介護食を作りたい人の心理|食べてくれないと…

介護食を作りたい人の心理について。家族に介護が必要になると生活が変化します。食事もそのひとつ。食べることは健康な体の基本ですから、いつまでも美味しく食べて欲しいと思いますが、作る人にとっての負担も少なくありません。

介護を必要とする人は大抵、運動不足や水分不足による便秘、視覚や手指の障害、好き嫌いや憂うつ感、食べることに時間がかかりすぎるなどの症状や状態があります。そこで、家庭で介護食を続けたくないと思う人の心理と対処法をご紹介しましょう。

 

介護食を作りたくない人の心理

介護者の生活が犠牲になるという心理

1日3回毎日繰り返される食事。介護者にとって、在宅での療養は大きな比重を占めているため、食事や調理が大変になります。「なかなか食べてくれない」「飲みたがらない」といったことに目が向くと、食事のことばかり気になって不安になるでしょう。

意外なことに、食べることが難しいと感じる食形態でも、好きなものであれば上手に食べることがあります。

 

また、食事が進まないため、散歩に切り替えると、帰宅後は間食をしっかり食べることもあります。

他にも、いつもは水分を欲しがらなくても、入浴後なら喉の渇きのためよく飲むということもあるでしょう。外出や入浴、排泄や他の人との交流など、「食」を生活の一部として楽に考えてみましょう。

 

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介護食の理想を追い求めてしまうという心理

介護食とは、食べる人にとって最も食べやすい大きさや形、やわらかさやなめらかさ、まとまりやすいなどに配慮した食事です。もちろん栄養バランスが良く、味や温度もちょうど良いものが食べたいもの。

介護者が理想を追い求めてしまうと、気張って作ることになり、長続きしないでしょう。介護食といっても、家族が食べる食事の一部の形態を変えるだけで美味しい介護食を作ることができます。

 

例えば、家族が鮭の塩焼きを食べる場合、介護食は鮭フレークを白粥に混ぜたり、鮭を使ったレトルト介護食を活用することができるでしょう。

また、大根の煮物をした場合、一部を取り分けて少しつぶしてとろみをつけたり、貝汁などは上澄みだけをとってとろみをつけることができます。

 

 

食べてくれなくてイライラしてしまうという心理

介護食をせっかく作っても、なかなか食べてくれないとイライラしてしまうことがあります。食事が進まない場合、その理由としていくつかの問題が関係しています。

味や形、嗜好が合わないといったことの他、発熱や吐き気、お腹の張りや噛み合わせの悪さなど、食べる人の症状があげられます。

 

また、イスが低いことや食器が遠くて取りにくいこと、食器やスプーンなどが使いにくいといった環境の問題や、不安や悩みを抱えているなどの心理的問題もあるでしょう。

まずは、介護者や家族が一緒に食卓を囲んで、よく観察してみることができます。意外に多いのは、環境の問題が解消するだけでも食べてくれるようになるもの。心理的な問題は食卓を囲んでコミミュニケーションすることで改善される場合があるでしょう。

 

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食卓での声かけに不安を感じるという心理

介護食を食べさせようとしても、口を開かないなど思うように食べてくれない場合もあるでしょう。「口を開けて」「食べてくれないと困る」といった声かけでは食事はなかなか進みません。

「どんな声かけをしたら食べてもらえるのだろう」と困ってしまいます。そもそも考えてみると、麻痺などがあって自分で食事ができない場合、なんの情報もなく口に食べ物を入れられると戸惑うものです。

 

恐怖感をさえ抱く人もいます。直接料理が見えないのですから、食欲がわく表現の声かけをして、食べたいと思うようにしてあげましょう。

例えば、「今日は新米で作ったおかゆだからお米のつやが違って美味しそうですよ」「とても美味しそうな柿を見つけたんだけど、やわらかいからきっと食べれれますよ」などです。

 

 

介護食をずっと続ける自信がないという心理

介護者は自分の健康も維持する必要がありますが、大抵、何らかの問題を抱えているものです。介護による腰痛や生活習慣病、持病などがあげられます。特に、65歳以上の方が介護しているという老々介護も増えています。

「自分もきついのに」「このままずっと続くと思うと憂うつになる」といった心理になるでしょう。

 

実際、介護者が心身ともに疲れてしまって、入院することになるといったケースもあります。在宅療養ができる条件のひとつは、介護者が健康であるというもの。

デイサービスや訪問介護、ショートステイなどを活用して、健康管理やリフレッシュのための時間を取り分けると良いでしょう。

 

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まとめ

頑張りすぎるとストレスがたまって、体を壊してしまうことになります。一人で悩まないで、誰かに相談することができます。情報や知識が得られるなら気分転換にもなるでしょう。

在宅介護支援センターや保健福祉センターの窓口で相談することができますし、行政やNPO法人の介護教室も開催されています。福祉機器を取り扱っている店舗や介護ショップ、介護雑誌やインターネットのホームページから情報を得ることもできるでしょう。