段取りを良くする方法とは?どんな心理?

ひとりひとりが持っている才能や能力。一般に、「天才」や「芸術家」と呼ばれている人を除くと、それほど大きな差はないと言われています。しかしながら、他の人から見るとうまくやっているように見える人もいます。

その要因の一つが段取り力です。段取りが良い人と悪い人では対処法も違ってきます。例えば、何かに失敗した時、「自分には才能がないからだ」「能力がないから当然かも…」といった心理になるなら、改善することを諦めてしまうかもしれません。

それは才能や育ち、環境のせいにしているからです。一方、「段取りが悪かったから」という心理になると、「次はこうしよう」「努力してみよう」という諦めずに対処していくことでしょう。これは生きていく上で大きなポイントです。段取りを覚える力は努力次第で向上させていくことができます。ここでは段取り力を身につけるための心理をご紹介します。

 

段取りを良くする方法

段取り力は「発想の転換」という心理

そもそも、「段取り」は職人の間で実際的に使われることが多い言葉です。彫刻家などの芸術家も「段取りは大切だ」と言うことがあります。「段取り命」というフレーズも耳にしますが、仕事や家事などきちんと仕込まれた経験を持つ人も少なくありません。

これは自己肯定を高める考え方とも言えます。例えば、仕事が思うようにできなかった場合、「自分に力がなかったのではなく、段取りが悪かっただけ」という心理になるなら、自分自身を責めることはあまりしないでしょう。

一方、「自分に力がなかったからできなかった」という心理は自分自身を責める割合が増えてしまいます。このような自己否定が続くと次のエネルギーもわいてこないでしょう。うまくいかなかったことを「反省する」というより、「段取りを組み替えてみる」という発想の転換の方が現実を変えていくことができます。

 

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「自分の段取り力」のスタイルを知るという心理

意外に多いのは、「自分は段取りが悪い」と決めつけている人。確かに、「自分は段取りが良い」と自慢する声はあまり聞かないかもしれません。しかしながら、「段取り力」というイメージが偏っているために「自分にはない」と感じている人も少なくありません。

例えば、作家で有名な森鷗外は部屋を非常にきちんと整理整頓して仕事をしていたと言われています。一方、同じく有名な無頼派作家である坂口安吾は部屋中にいろいろなものをまき散らして仕事をしていたそうです。どちらも素晴らしい作品を残していますね。

 

ポイントは、自分に合ったスタイルの段取り力を見つけることです。部屋を整理して計画的に行う人、部屋を乱雑にして散らかった状態にする人、どちらの方が生産性を上げるためのエネルギーがわいてくるかはその人次第というわけです。

職場でもデスクの上に山積みの資料やファイルが重ねている中、ミスなく仕事が早い人がいませんか?何がどこにあるか知っていてすぐに活用できているのでしょう。段取り力を身につけるために、自分に合ったスタイルを見つけてみてください。

 

 

「段取りを自分で組む」という心理

段取り力のある人は自分で組み立てたり、自分で手順を決めることができます。状況に合わせて臨機応変に対応できる人です。一般に、企業に入って最初に仕事をする時、「マニュアルに従う」とことがあります。

行う時の手順が書かれており、その通りに仕事を進めていくというものです。しかしながら、「マニュアル人間」という言葉もあるとおり、「言われたことしかできない人」になるのは避けたいもの。

 

マニュアル通りに動くことと、段取りを自分で組むという動きは対照的です。例えば、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンでアルバイトをしている人の多くは、チキンの揚げ方やバーガーの包み方などを簡潔に教えることができます。

マニュアルのおかげで短時間で伝授できるため、その日入った新しい人も仕事に順応できるそうです。しかしながら、その経験を他のことを行うときの原動力にするためには、「マニュアルがなぜそうなっているのか」読み取ることが重要です。マニュアルを作った人の意図を理解しようという考え方の方向性は、段取り力を身につけるきっかけになるでしょう。

 

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自分の「得意分野の段取り力」を広げていくという心理

一般に料理などの家事は得意だけど、デスクワークなど仕事はできないという人がいます。このような場合、「得意な領域の幅を広げていこう」という考え方を持つことができます。段取り力はやり方の成功体験を増やして、可能性を広げていくことが重要だからです。

そもそも、才能がないというのは素材が悪すぎてどうにもならない場合です。しかし、段取り力がないだけなら、得意なことの感覚を他のことに移して、やり方を変えることが可能です。よく言われる言葉に「一芸に秀でた人は他のことをやっても大丈夫」というものがあります。

 

一つの芸に精通する時は大抵、その内部の段取りを理解できます。「こうやって物事がうまくいくんだ」という心理が働き、徐々に身に染み込んでいき、他の芸にも応用できるようになるでしょう。他のことに臨むときも段取りをイメージしやすくなりますね。

一方、段取り力をまったく鍛えたことがない人の多くは、段取りのイメージを持ちにくいため応用も難しくなってしまいます。「段取り力が得意な分野がある」と考えて前向きに臨んでいきましょう。徐々に効率が良くなるため、大きな自信につながります。

 

 

まとめ

一般の人も使うようになってきましたが、昔から職人の世界では「段取り八分」という言葉があります。物事は八割が段取りで決まるという意味です。大工の棟梁は最終的なビジョンを明確に見据えて、一人一人に仕事を割り振り、全員が効率よく動ける段取りを組みます。

個々の職人は必ずしもそのビジョンを知っているわけではありませんが、年齢が上の人も若い人も体力に見合った動きで生き生きと仕事をこなすため、気持ち良く爽やかになります。

これは皆がエネルギーを上手に出すことができている状態。段取り力があるなら、自分も周囲の人も楽しく有意義な時間を過ごすことができるでしょう。

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