自分の無力感を感じてしまう人の心理的特徴とは?

自分の無力感を感じてしまう人の心理的特徴について。現代において、個人に社会を変える力があると考えている人はどのくらいいるでしょうか。世間が言っているから仕方がない、会社の決まりだから仕方がない、上司や親が言うから仕方がないというふうに、あらゆることで「仕方ない」と諦めてしまってはいないでしょうか。

個人の無力感に陥ってしまった人の特徴をご紹介します。

 

自分の無力感を感じてしまう人の心理

社会と個人

私たちは様々な社会に属しています。国や都道府県といった大きな単位から、家族や友人関係も一種の社会と言えます。私達は様々な社会を構成する一員、個人です。

現代では、個人の意思というものは尊重されていると学校でも教わりますが、果たして本当にそうでしょうか。

 

建前上は個人は尊重されていても、社会に生きる上で、個人を捨てなければならないことは多々ありますし、そうすることで社会が円滑に進んでいくことも事実です。誰もが個人の意思を押し通しては、社会は大変なことになってしまいます。

しかしながら、個人の力に無力感を感じ、完全に個人を捨ててしまったらどうなるでしょうか。全てを諦めて、社会や組織のなすがままに動いていたら、いつの間にか大切なものを失っているかもしれません。個人の無力感は時に取り返しのつかない事態を引き起こすことがあるのです。

 

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何かに寄りかかろうとする

個人の無力感は、確固たる自我が内側にないが故に生まれます。自分が所属する社会の力に対して、いかに自分がちっぽけな存在か、非力で劣っているのかという感情に支配されています。

こうした人々の多くは、意識的には無力感から逃れようとしています。ちっぽけな自分の存在を不満に思い、自分の地位を確立し、他人に一目置かれて、優越したいという意識があります。

 

しかし心の奥底では、表の意識とは逆に、自分が無力でちっぽけな存在であることを肯定し、それを推進しさえします。

彼らは実際の姿以上に自分を無力であると考え、自分自身で考える事をせずに、外側の何らかのもの、地位のあるもの、世間の評価が高いもの、制度や秩序などに依存しようとしているのです。

 

 

この傾向な学生の就職活動の例

学生は社会的にはまだ一人前と見なされていない存在です。彼らはそれを自覚し、自分自身に無力感を感じて、就職によって一人前になろうと考えています。

彼らは世間的に一人前ではない自分に不満を感じて、自分の地位を確立したいという意識があるのです。しかしながら、無力感に陥った学生は、無意識に、必要以上に自分をちっぽけな存在にしています。

 

仮にも20年以上生きてきたのですから、学生生活の中で培ってきた能力や経験に自信を持っても良さそうなものですが、彼らは自分自身を信じることができません。

必要以上に自分を小さくしようとし、その結果として外側の力、ここでは就職先に力を求めようとします。

 

就職活動でどこでも良いから大手企業や公務員などとこだわる学生は、世間的に認められた地位を欲していることがほとんどです。自分自身の力を信じていないが故に、外側の力に無意識的に依存しようとするのです。

自分が本当は何を欲しているのかということを彼らは考える事ができません。自分の能力を信じることができず、何を欲しているのかも二の次なので、既に権威として認められている大手企業に寄りかかろうとしてしまうのです。

 

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無力感が肯定されてしまう

無力感にとらわれた人々は、実際の姿よりもさらに自分が無力で重要な存在ではないと考えているということは既に説明しました。問題は、この考えが世間的・社会的に肯定されてしまうために、その考えから逃れることが難しいということです。

例えば、先程挙げた就職活動なら学生が半人前であるという考えは常識と思われているので、会社に服従し、依存するのは当然であると考えてられます。

社会人なら、どんなに激務や嫌な仕事をやらされても、会社の円滑な運営のための忠誠心となどといった言葉で肯定されてしまいます。
個人が無力であるという事実は、肯定されやすいのです。

 

 

無力感に陥らないために

社会で生活する上で、個人の欲求や意見を抑えて、全体の利益を優先することは必要なことです。全ての人が自分の意見を押し通していたら、とても生活できたものではありません。

時には自己犠牲も必要ですし、他人のために我慢することも必要でしょう。しかしながら、必要以上に自分をちっぽけな存在と見なし、権威に完全に依存・服従してしまうことほど危険なことはありません。

 

信じていた権威が間違った方向に進んだり、本当は受け入れられない要求を自分にしてきた時、はっきり断る勇気も必要ではないでしょうか。普段から自分の考えがなく依存することに慣れている人は、いざという時に自分で判断することができないのです。

仮にもいっぱしの学生なら、自分のそれまでの能力や本当にやりたいことを考えて就職活動をすべきでしょうし、自分に本当に合った業界を吟味するべきでしょう。半人前といっても0ではないのですから。

 

社会人なら、自分の考えというものを徐々に育てていき、いざというときに発揮する準備をすべきでしょう。時には断ったり、辞める勇気なども必要です。

自分の無力感を肯定して何でもかんでも会社に服従するのではなく、本当の自分の実力をつけて、転職なり独立なりをしてもやっていける自信をつけるべきでしょう。

個人の力は大きな社会において、確かにちっぽけなものかもしれませんが、社会において最終的に頼れるのは自分の力であり、支えてくれる人の力です。権威に惑わされて、自分自身と本当に大切なものを見失わないようにしたいものですね。

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