他人と違うことをするのが嫌な人の心理とは?

他人と違うことをするのが嫌な人の心理について。世の中には、他人と同じであることで自分を保っている人がいます。右に倣えで他人の真似をする人、流行に流されやすい人は何故そうしてしまうのでしょうか。今回は、なんでも他人と同じにしたがる人の心理をご紹介します。

 

他人と違うことをするのが嫌な人の心理とは?

出る杭は打たれる社会

出る杭は打たれるなんてことわざがありますが、日本は比較的人とは違っているということを容認しない社会です。もちろん、人それぞれ考え方や能力や見た目が違うことは認められていますが、それを表立って示すことは嫌われる傾向が強いです。

例えば、就職活動を行う学生を考えてみましょう。就職活動前は思い思いの格好をしていた学生たちが、皆一様に同じ髪型、黒髪、同じ色のリクルートスーツを着込み、テキスト通りの自己PRと面接の受け応えをします。

 

どこにでも通じるビジネスマナーと言ってしまえばそれまでですが、それぞれが全く見分けのつかないその姿に、少しやり過ぎなのではと思わなくもありません。しかしながらそれこそが社会が求めている人物像なのです。

日本社会は人とは違うということを表立って表現することを避ける文化です。私たちはそのような社会の中で、他人と同じであることを是として育ってきたのです。

 

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皆と同じは安心する

私たちは皆と同じになることが当たり前の社会で生きてきました。だから皆と同じでいることで、安心することができます。

流行に乗りやすい人は、他の人が皆ハマっている、他の誰かが評価しているということで、安心してその流行に乗ります。自分がどう考えるかではなく、他人が評価しているからということが重要なのです。

 

友達皆がブランドのバックを持っていたら、自分も欲しくなりますね。友達皆が恋人がいたり、結婚していったら、自分も恋人を作って結婚をしなければ、と思いますね。

この場合のモチベーションは、本当にブランドバックが欲しいとか、恋人を作って結婚したいというものではなく、他人が持っている・しているから、自分もしたいというものです。

このような人々は、自分自身の価値基準というものが存在しないので、他人や世間が評価しているものに群がってしまうのです。皆と同じにすることによって安心できます。

 

 

他人と違うことは怖いこと?

他人と同じでいることは、自分の意見や個性を批判されたり、仲間はずれにされる心配が少なくなるので、非常に楽な生き方です。誰だって仲間はずれにされたくはありませんし、ひとりぼっちでいたくはありませんね。

他人と同じにしたがる人の心の根底には、仲間はずれにされて孤独になるのが怖いという感情があります。

 

彼らには、確固たる自分の価値基準というものがありません。自分で判断して物を買うことも、どこかに行くことも、自分の人生を決めることも、なかなかできません。

街を歩いていると、ランキング形式で商品を紹介したり、店員や識者のオススメコーナーがあったりしますね。あのような宣伝方法は、初心者向け、言うなれば自分の価値基準を持たない人向けの宣伝です。

 

本当に初心者ならば参考にしていいと思いますが、それに従い続けるのは、いつまでも初心者だと言っているようなものです。いつまでも他人と同じに行動するということは、いつまでも自分の価値判断が確立できないということでもあります。

確固たる価値判断がなく、自分に自信を持てず、自分の判断で動くと仲間はずれにされそうなので、他人と同じことを好むのです。例え自信がなくても、願望や欲求などは誰にでもありますから、無理して他人と合わせることもしばしばです。

 

そういった生き方は楽ですが、いざ自分自身で判断しなくてはならない時、非常に困ったことになります。他人と同じだからといってそれが絶対に正しいとは限らないのです。

自分の価値基準がなく、あちこちを行ったり来たりすると、いつの間にかこんなはずではなかったと思うことも少なくありません。その時に他人は助けてくれません。

 

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他人と同じは、いじめを生む

他人と同じであることを好むということは、他人と違う人を妬んだり、見下したりすることにもつながります。仲間の中で1人だけ結婚をしなかったら、その人に問題があるとか、普通じゃないと考える人は多いでしょう。

就職活動をする学生が大勢いる中で、就職活動をせずに自分の学問や研究に没頭している人は、大抵が白い目で見られます。

 

他人と同じということが是とされるということは、他人と異なる人が間違っているとされることになりがちです。しかし結婚をしなくても幸せな人はいくらでもいるし、研究や学問を突き詰めることは学生の本分といってもいいはずのことです。

他人と違うを認めないことは、排他主義を生みます。いじめが生まれる大きな原因の一つは、こういった排他主義にあるとは言えないでしょうか。

 

 

他人と違うは勇気がいる

他人と違うことは、常に批判されたり、妬まれたり、仲間はずれにされる危険性が伴います。他人と違うことは勇気がいるのです。それなら他人と同じ方が楽だと思うでしょう。

確かにそのほうが無難ですし、とりわけ日本においては過ごしやすいと言えるでしょう。しかしそんな生き方に染み付いていると、いざ何かあった時に対応ができません。

 

本当に嫌な仕事を押し付けられた時、大事なものと仕事を天秤にかけねばならない時、病気や怪我などで他人と同じことができなくなった時、自分自身で判断しなければならない時は必ず来ます。

その時に常識的に考えたり、他人と同じだからといって判断をすると、きっと後悔することになるでしょう。どんなに他人と同じように振る舞っても、自分は自分であり、他人と全く同じにはなれないのですから。

 

何でも他人と同じにしたがる人の心のなかには、他人と違うことをすることによって、仲間はずれにされたくないという、孤独を恐れる心理があります。

人間は孤独に耐えきれない動物です。誰かと関係を持たなければ、生きていくことができません。

しかしながら、本当に大事なことは自分自身の判断で決めなければなりません。時には孤独になることを恐れず、自信を持って行動することも必要なのではないでしょうか。

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