ワークショップをおすすめする心理とは?

ワークショップをおすすめする心理について。もともと、ワークショップとは工房や仕事場、作業場などの意味がありました。多くの人が工具を使って、真剣にものづくりに取り組んでいる様子を想像することができます。

ワークショップも同じように、主体的に参加したメンバーが協働体験を通して、創造と学習を生み出す場として使われています。ここでは、ワークショップが注目を集める心理をご紹介します。

 

ワークショップをおすすめする心理

問題解決のサイクルが早いという心理

ワークショップにはさまざまな分野があり、中身も異なります。例えば、ビジネスであれば組織の問題の解決や発展のための組織系ワークショップです。会議やプロジェクト運営の円滑化、業務プロセスの改善や商品開発の推進など、問題を解決していくことができます。

組織はチームとして、特定の目的に合わせてつくられた集団です。環境の変化に適応しながら価値を提供し続けなければ、存続することは難しいでしょう。ですが、近年は環境の変化が複雑になり、スピードも速くなって、振れ幅も大きくなってます。

 

そのため、「リーダーが意思決定するのは限界がある」「リーダーが集めた情報に従業員が従うという仕組みは非効率だ」といった心理から、「大きな変革が必要なのでは…」という人も少なくありません。

一方、ワークショップは問題に直接関係する人が組織内だけでなく、組織外からも集まるため、参加者が多様化します。また、小さなプロジェクトやチームとして、自律的に問題を解決するため、機敏に対応することもできます。

「参加者のやる気が伝わってくる」「互いの知恵が引き出され、問題解決のサイクルが早い」といった心理が働き、ワークショップの良さを実感する人も多いでしょう。

 

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自分で考え方向性を決めて行動できるという心理

ワークショップには社会が抱えている課題を考えるものもあります。幅広い参加者の合意で物事を進めていくまちづくり活動やいろいろなコミュニティ活動の運営の促進、労働組合や自治会、PTAなどの組織の運営、NPOやサークル活動などボランティア団体の運営などです。

また、組織やコミュニティのビジョンづくり、環境や人権など地球規模のものもあります。以前は、組織や社会がリーダーの指導のもと、きめ細かい制度がつくられ管理されて、うまく運営していることが普通でした。

 

ですが、時代の変化とともに、人々の価値観やライフスタイルもさまざまになり、一方的に方向性が与えられ管理されても、「納得しない」「従うのは難しい」という心理の人が増えています。

ワークショップでは、参加する人が自分の意思で参加し、自分たちの方向性を決めていきます。「自分たちのことは自分たちで決めて行動する」という心理が働くため、参加している人それぞれが、真の納得を得ることが少なくありません。

世の中の大きな変化に合わせて、「階層(ピラミッド)型社会」から「自律分散協調(ネットワーク)型社会」へ移行することができるため、ワークショップに注目する人がいます。

 

 

納得して行動できるという心理

ワークショップの分野の中で、一番歴史が深く多彩なのが、教育や学習の場で活用されているものです。例えば、参加体験型学習を生かした研修やセミナー、人間関係や自己成長のトレーニング、就業支援やキャリア開発などがあります。

また、教科や総合学習、クラスづくりなどの学校教育や授業の改善、音楽や演劇、アートなど創作活動や自己表現もあります。さらに、環境教育や国際教育、人権教育など社会・生涯教育の分野など、ありとあらゆる場で活用されてます。

 

今までの教育や学習で多いのは、講師が生徒に知識を伝えるという一方的なスタイルのものでした。ですが、社会が複雑に変化しているため、単に勉強として頭で分かっているのでは、自分が抱える問題を解決したり、自分を成長させていくためには通用しなくなっていることが少なくありません。

一方、ワークショップは集団の中で、今まで生きてきた中での知識や経験を出し合い、組み替えたり、新しい意味を見つけ出します。また、その場で体験し、起こったことをもとに、新しい知識を発見することもできます。

「なるほど!と納得した」「本当の意味で分かった気がする」という心理になる人も多いでしょう。ワークショップは学習の教育スタイルが「講師主体」ではなく「受講者主体」になるため、利点に注目する人がいます。

 

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話し合いが進みやすいという心理

ワークショップは主体性と相互作用が重要ですが、成功させるためには事前のさまざまな準備も欠かせません。例えば、「誰を集めるか」「どのようなテーマを話し合うか」「話しやすい雰囲気をつくるにはどうしたら良いか」「与えられた時間をどう過ごせば良いか」など考えることは大切です。

「さあ、意見を出して」「みんなで主体的にしよう」と話しかけても、「気持ちがのらない」「話しづらい」という心理になる人も多く、目的に沿うことはできないでしょう。

 

人の気持ちは環境に大きく左右されます。目的に合わせて「リラックスしやすい」「物事を考えやすい」「相互に触発し合える」「体験学習になりやすい」といった心理になるように、活動する環境を整えることができます。

相互作用が自然に発生する確率は非常に低いでしょう。ある程度の時間内でそれなりの成果が出るために、プログラムを作っておくことができます。

大抵、「こんなことをしたい」という目標がありますので、テーマやスケジュール、活動内容など作業の順番を考え、入念に段取りすることができるでしょう。参加者は「発言しやすい」「プログラムが進みやすい」という心理になります。

 

 

まとめ

ワークショップでは舵取りをする人をファシリテーターと言います。プログラム通りに進行するため、その場に適切な対応する臨機応変さが求められます。

アイデアを出し合う時は「目標は10個ですよ!」と励ましたり、参加者全員が発言できるように「1人発言3分です」と対処したり、不測の事態が生じた時は「もう一つは持ち越しで良いでしょうか」など、その場を作り込んでいきます。参加しやすくしたり、協働を促したり、創造力を働かせるための仕掛けはワークショップをより豊かな場にすることに役立ちます。

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