心理コラム【メンタリン】

「自己愛性パーソナリティ障害」の人の心理的特徴とは?

time 2017/08/16

自分や他人を好きになれない「自己愛性パーソナリティ障害」の人の心理的特徴について。急増している自己愛性パーソナリティ障害。「自己愛」とは自分が好きという感覚です。そもそも、人は自分のことが好きになって初めて他の人を好きになることができます。

この自己愛に障害があると、自分を好きという感覚も他の人を好きになる感覚を持つことも難しくなります。現代社会の特徴ともいえる自己愛性パーソナリティ障害の人の心理をご説明します。

 

自分や他人を好きになれない人「自己愛性パーソナリティ障害」の心理

思い描いている理想の自分像を求める心理

本来、自己愛の一部に含まれる自尊心は自分のことを正しく評価する能力のことです。自己愛性パーソナリティ障害の人は自尊心が過度に大きく育っており、それが自分を支えています。

例えば、「自分の手柄を強調したい」「ミスの責任を取りたくない」など、自分の事情を主張しても、責任は自分以外にあるという心理が働きます。

 

また、「他の人には負けたくない」という心理から強い野心や手段を選ばない強引さを持っています。そのため、競争社会の中では社会的に成功しやすいでしょう。

さらに、「他人の気持ちは関係ない」といった心理もあるため、他の人に愛情を持つことも共感することもほとんどありません。痛みや気持ちを思いやることができず、自分の都合で人を利用するでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴のひとつは強い自尊心ですから、他の人からどう見られるかをいつも気にして、賞賛を得なければ気がすみません。理想の自分でいるためにすべてのエネルギーを使ってしまいます。

 

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自分には何のとりえもないという思い込みの心理

両極端とも思えますが、自己愛性パーソナリティ障害の人は自分には何のとりえもないという心理もあります。

強い自尊心によって理想の自分を思い描く一方で、どこかにこの姿は本当の自分ではないと感じており、うまくいっていない自分が好きになれず、何かに失敗すると、「とりえがない」と自分に落ち込んでしまうのです。

 

例えば、他の人の評価がとても気になるという心理から、「賞賛されることは自分が特別ということだ」と判断します。逆に、物事が思うようにいかないと「自分は敗者だ」と感じるため、他の人から「見下されている」と深く傷つき、過剰に反応してしまいます。

その怒りや喪失感は周囲の社会とうまくやっていけないほどひどくなり、うつ状態になってしまうこともあります。

 

「人間関係は上下や勝ち負けで判断するもの」という心理もあるため、「自分が勝者になる」とひたすら上であり続けようとするでしょう。

このように、自己愛性パーソナリティ障害の人は、実際は万能でも無能でもないのですが、二つのモードを行き来することで、等身大の自分が存在しないという特徴があります。

 

 

平凡で普通の自分は受け入れられないという心理

自己愛性パーソナリティ障害の人は他の人から常に特別で勝っていると評価されたいため、普通で平凡な自分は受け入れられないという心理があります。

「自分は他の人とは違う」「いつでも勝者になることができる」という根拠のない強い自信が、「地道に努力することは意味がない」という心理につながります。

 

また、根底には自己不信があるため、未来を前向きに見据えることができず、「今が良ければいい」とせつな的で将来を信じることができません。

「手段やプロセスではなく、結果がすべて」という心理もあります。一発逆転を狙いますが、努力していないため泥沼にはまっていくこともあるでしょう。

 

地道さと同時に「ほどほど」という心理も働きません。例えば、試験などで勝ち続けることができなくなったとき、「やればできたけど、勉強しなかったからできなかった」と、良い評価を保つために逃げ道を作ったりして、ほどほどに行うことはしません。

「他の人のようにしなくても、自分は他の人よりもできるはず」と信じていますが、実際は負けてしまうことが多く、その事実を受け入れることができないため、引きこもりなどを招いてしまうこともあります。

 

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うつ病と自己愛性パーソナリティ障害の違いとは?

うつ病になる前の人の性格的な特徴は責任感が強く、几帳面できまじめ、律儀で気配りをするという面もあります。自責の念が強く、「何もかも自分が悪い」という心理から攻撃の対象が自分になります。

一方、自己愛性パーソナリティ障害になる前の人の性格的な特徴は、自己中心的で他のの人を見下すこと、「他人の痛みはわからない」という心理から共感性に乏しく、他の人をモノのようにみなすことなどがあります。

 

攻撃の対象は周りの人。「周囲の人たちは自分を理解していない」という心理から、他責傾向が強いでしょう。「批判された」「見下された」と感じると、人が変わったように強い怒りを表します。

家庭内暴力に結びつくこともあります。周囲の人たちとの信頼関係を築くのが難しいため、孤立してしまうことも。その後、「自分はダメだ」と落ち込んで全否定しますが、その理由はうつ病の理由とは異なります。

また、このがっくりと落ち込んだ状態がうつ病と間違われやすいのですが、うつ病治療では効果はあらわれないでしょう。

 

 

まとめ

パーソナリティ障害にはいくつか種類がありますが、どれもさまざまな問題を招くことが多いでしょう。なかでも、自己愛性パーソナリティ障害による問題は摂食障害や引きこもりなどを伴うことが多いという特徴があります。

特に若い人に多く、現代社会が競争や勝ち負けを重視する傾向があるといったことも要因となります。自己愛性パーソナリティ障害は専門医での精神療法によって治療することができます。

自分をありのままに受け入れて、等身大の自分をつくり出していくことができるでしょう。

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