に対して考えることがないとも言え、改めて意見を求められてもそこまで確立された考えははなから持っていないと思うことがあります。

よくある傾向としては、特に興味のないことに対して好き嫌いがあまりありません。例えば人並みにテレビは見るものの、芸能界に興味がない場合に「この人は好きか嫌いか」と問われると、「好きでも嫌いでもない」と言うのが口癖です。

 

また、全体像を見てから判断したいという意識が高いのも特徴です。友達からコンビニ店員に対する愚痴を聞かされたとしても、聞いているのは友達側からの意見であり、その場のニュアンスや状況、コンビニ店員側の主張がわからないと、心から友達をかばう気にはなれません。

総合的に判断してやっと自分の意見が言えるという点では、熟考型であり慎重な人であると言えます。逆に、即決力が必要な仕事は向いていません。そのような職場では誰かに決めてもらいたいと思っており、そこから出される指示に従う方がやりやすいと思っていることも多いです。

 

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自分で決定することに自信がない

何かを決めなければならない時、それを自分がしたことで相手に迷惑がかかったり、その意見を非難されたことがあると人は自信をなくしていきます。リーダーシップを取るよりは人の意見に従っていた方が楽だと思い、傷つけられることもないと思うのです。

早くにこれを経験してしまうと、親のレールに沿った生き方をする学生になります。一般に言われていることとして多いのは、偏差値の高い大学に入った方が良いとか、安定した職業が良いというようなことでしょう。

 

その意見に従っていれば、少なくとも自分が下した決定に責任を背負う必要がなくなります。もしその道に進んで失敗したとしても、親に責任を押し付けられるので逃げ道が確保できるのです。

このようにして育った場合、社会に出てもどうするのが良いのかわからない場合も多く、指示待ち人間になってしまうこともあります。新しいやり方にチャレンジすることは少なく、ルールの中で無難な道をたどるタイプが多いです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?人の意見に流されるというのは、本当にただ流されているだけの人と、実はそうではない人の2つに分かれます。どちらなのかは本人に聞いてみなければ周りからは一緒の部類であるように見えるので、ひとくくりに誰もが意見を持たない奴だと思うのは良くありません。

それがその人なりの人とのコミュニケーション術なのかもしれませんし、物事に固執しない熟考タイプなのかもしれません。自分が確立した考えを持っていると、そうでない人の言動がわからなくなる時もあると思います。

そんな時は、イライラするのではなくその人の心理を覗いてみて、どんなことを考えているのだろうと推測していることも大切です。理解しない、できないではなく、理解しようとする試みが大切なのではないでしょうか。

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