非行少年、少女の心理的特徴とは?

非行少年、少女の心理的特徴について。周囲を困らせる子どもの非行。反抗的だったり、暴力をふるったり、盗みを働いたり、学校さぼるなど様々な問題を引き起こします。非行の原因としてあげられるのが、親のしつけや教師の指導不足、悪い友達の影響や本人の資質です。

ただし、一つの原因だけで決めることはできず、相互作用で生じる問題と言われています。子どもの困った行動の背後には、どのような心理が働いているのでしょうか?ここでは、非行に走る子どもの心理をご紹介します。

 

非行少年、少女の心理的特徴

自分を守りたいという心理

反抗的な子どもは大人の指示に従わないことが多いでしょう。大人が叱ると、逆に暴言を吐いたり、暴力をふるうこともあります。また、気に入らないことがあると、すぐに怒ってつかみかかることも。周囲からすると、なぜそのように起こるのか理解できません。

また、相手をいらだたせることばかり言うこともあります。相手が気にしている体型や髪型などコンプレックスを面と向かって言うため、「嫌な人」と思われることが多いでしょう。

 

子どもの方からすると周囲の大人から注意されたり、叱られたり、怒られたりすることが多いため、周囲の反応に警戒心を抱くようになります。「自分を守らなければ」という心理から、さらに攻撃的になって、悪循環を招くことに。

「窮地に追い込まれた自分を精一杯防御しよう」という心理から、周囲の人たちにとっては、反抗的な態度と思えることを続けてしまいます。このような子どもは相手の気持ちを想像することや、衝動をコントロールすることが苦手な場合があります。また、被害者意識が強い場合もあるでしょう。

 

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非を認める苦痛から逃れたいという心理

非行に走る子どもの中にはものを盗んだり、平気で嘘をついたりすることがあります。万引きをして、店の人から注意され、保護者が呼び出される。それでも繰り返すため、警察沙汰になることもあります。

また、友達のかばんを勝手にごそごそと探り、物やお金を盗んでしまったり、盗んだことを詰問されても「盗んでいない」と否定することもあるでしょう。時には、人のせいにしたり、「落ちていたから、拾っただけ」と苦しい言い訳をすることもあります。

 

遂には、周囲から不信感を抱かれてしまいます。このような子どもは、自分のした非を認めるという「大きな苦痛から逃れたい」という心理が働き、明らかな嘘をついてごまかそうとすることがあります。

あしざまに指摘され、詰問されればされるほど、否認してしまうでしょう。また、盗むつもりはなく「貸してほしい」と思っていただけとか、手に入れるためにはどのような手順が必要かを「理解していない」と言う場合もあります。自分の言うことを棚に上げて、人のせいにすることも多いでしょう。

 

 

何をしてもうまくいかないという心理

分かりやすい非行の一つに大人の真似事をすることがあげられます。例えば、髪を染めたり、派手な化粧をしたり、みっともない、だらしのない格好をすることがあります。学校に通っていても授業態度が悪く、さぼることも多いため、成績が落ち込んでしまいます。

このような子どもの場合、「自分はもうだめだ」「何をやってもうまくいかない」といった心理から、なんらかの劣等感を抱えていることがあります。勉強でつまずき、克服できないままでいると、無気力になることもあります。

 

また、夜には集団で集まり、未成年者には許されないような言動をする不良集団と呼ばれることもあるでしょう。本人たちには「自分はもう一人前だ」という心理があるのかもしれません。

一方、外見は変化がなく、いたって普通でも、学校をさぼったり、家出をしたり、犯罪を繰り返す子どももいます。「非行少年らしからぬ非行少年」とも言われていますが、このような場合はなんらかの発達障害を抱えていることも考えられます。

 

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危ないことに執着してしまうという心理

思春期の子どもは自分の外見や容姿にこだわりを持ったり、異性に対して関心を持つようになります。これは自然なことですが、興味の対象や関わり方が危険な場合もあります。例えば、異性にしつこくまとわりつき、ストーカー行為やわいせつ行為などに発展することがあげられます。

猫や犬など小動物を虐めることや、毒薬や武器など危険なものにのめり込むことも含まれます。これは、自分の欲求の赴くままに、不適切な行動をすることです。このような子どもは相手の気持ちが理解できなかったり、広がりのない生活を送っていることが多いでしょう。

 

心の豊かさが低下して、健全なものへの興味や関心を持つことができず、無関心になっている可能性もあります。あってはならない放火や破壊行為ですが、「誰かを困らせよう」という心理よりも、「うまくいかない気分をはらそう」という心理から繰り返すことがあります。

内面の葛藤をうまく解決できないことや、生きることや死ぬことについての感覚的な理解ができない状態にある可能性も考えられます。

 

 

まとめ

非行に走る子どもが抱えがちな「どうせ自分なんか…」という心理。挫折や失敗を繰り返し経験するうちに、「がんばっても認められない」といった心理になることも。

自分の存在を肯定的にとらえられない状態です。幸い、立ち直るためのさまざまな支援がありますので、相談することができるでしょう。

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