これは誰にでもある心理であると言えると思います。親に褒めてもらいたい、職場の人に出来る人だと思われたい、友人にいい人と思われたい、等々…誰でも一つは思いますよね。
当の私もいろんなシチュエーションでそんな思いが働いてしまう一人です。人はなぜそのように「他人からの評価」を気にするのでしょうか。
私は心理学者でもなければその分野のプロでもない全くの一般人ですが、少し考えてみたいと思います。
他人からの評価を気にする心理

親に褒められたら
もし親に「いい子ね」「頑張ったね」「すごいね」を褒められたら?我が子の顔を見ているとわかりますが、それはそれは嬉しそうで満たされた顔をしています。
これは、親に「認められた」という充足感、安心感、愛されてる感が得られて心の満足度が高くなるのだと思います。
仕事で褒められたら
これと同様に、職場でも「君に頼めば間違いないから」「君を頼りにしてるから」なんて上司に言われたら、やっぱり「必要とされている」という安心感、充足感がやりがいに繋がったりしますね。
これも同じく心の満足度が高くなります。やはり自分は世間にとって必要な人間である、と自分自身が感じることができる、ということが大きいのではないかと思います。
褒められる、認められるがなかったら?
もし、そういう「褒められる」「認められる」「頼りにされる」と言ったような経験が起こらなかったとしたら…?
例えば親から何も褒められず、認められず、育つと子供は自尊感情が育たず、自信のない子になってしまうでしょう。
「自分は出来ない子なのかな」「必要ない人間なのかな」「自分のいる価値は?」と具体的に思わずとも、その感情が憶測にあって態度が自信のなさげな感じになってしまったり相手に伝わっていじめにつながってしまったりもしかねません。
必要とされると「出来る自分」になってしまう心理

それは大人になってからも言えることで会社で「必要とされていないのではないか…?」と思ってしまうと途端に不安になり、日々の仕事もうまく進められなくなってしまいますよね。
私の夫にもその点が見られることがあります。
「上司にきつく言われるのではないか」「プロジェクトが失敗するのではないか」と、普通の人より随分と恐る節があるので、色々と話を聞いてみました。
すると、やはり根底にあるのは「自分が良く思われたい」「出来る人と思われたい」という思いが強すぎて、失敗が怖くなってしまっているようなのです。
これは本末転倒ですよね。その思いが強すぎて自分を100%出せずにいる非常に厄介な状態になってしまっているのです。
それでは「なぜ出来る人と思われたいのか?」という点においてさらに深く掘り下げてみました。
主人の場合は、もともとプライベートと仕事をきっちり分けるタイプで、家ではどちらかというとダラダラするタイプ。
もちろんこちらは本当の素をさらけ出せている自分自身といったところでしょう。ところが、仕事面では常に「出来る人」になりたいがゆえに「出来る人」を演じてしまっている節があるのです。
おそらく会社内では「○○さんはいつも仕事をきっちりこなす信頼できる人」というイメージを作り上げてしまい、そんな自分にアップアップ状態なのではないか、と妻は分析しています。
これは実は自分にも当てはまるところがあります。現在、私は幼稚園の役員をしているのですが、やっぱり「〇〇さんに頼むと仕事が早いわー」なんて言われると嬉しいのでついつい引き受けてしまったりするのです。
ポイントは、実際に仕事自体は全然したいと思ってもいないしむしろ出来ればやりたくないぐらいなんです。
つまり、評判が良くなるからやるだけ。なんて中身のない人間なんだと文章にして改めて思ってしまい切なくなりました。ある意味うまいこと利用されやすいタイプですね。
「〇〇さん、褒めておけばなんでもやってくれるわよー」なんて陰で言われてるかもしれません…。
「誰にでも思われたい」から「特定の人だけ」

こう書いてみて夫婦で「他人に良く思われたい夫婦」ということがハッキリしたのですが、これは心にある本当の気持ちと逆らった行動をしなければならないので本人にとっては結構なストレスであると言えます。
主人も本質にあるだらけない人間は100%隠して毎日「出来る人」を演じているわけですのでなかなかのストレスだと思います。
我が家みたいに極端ではないにしても、そういう人、少なくないはずだと思います。
私たち夫婦はやはり、根底にある「良い人と思われたい」という他人からの評価を気にしない努力をしなければ、いずれ精神状態に歪みが生じてきて参ってしまうのではと思っています。
そのためには、どんな人にもよく思われたい、という思いを脱ぎ去って、「私は夫からだけ認められれば他は気にしない」とか「○○上司にだけ認められれば合格!」とか、自分の中で認められたい人をしっかり決めて、そこへ向かってアピールするだけにすればきっと今より楽になるのではないかと思っています。
まずは「他人に良く思われたい!」から「○○さんにだけ良く思われたい!」という方向へシフトする。そこからスタートして、徐々に自分の気持ちに素直になれるように進んでいければと思っています。