【動機付けの心理学】でモチベーションを保つ方法

動機付けの心理学でモチベーションを保つ方法について。何らかの行動をするとき、そこには意志や意欲が存在します。いわゆる動機付け(モチベーション)です。

心理学的には、「行動の原因となって行動を始動させ、目標に向かわせる力」と定義されます。たとえば、子どもに勉強をさせようと思っても、子どもへの動機付けが不十分だと、勉強の効果は薄くなってしまったり、最悪の場合勉強そのものに取り掛からなくなることは想像に難くありません。

動機付けにもいろいろな分類がありますが、ここでは「内発的動機付け」「外発的動機付け」という分類についてお話しします。

 

【動機の心理】動機付けでモチベーションは保つことができる

外発的動機付け

「外発的動機付け」とは、行為そのものではなく、外部の事柄を目標として、その目標を実現するために行為をしようとする場合を指します。

具体的には、「テストでいい点を取るとおもちゃを買ってもらえるから頑張る」や「志望大学に合格するために勉強する」「上司に怒られないように仕事を頑張る」などがそうです。これに対して「内発的動機付け」とは、行為そのものが目的となっている場合を指します。

 

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内発的動機付け

こちらも具体的に言うと、「理科の原理が面白いから勉強する」「好きだったことについて仕事をする」「人助けの想いからボランティア活動に参加する」といった行為の内容に興味を持っているものや、「新しいことを知ることが好きなので、本をたくさん読む」といった、内容そのものというよりも、「刺激」を求めて行動するようなものになります。

外的要因に影響を受けないため、「内発的動機付け」による行為のほうが長続きしやすいと言えます。

 

 

実験で「アンダーマイニング効果」が

ここで、この二つの動機づけに関する面白い実験結果を紹介します。デシという心理学者によって、あるパズルを用いた実験が行われました。

2つのグループにパズル(7つのブロックから目標とする立体的な形を作るパズル)をさせます。一方のグループはパズルの課題を出すだけですが、もう一方のグループには途中から1問解くごとに報酬を出すと告げ、さらに数問解き進めると、予算の関係で報酬はもう支払われない、と告げます。

 

つまり、もともと「パズルを解く」という内発的動機付けのみで行動していたところに、「1問ごとの報酬」という外発的動機付けを与え、その後「報酬が支払われない」と告げることで外的要因を取り除いてしまう、ということになります。

さて、どちらのグループがパズルに従事した時間は長かったのか。答えは途中に何も指示の出なかった、ただパズルを解き続けたグループでした。

 

デシはこの結果から、内発的動機付けによって行動しているところ(ここではパズルを解くこと)に、外発的動機付け(報酬)を与えたことにより、内発的動機付けが低減してしまった、と考えました。この効果は“アンダーマイニング効果”として広く知られています。

もちろん、「面白いから頑張っている人に報酬を出すな」ということではありませんが、報酬はあくまで成果の報酬であって、それにより行動することを強制することはない、と伝われば、内発的動機付けが低減することもほとんどありえません。

 

ここまで見ていくと、「外発的動機付け」は厄介者のように思われてしまいそうですが、デシは外発的動機付けを完全に否定したわけではありません。

アンダーマイニング効果は内発的動機付けが高まっている場合の話であり、もともと内発的動機付けが低い場合には、外発的動機付けを促すことも意味があると考えられています。たとえば、勉強が嫌いな子どもに内発的動機付けを期待することは難しいでしょう。

そこで、はじめは外発的動機付けを用いて勉強に取り組ませ、成功体験により自信をつけることを繰り返していくことで、外発的動機付けから内発的動機付けへと移行させていくことが大切だと言われています。さて、これらの動機付けは、生きるために必要な動機とは異なり、社会生活により獲得される動機です。

 

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「社会的動機付け」と「達成動機」

これを「社会的動機付け」と呼びます。社会的動機付けにもいくつか種類があるのですが、このうち、俗にいう「やる気」に近いものが「達成動機」というものです。「達成動機」とは、課題を達成しようとする動機のことです。達成動機が高いか低いかで、面白い傾向が見られます。

達成動機が高い人は、成功可能性が50%程度の、まずまず困難な課題を選択して取り組む傾向があるのに対し、達成動機が低い人は、絶対に失敗しないような簡単な課題か、誰もできないような困難な課題を選択する傾向にあるといいます。

つまり、達成動機が低い人は、困難を乗り越えて成功するよりも、失敗しないこと、あるいは失敗しても仕方ないと感じてもらうことで恥ずかしい思いをしないことを目標に行動する、ということです。

 

 

成功や失敗の原因

ワイナーという心理学者は、この達成動機の差が、成功や失敗の原因を何のせいにするかによって決まっていると考えました。

ワイナーは原因を「自分か自分以外か」「時間的に安定か不安定か」の次元から4つに分類しました。4つとは、能力(自分・安定)・努力(自分・不安定)・課題の難度(自分以外・安定)・運(自分以外・不安定)です。

 

成功や失敗の原因を「努力」とすると達成動機が高まりやすいということです。そのため、失敗要因を「運が悪かった」「自分はバカだから」などと帰属している場合は、努力不足だと認識させることが重要であるということになります。

このように、動機一つとってもいろいろな考え方があります。自分・相手の動機付けをうまくコントロールし、持てる力を発揮しやすくしていくことが大切です。

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