分かりやすい文章と分かりにくい文章を書く心理パターン

仕事の上でメールのやりとりは欠かせませんが、しばしば相手からの文章が「分かりにくい」と感じることもあるかと思います。「分かりにくい」文章を書いてしまうのはどのようなときなのか。心理パターンなどをまとめてみました。

 

そもそも「分かりにくい文章」とは?

そもそも「分かりにくい」という感覚は主観的なものです。「表現がいまいちピンとこない」、「文章が長い」など、読む人それぞれに苦手なポイントがあります。

つまるところは小説やエッセイなど、本の好き嫌いと一緒です。文章が「分かりにくい」といわれた場合、相手がどのポイントに引っかかっているのか探る必要がありそうです。

以下、代表的なパターンを紹介します。

 

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文章が長い

ビジネスメールの目的は、内容を端的に伝えることです。しかし時として、前置きや言い回しの表現が長くその割に本題が伝わってこない
文章を見かけることもあります。

こうした表現をする人は、おおよそ以下のパターンに分類できます。

 

a;)新人さん、あるいは文章に不慣れな人の場合。

宛名や部署名を書く位置、時候の挨拶など。ビジネスメールに慣れないうちは悩みがつきものです。同じ内容の書面でもフォーマットは本やサイトによって違うこともあり、調べれば調べるほどわからなくなってしまいます。

もし、文面に普段の会話では使われないような丁寧過ぎる敬語や挨拶などがあればこのパターンで考えて良いでしょう。そうした方の心理として、「フォーマットを崩すと失礼に思われるかもしれない」という緊張があります。

こうした場合、電話でニュアンスを直接うかがうと良いでしょう。その際、文章表現についてもフィードバックできれば次回からやりとりが楽になるはずです。

 

 

b;)上司の場合

目上の人からこうした文章が来た場合。言葉遣いや礼儀に始まり、仕事の進め方、はては物の置く位置などどこかしらにこだわりや、一家言ある人です。

自信家で責任感も強い一方、相手をコントロールしたい心理があります。仕事で部下をコントロールすることは、決して悪いことではありません。

こうした人が上司の場合、説明や指示なしに仕事を部下に丸投げするような事はないからです。しっかりチェックもして仕事の品質を担保してくれることでしょう。

 

 

婉曲的な表現をする

文章の量は決して多くないのに、表現が直接的ではなく分かりにくい場合。以下のようなパターンが考えられます。

 

a;)あえて明言を避けている

承諾が難しい提案をされたり、その提案に乗り気でなかったり。相手の雰囲気から察することはできるはずです。否定はしたいのですがあなたとの関係を壊さないよう、気を使ってくれています。

 

 

b;)相手から何かを引き出したい

交渉術としてあえてそのような書き方をする場合もあります。見分け方のポイントをご紹介します。

 

 

対面での話術はうまい

「話がうまい」、ということは「分かりやすい」ということ。相手が理解できる伝え方のテクニックを熟知しているはずです。

その上で情報を小出しにすることで駆け引きをしています。目的は「情報を伝えること」ではなく「相手のリアクション」です。

 

 

メールへのレスポンスの速さ

えてして自分の得になる場合は返信が早く、不利になる場合は放置しつづけます。この場合、返信をしないこと自体が交渉テクニックの一つで、目的は同じく「相手のリアクション」です。

 

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c; )特殊なケース

事務系の書類仕事などでは文章での説明は、かえってニュアンスが伝わらないこともあります。書き方を最小限にして電話での連絡をうながす場合もあります。

 

 

わかりやすい文章の書き方

ここからは、より端的で分かりやすい文章の作り方のポイントを紹介していきます。

 

a;)英語の構文を意識する

そもそもビジネスメールという風習自体、欧米発祥のものではないでしょうか?その是非はともかくとして、要件を端的に伝える際に英語の構造は非常に役立ちます。

基本的には以下の流れです。

 

「挨拶」→「主語 と 述語(動詞)」 →「補足」

*以下、「主語 と 述語」→「補足」を繰り返し。

これをメールで置き換えると以下のようになります。

 

____________________
◯◯様

お世話になっております。
☓☓社の△△です。

先日の〇〇の件、承知しました。
△△という方向で進めさせていただきます。

〜以下、状況を説明〜
_____________________

 

ポイントは「主語 と 述語」で結論を先に提示すること。その後、事情の説明やニュアンスの補足を加えると良いでしょう。

補足が長い場合でも読み手はいつでも結論に立ち返り、再度文脈を追うことができます。

 

 

b;)テックターム(専門用語)を使う

英会話の場面をイメージしてみましょう。こちらが何とか伝えようと並べたいろいろな単語や表現は実はワンフレーズで済むものだった、ということはよくある話です。

この観点はメールを問わず広く文章で応用できます。自分が伝えたい内容は、相手の業界ではどのような語彙に相当するのか。ニュアンスまで調べて理解した上で使ってみましょう。

基本的なことですが文章を短くする上では大事なテクニックです。

 

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同じ要件の文章を書くのでも、実際の出来栄えは人によってかなり違います。文章の分かりやすさ、読みやすさとは結局のところ自分の感覚や価値観との相性でしかありません。ぜひ、自分にあった文章術を探してみましょう。