他人の感情を動かす心理【情動感染】とは?

楽しいことがあったり悲しいことがあったりすると自分の感情を誰かと共有したくなるときはありませんか?しかし、一つの出来事でも人によって捉え方は千差万別で寂しい気持ちになる人もいれば嬉しい気持ちになる人だっているのが事実です。

例えば、テストで普段は50点くらいの点数を取る人が80点取ることが出来たときは嬉しい気持ちになり自慢したくなりますが、平均90点取る人からすれば恥ずかしくて人に見せられないほど落ち込みます。

そのため、他人の感情を思いのままにコントロールすることは非常に難しいことで一筋縄ではいきません。ただコントロールすることは出来なくとも誘導することはできることを知っていましたか?そこで今回のコラムでは、他人の感情を誘導するテクニックをご紹介しようと思います。

 

他人の心理を利用して、感情を動かす情動感染?

相手の感情を動かす「情動感染」とは?

人間は単独では非常に弱い生き物で誕生した時から集団生活を送ってきた生き物です。集団で生活していくには協調性を欠かすことはできないため、目や口等の微細なパーツの変化によって相手に自分の感情が伝わるようになっています。

それに加えて、人は狩りの方法を学ぶ時や人としての行動規範を親から学ぶ際に分からないなりにも真似をして、その後に理由を理解します。

 

これは「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞の一種が働くことによって起こる現象で、無意識のうちに相手の感情を表情から読み取って自身の感情もミラーニューロンの働きによって同調するように出来ているのです。

つまり、この「ミラーニューロン」を上手く活用することによって「情動感染」を意識的に行えるようになります。

 

例えば、真顔で相手を笑わせたいときは笑いの基本ともされる「緊張と緩和」を上手く使いこなす高等テクニックを要するため並大抵の人では上手く行くことは少ないものです。

しかし、「情動感染」を意識して自分が声を出して爆笑するだけで相手を高確率で笑わせることが出来ます。

 

その逆も同じで相手を悲しい気持ちにさせたいときはシクシクと涙を流して泣いてみれば良いわけです。

この「情動感染」は対面する場面以外にも音声のみのラジオ・電話や第三者の視点で観るテレビ・写真などでも効果があると言われているほど感情を揺り動かすのに有効な手段というわけですね。

 

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指導するときに「怒り」はNGで、「喜び」や「悲しみ」を

「情動感染」が如何に人に与える影響が大きいか分かったところで、注意すべき点についてもご紹介したいと思います。

学校の先生や部活動の顧問、会社の先輩・上司など指導する立場にある人の大半が怒りながら厳しく指導するスタイルを取っています。もちろん、戦前の日本のように恐怖を植え付けて統制を図る「恐怖政治」が普及していました。

 

しかし、恐怖で人を動かす国や組織は発展し辛く決して良い体制とは言えません。その理由の一つとしては「怒られるから」言われたことをするので消去的に残った行動を行っていることが挙げられます。

また、マズローの欲求5段階説の第二階層目にあたる「安全欲求」が脅かされるため「自己実現」や「尊厳」を満たすために動く人々よりも行動の動機づけとして弱くパフォーマンスは低いと言えます。

そのため「情動感染」と「マズローの欲求5段階説」から言えば「怒り」よりも「喜び」や「悲しみ」の感情をもって指導する方が有効なのではないでしょうか。

 

 

上手いプレゼンにするために情動感染を活用

大学生や社会人ともなると必ず避けては通れないプレゼンですが、他の人のプレゼンを聞いていて眠たくなった経験はありませんか?

多くの人は予め用意したパワーポイントやテキストに沿って解説していくだけで、徹頭徹尾同じトーン・スピードでプレゼンをしているため変化がなく、退屈になって眠たくなるのです。

 

そこで、他の人のように退屈なプレゼンにさせないためにも「情動感染」を意識して聴衆の感情を揺さぶってあげてはいかがでしょうか。

例えば、メリットを紹介する際には嬉しそうにハツラツと読み上げる一方でデメリットや問題点を紹介する際には悲しそうなトーンで発表してみてください。

 

すると聴衆はあなたの意図して作り上げた感情にまんまと騙されて聞き入るプレゼンへと進化することでしょう。

また声量も大小使い分けるとより耳が講師の方に向くのでおすすめですよ。

 

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まとめ

人の感情はカンタンに変わりやすくコントロールしやすいものですが、一方で自分の感情がすぐに伝わる危険性も意識しておかなければ危険なものにもなりかねません。

少し体調が悪い時や機嫌が悪い時に暗いトーンで話してしまうとすぐに相手もあなたと同じ感情が伝染して暗いトーンで話し出します。

 

もし相手の感情に疑問を持つ機会がありましたら、一度自分が今どのような感情で接しているかを改めて考えてみてください。きっと怒りや悲しい感情が少しでもあると相手も同じ気持ちになっています。

ぜひ明日からでも「情動感染」を意識しながら過ごしてみてはいかがでしょうか。