白黒思考のチェック|改善、メリット、デメリットは?

白黒思考のチェックについて。100なのか0なのか、良いことなのか悪いことなのか、やるべきことかそうでないことか、敵か味方か、などものごとを二極的に考え、決めつけがちな人がいます。

このような思考を「白黒思考」または「二極思考」などと呼びます。「完璧主義」にもつながりやすい思考です。この良くない点を指摘しつつ、悪くない点にも触れて解説しています。

 

白黒思考チェック|メリット、デメリットは?

ネガティブな決めつけは、もったいない

良くあるのが、「あの人は魅力的な女性であり、私はそうではない」などと決めつけてしまう考え方です。「人間そのもの」「自分そのもの」についてこのような思考が続くと、抑うつ的になってしまうこともあります。

「魅力的な女性だ」と思う人にも、あなたにない欠点があるかもしれませんし、その人にない美点が、あなたにあるかもしれません。いえ、むしろそれが当然でしょう。しかしそれが見えなくなってしまうのです。

このような白黒思考はとてももったいないものですので、ときどきセルフチェックを試みましょう。

 

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ポジティブな決めつけは、一概に悪くない?

では、自分や他人の持つ何らかの特性などについて、白か黒かで言えば「白である」とポジティブに決めつけてしまう場合では、どうでしょうか。

たとえば、「私は間違いなくこの仕事に向いており、天職である」といったものです。これも、論理的に考えるならば、本当は他にも合う職業がいくつかあるのかもしれません。しかし、このような決めつけによって心が安定するのであれば、それ自体、特に問題ではありません。

 

しかし、このような白黒思考で問題が起きることもあります。たとえばその仕事で思わしくない結果が続いてしまった場合に、「80点ぐらいの仕事しかできない。これはやはり、私の天職ではないのだ」というように、ガラリと考えが変わってしまう可能性がありますね。

また「あの人は理想的な上司である。あんな人は世の中に他にいない」などと、他者について過剰にポジティブ評価をしてしまう人では、たとえばその上司に僅かな欠点が見えたとき、「やはりあの人は、理想の上司ではなかったんだ」と過剰に落ち込み、今度は過剰に否定的になったりもします。

ポジティブ系の白黒思考は、一概に悪いとは決めつけられませんが(それこそ決めつけ、白黒思考になってしまいます)、やはり危険が潜んでいるといえます。

 

 

小さな物事については、誰でもやっている「白黒思考」

「よく缶コーヒーを飲むが、Aというブランドよりは、Bというブランドのほうが絶対に美味い」といったことを口にする人は少なくありません。しかしそのことで、自他が特に困らないレベルであれば、文字通り困ったことにはならないですね。

「自宅でのWebブラウジングでは、CというブラウザではなくDというものを使う。Cはダメである」というようなことも、特に自他に害を及ぼすものではなく、CとDを厳密に比較してばかりいるよりは、Dを使って検索なりSNS利用なりをするほうが合理的な行動である、ともいえるでしょう。

 

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「認知的倹約」と「白黒思考」

心理学的には、人間や動物は「認知的倹約家」である、とされます。カンタンに言うと、人間や動物は、「考えなくて良いことがら・重要度の低いことがらについては、必要以上に考えない」、と思考するようにできているのです。

それはどうしてか? 「考える事の倹約」を行うことは「適応的」=「生存していくのに有利」な思考方法でもあるからです。換言すれば、認知的倹約を行える存在が、生存競争を生き延びてきた、ともいえますね。

 

短絡的であっても、ひとまずざっくりと物事を判断し、白黒を付けてしまうのも、適応的であるといえるのです。

たとえば夜道を歩いていて、目の前に二つの分かれ道があるとき、根拠は定かでなくても「何となく左側の道のほうが安全な気がする」といったことで左側の道を選ぶなどの行動もありますね。こうしたことも、「その場で立ち止まって何十分も思案したりする」よりは、適応的であると考えられます。

しかしながら、その「とりあえず良いか悪いか決める」といった傾向が日頃から強く出過ぎてしまうと、「白黒思考」が強すぎる人、ということになってしまいます。難しいところですね。

 

 

白黒思考と、そうでない思考を意図的に共存させることは可能か?

たとえば企業経営をしている場合、「自分の事業は絶対に成功する。従業員の皆も必ず幸せになる。もし上手く行かないなら、計画が誤っていたということだ」というような、いささか白黒思考的な信念を持つことは、必ずしも悪くありません。考え方によっては、必要な要素だともいえるでしょう。

しかし、少しでも事業がぐらついたとき「やはり失敗だった。この会社はダメだ」と直ぐ考えてしまうのが、白黒思考傾向の強い経営者がおかしがちな過ちです。

 

では、冷静に事業について分析・自省などすることと、「絶対に成功するんだ」という気持ちは、必ず対立するものであり、共存不可能なものでしょうか?

…そうではありません。適宜「やはり、この事業にはいくつか改善すべき点がある」などと冷静に考えつつ、一方において「自分は、必ず、100%、成功するのだ」と考えることは可能です。

上手な企業経営者は、無意識的にもこのような「意識の使い分け」をしているとも想定できます。

 

 

直観的判断と、合理的な考え

21世紀に入って盛んに研究されているのが、「人間はまず直観的な判断を下し、次に、必要に応じて合理的な判断を試みる(直観的判断を修正する)」という心理的傾向です。

たとえば、お腹が空いて、こってりとしたラーメンを食べたくなったものの(直観)、そこで立ち止まって少々考えた結果、「あっさりめのお蕎麦を食べても、お腹は十分に満たされるのではないか。

 

その方が、健康に良いのではないか。こってりしたラーメンは別の日に食べてもよいのではないか(合理的判断)」と判断する。…このような思考が、人間にはよく見られるものなのです。

少なくとも、逆の傾向(合理的な判断をした後に、直観的な判断に移行する)はなかなか見られない、ということが多くの心理学研究で指摘されています。

こうした考え方からすると、「白黒思考」は、直観的判断のみで物事をジャッジしやすい人、あるいは、合理的判断より直観的判断が優先しがちな人に起きやすい、ということもできます。

 

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まとめ

「白黒思考」は、基本的にはなるべく避けたい傾向ですが、同時に、人間が持つ避けられない性向でもあり、状況によっては有用な思考法だともいえます。

ご自身にやや白黒思考な傾向があるとしても、それを完全否定はせず、上手く付き合うぐらいの気持ちとすれば、ものごとは何かと上手く進む傾向になるでしょう。

また、とても寛大・柔軟で「どのようなこと・人にも、良い面も悪い面もあるのだ」と考えるタイプの人でも、時としていささか白黒思考気味な考えを導入してみることは、損ではないのです。