学生から社会人になる心構え、心理とは?

学生から社会人になる心構え、心理について。大学を出たらどこかの会社に入って働く、これは一般的なセオリーですよね。その後どのような進路を歩むことになっても、とりあえずは就職を選ぶ人が大多数です。

生まれてからずっと学校という組織の中で育ってきた学生が、本格的に初めて社会人デビューする時にはどんな心の変化が起きるのでしょうか。ここでは、学生から新社会人となった人の心理状態を見ていきます。これから就職活動をする学生や、そんな子どもを持っている親にとっては知っておいた方が良い心理だと思います。

 

学生から社会人になった人の心理で心構えを

入社した会社が基準になる

そもそも企業が新卒にこだわる理由は何でしょうか。もし会社を運営している立場であれば、学生上がりより即戦力のある転職者など、実績のある人の方が効率は良いはずでは?そのメリットを捨ててまで新卒が欲しい理由の一つは、その人を自分の会社色に染められるからです。

新卒者にとって、当然ですがこれから入社する会社が社会人になって初めて入る会社となります。そこでのルールや仕事内容のハードさは、仮にその会社独自の特徴であったとしても、前職と比較できないことからそれを社会の常識と捉えてしまいがちです。

 

転職して初めてわかることもあるのですが、それに気づかないまま過ごします。会社側としてはこれが狙いなわけです。比較対象がないことによって多少大変なことも皆頑張っているのだと感じられ、乗り越えていけます。

会社としては「前の会社ではこうだったのに」と思われて反発されたくはないので、自分より年下でありこれから育て甲斐のある新卒者は大事にしたいものです。

 

新卒者が比較できるものと言えば学校とアルバイト先くらいなものですが、このどちらも正社員とは性質が異なります。だから比較するにはふさわしくなく、たとえ口に出せたとしても上司は「バイトと仕事は違う」の一言で相手を納得させることができます。

広い見聞を持っている学生もいるものの、社会人として働くことが初めてであるという点ではどの学生ともあまり差がないので、社会の基準がその会社で固定されがちです。自分が新しく置かれた環境、そこから物事を見ていくように心が変化します。

 

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責任感によるプレッシャーを感じる

学生時代は教授の講義を聞いて授業を受けるという受動的なものが多かったのに対して、社会人になると自分が能動的に動かないと会社の歯車が動きません。そのことが嫌でもわかるので、今までにないプレッシャーを感じ始めます。

このことに弱いと体調を崩してしまうこともあるので、最初の半年のうちは体調管理を徹底しましょう。周りが残業しているのに自分だけ帰れないという責任感が芽生えると、多少無理も覚えます。何故ならその会社という組織が基準になっているから。

 

人間関係を崩したくないということもあり、空気の読めない行動は慎むようにもなります。学校では同年代の人が多かったので少しわがままも通せたとしても、年が離れた人とそこまで仲良くなれることは珍しいので気を遣うことも増えます。心労が増えるというのも新社会人の心的特徴です。

自分が間違った時や失敗した時には叱られることもありますが、大学生時代に叱られるということからは遠ざかっているはずなので、そこでショックを受けることも少なくありません。

失敗すると他人に迷惑をかけるとわかると責任感も大きくなります。それがより良い仕事に繋がっていくとそれが達成感に変わりますが、そうなるのは新社会人にとってはまだ先のことかもしれません。

 

 

生き方の多様性を感じられるようになる

その会社が新入社員の基準になると書きましたが、慣れてくると他の世界にも目が向き始めます。上司の話の中からその人の家庭環境を意識したり、飲み会で集まった学生時代の友達の結婚報告を聞いたり、友達の会社でやっている仕事内容を聞いたりすると自分の基準が少し動き始めます。

小学校、中学、高校、大学と進んできたのは一般的と言われる進路ですが、社会人になると組織によってそのありようには学校より更に大きな差があります。

 

就活の際に業界研究によって知ったはずですが、改めてリアルな声を聞くと社会の広さを実感するようになります。上司のように結婚や出産、子育てをしたらこれから自分のライフスタイルは大きく変わっていくのだろうか、キャリアアップを目指すなら友達の言っていた会社に転職した方が自分のためになるだろうかと、会社に入って余裕が出てくると考え方が少しずつ変わっていきます。

それまではその会社に慣れることで精いっぱいであったのが、心に余裕ができた分の他のことについて考えられるようになります。

 

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自分の将来を意識し始める

学生時代と社会人とで大きく変わることはたくさんありますが、その中の一つが目上の人とのかかわりが増えることです。もちろん家族や先生とは交流があったでしょうけど、仕事を一緒にする上でこれまで以上に深くかかわるのは初めての経験となります。

これによって変わるのは自分の将来への目の向け方です。今までは希望校に入学することや、第一希望の会社に入社することが目標だったかもしれませんが、これからは上司のようになるのかもしれないと意識し始めます。

毎月定期的に収入が得られることにより計画性を持ってお金を扱うことも覚えるため、将来の生活について考えるきっかけができます。まだ考えたことがなかった育児のことや親の介護のこと、自分の老後の生活などを上司を見て学びます。プライベートを話せるような飲み会の席だと、余計に将来設計に関心が持てるようになります。

 

 

まとめ

年齢は変わっていないのに、学生時代と新社会人との間に起こる心の変化は大きいものです。環境の変化がそうさせるため、就職したら少なからず誰もが通る道です。その変化に戸惑いつつ成長していく時期と言えるでしょう。

良い変化も悪い変化もありますが、それを対処できるかどうかはその人の育ち方や性格に大きく左右されます。それが発揮される時こそ個性が見られるもので、自分でも気づかないうちに精神面が急速に大人になっていきます。

「学生気分」が自分中心の生活であるならば、社会人になるということは周りも巻き込んだ考え方ができるようになることだと言えます。

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