心理療法で効果が出にくい人の特徴とは?

心理療法で効果が出にくい人の特徴について。催眠や暗示などにより、人の精神的健康を取り戻す試み、心理療法。これはカウンセリングなどに取り入れられ、精神的ストレスを聞いてあげることでその人の心の中を整理させることができます。

ところが、この心理療法で効果が出にくい人もいます。催眠術にかかりにくい人や、暗示を信じられない人にも一部共通するこの特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

心理療法(カウンセリングなど)で効果が出にくい人の特徴

悪い結果に終わる経験が潜在意識に残っている

お腹が痛くなって保健室に行き、薬を出してもらったらそれだけでお腹がスッと楽になるような人がいます。たとえ出された薬がお菓子だったとしても。これは一種の暗示ですよね。

よく効く薬だと保険の先生から言われることによってそれを疑うことなく信じ、本当に腹痛が治ってしまうのは暗示が成功していると言えます。胃や腸そのものに問題がある場合ではなく、精神的なストレスから来る腹痛の場合は暗示も効果があります。

 

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ところが、これでもなかなか腹痛が治らないという人の場合、多くは今までに悪い結果に終わる経験をしていることがあります。そしてその回数が多かったり、一回きりであってもそれがトラウマのように潜在意識の中に埋め込まれてしまっている場合、たとえ信じられる人が「大丈夫だよ」「これで治るよ」と言ったとしても、どこかで今回も悪い結果に終わるんだと思ってしまうのです。

人に限らず動物には、経験によって学習する能力があります。車に乗って車酔いをしたならば、次からは乗らない方が自分が快適に過ごせるため、乗りたくないという意識に変わります。車は自分にとって害をなす存在であると学習したのです。

このような自分に害をなす経験を強く残してしまうと、後から大丈夫と暗示を上書きしてもその効果はなかなか発揮されません。それにはその悪い経験を上回るだけの良い結果に終わる経験をさせる必要があり、これにはかなりの時間がかかることがあります。

 

 

調子に乗らないタイプ

心理療法と調子に乗ることとは何の関係もないように思えますが、実は大いに関係しています。調子に乗りやすい人とは、人の言う自分に対する良いイメージや言葉を信じやすい人ということです。

反対に調子に乗らないタイプとは、自分の事を客観視できているため、人から良い評価をされたとしてもそれが真か偽か冷静に判断します。つまり、心理療法によって「これで大丈夫だよ」と言われたとしても、それが本当のことかどうかを慎重に考えてしまうのです。

 

子どもなら、褒めたら褒めただけ自信がつき、それがモチベーションに繋がって嫌いな勉強をしてくれるという単純な行動へ導くことができます。不思議なほどに、たとえ英語が苦手な子だとしても、先生が「君は英語が得意だね」と言うと本当に自分は英語が得意だと思いこめるのです。

しかし、大人になるとそれが複雑化し、思慮深い人や頭の良い人、冷静な人ほど心理療法が効きにくくなってしまいます。医者だからと言ってその人の言動を鵜呑みにせず、自分で考えることができるからこそ暗示や催眠にはかかりにくいのです。

 

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既に自分で十分な精神分析ができている

心療内科などでは、精神分析を行い心理療法を使うこともあります。患者本人すら気づいていないような事柄に目を向け、その人に最適な策を生み出すのです。カウンセリングはそのために必要なものでもあり、話しやすいよう医者はどの分野でもあえて患者と向き合った机配置をしていません。

診察を受ける時には先生は壁を向いており、患者とは対面しないようになっていますよね。特に一人暮らしで家族にも話ができずなかなか打ち明けられないことがある場合には、医者であっても赤の他人に話すのは最初に抵抗があるものです。

 

ところが、家族にも不安なことを話せ、自分なりにどうすれば良いかを考えて分析できている人の場合、医者よりも上手だと言えるでしょう。それもそのはず、自分のことは自分が一番よくわかっているのですから。

何が自分を苦しめているのだろうと分析し、まずはその原因を探ります。その推測を元に今度は自分なりの解決策を見つけようと試みます。症状は異なっても、原因がストレスであるならばそれを見つけ自分で撃退できるだけの方法を編み出せば良いのだと順を追って冷静に考えられます。

 

実際、心療内科に行ってカウンセリングを行っても、結局は毎回同じようなことを伝え、足りなくなった薬だけもらって帰ってくるというサイクルの人もいます。医者が根本的解決策を見つけられないでいるのです。

他人から見えている自分ではない自分の本当の性格、自分が今置かれている環境、言うほどではないと思うけれどちょっとした気になることなどなど、それを知っているのは他ならぬ自分自身なのです。だとすれば、たとえそれを全て話したとしても精神分析ができている患者に対し、医者が打ち出せる新たな手段というのはかなり限定されたものになるでしょう。

 

 

まとめ

心理療法によって心のケアを行ってもらえると期待しても、上記に当てはまるような人は期待通りの治療が受けられないことがあります。医者と言っても一人間であり、あなたの観察を常にしているわけではありません。

世の中にはまだ原因がわからない病気や症状もたくさんあるので、それに当てはまった場合は治すことより、いかにその症状を和らげるかに焦点を当てた方が良い場合もあります。ネガティブなことを言いましたが、逆に捉えれば、薬は自分で用意できませんが、自分の一番の専門家である自分なら医者に頼らず解決できることもたくさんあるということになります。

 

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カウンセリングはアドバイスを行うというより、ただ相手の言うことを聞くことに重点が当てられます。ならば、その役は家族でも友人でもできますよね。プロではないですが、話すことで楽になるなら医者相手でなくても良いはずです。

もちろん、きちんと専門的勉強を行ったプロに診てもらうことは重要ですし、それによって自分では思いつかなかった治療法を提案してくれることもあります。心理療法が聞きにくい人の特徴に当てはまったからといって、医者に行っても効果がないわけでは決してありません。