他言語を話すと性格が変わってしまう人の心理とは?

他言語を話すと性格が変わってしまう人の心理について。よく、他言語を話すと人は性格が変わると言います。いつもより明るくなったり、動きが派手になったり。特別話し相手に好意や嫌悪があるわけでもなく、ただ話す言葉が変わっただけなのに、どうしてこのような現象が起こるのでしょうか。そこに働く心理を見ていきます。

 

他言語を話すと性格が変わってしまう人の心理

誤解を恐れる心理

母語でない言葉を操る時、人はその言語がネイティブスピーカー並みに話せないと誤解を生む恐れをどこかで感じます。辞書で書いてあったことをそのまま正しく使っているはずなのに、実は違ったニュアンスで伝わってしまっていたりすることはよくありますよね。

ニュアンスは理解するというより、その言葉を使いながら習得していく感覚のようなものです。そこに理由を求めるのであれば、言語学の深いところにまで立ち入らなければなりません。

 

この心理が行動に出ると、人はジェスチャーを多用したり、いつもより表情豊かになることがあります。これは、人の言語から得る情報よりも、ジェスチャーや表情から読み取る情報の方が圧倒的に多いことに基づいています。

一説には、表情やジェスチャーで得る情報は70%と言われており、いかに顔を合わせて話すことが大事かを認識させられます。つまり、英語など、母語でない言語を相手の誤解を招かない程度で操る自信がないと、言語以外での意思伝達手段を自然と多く使ってしまうのです。

 

周りから見ると、感情表現が豊かになっていると思われるので、他言語を使う時にはあの人は性格が変わると言われるのです。相手が自分をその言語を完璧には話せない人だと認識してくれていれば誤解は解けることがほとんどですが、特にビジネスの場や、観光客少ない郵便局などでは厳しい状況に陥ることもあります。

自分の言語力のせいで相手に不快な思いをさせたくない、という気持ちから生まれるのが身振り手振りであったり、感情表現であったりします。

 

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100%は伝わらないという安心感

自分の英語、他言語のレベル的に、相手にその内容や伝えたいことが100%伝わらないのは仕方のないことです。これに煩わしさを感じる人もいますが、ある程度まで話せるようになったら、それを安心だと感じる人もいます。

日本語だと、ちょっとした言葉だって相手に伝わります。伝えたくないことまで見抜かれてしまったり、こちらが意図して伝えたい内容以外も漏れ出ることがあります。慣れ親しんで使いこなせる母語だからこそ、このような現象が起こります。

 

便利ですが、あまり自分に踏み込んでほしくないという人にとっては時に壁を作ってしまう原因となります。一方、他言語を話す時にはそれがないため、もっと自分をオープンにしても危険はないと感じられます。

むしろオープンにしすぎるくらいが意思伝達のためにはちょうど良いと感じ、他言語を話している時には開放的な気分になる人もいます。全てが完璧に伝わらないからこそ楽ができるのです。

操れないものを自分が頑張って使っているという一種の酔いしれる気持ちもあり、この時、人は日本語を使っている時より楽観的になっています。

 

 

過去の自分を知られていないという気持ちが生まれる

外国人を相手にして話している時、それが初対面であったり最近出会った人であれば、当然その人は自分という人間の過去を知りません。日本文化にそこまで通じていないなら、学校生活の常識や暮らしの常識も知りません。

だから日本人なら引かれる過去があっても、日本文化だからという色を出せる逃げ道が存在します。「外国人なのだから最初から価値観が違って当たり前」と思って接することで、多少の違いを互いに受け入れやすくなっているのです。

 

よく、価値観の違いが原因で離婚する夫婦がいますが、こういう意味では案外国際結婚の方が上手く行ったりするのかもしれませんね。過去の自分を知られていないということから、自分は一から始められる、生まれ変われるという感覚を感じます。

これを皮切りに、理想とする自分になろうとして性格が変わると言われたりもします。他言語を扱っている自分はどこか自分でさえ知らない自分であると感じ、その言葉を使うことが好きになっていきます。

ただ、この状態ばかりが長く続くと思っているより体力を消耗するので、特に留学中には日本にいる時より意識的に多めの休憩を入れることが大切です。

 

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知らなくて当たり前と開き直る

上手く他言語が扱えなくて無口になってしまう人も性格が変わると言えますが、その反対になる人もいます。「私は日本生まれ日本育ちなのだから、英語などの他の言語が話せなくて当たり前だ」と開き直るのです。

そのような人は言語が得意であることが多く、失敗を恐れず文法を気にせずどんどん喋ります。英会話ではこれこそが大事なのですが、日本人気質が強く出る人にとっては苦痛になりえます。

 

外国人が日本に来て、「テンプラ」や「コンニチハ」と言うと、至極簡単な単語なのに日本人はすごいと喜びます。この逆転現象が、日本人が英語やその他の言語で何かしら単語を言えばウケル、というものです。

自分があまり他言語を話せないことを恥ずかしいと思うのではなく、むしろそのたどたどしさを可愛いと思ってもらえると感じられると、開き直ってガンガン行ける性格に変わります。自分のできないこと、苦手なことを隠すのではなく、オープンにできる人がこの傾向にあります。

 

 

まとめ

英語など、母語でない言語を話すと性格が変わる不思議の謎は解決したでしょうか。はたから見ると友達が別人に見えるという人もいますし、本人は自分でも気づかないうちに性格が明るくなっていることもあるでしょう。

根本は、人の伝えたいという思いが生み出すものでした。シャイだと言われる日本人が多い中、上記のようなタイプの人はちょっと面白いと思われているかもしれませんね。日本人は全員真面目で几帳面だというステレオタイプがあるので、これを覆してみるのも相手の期待を良い意味で裏切れると思います。

日本語という言葉だけで十分に伝わるからこそ、普段はジェスチャーがおざなりになっています。それを開放するのは相手に言葉だけでは伝えきれないものがある時で、それを使うことで他人からは性格が明るくなると思われます。

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