傷つきにくい人の心理とは?精神的に強いの?

精神的に傷つきにくい人の心理について。他人と自分を比べることはよくあることですが、目に見えない精神面を比較してみることは日常生活で難しいですよね。それを学問として成立させた心理学では、普段「自分だけ?」と思っている悩みを解決してくれるきっかけになります。

精神的に強いことと精神的に傷つきにくい人というのは別物で、今回は後者の特徴を見ていきます。どんな心理が働くと傷つきにくい人の部類に入るのでしょうか。

 

精神的に傷つきにくい人の心理

過去の挫折経験と比べる心理

何か精神的に嫌なことがあった時、過去のトラウマや挫折経験とそれを比較する心理が働く人がいます。「あの時と比べたらずっとマシだ」と思い込むことで、今の自分を守るのです。

傷つかないわけではないですし、しばらくは何をしていてもそのことを考えてしまいます。ですが、一般的に人と比べるとその嫌なことで起こる精神的苦痛をかなりシャットアウトできているのです。

 

その壁となるのが過去の経験であり、その人は自分が最も嫌であるものを逆に武器にしています。例えば、長年病気と闘い続けた人がいたとしましょう。肉体が感じる痛みが心底嫌で、解決方法もなかったとします。

身体が蝕まれると人は精神的に不安定にもなりますよね。弱音を吐きたくなるのもまた自然なことです。この人が、ある日失恋をしたとしましょう。ですが、この時、自己防衛のために引き合いに出すのが過去の闘病生活です。

 

闘病生活を本当に嫌だと思っていた設定だと、この人は「失恋ごときなんてことない」と思い、実際にそのダメージというのは過去の苦行を知っているから優しいものとなります。

これをつらさに対する免疫がついたと表現することもできますが、無理をしているとも言えます。これから先何があっても、それまでの人生で最も嫌だったことに守られていくのはその過去から逃れられなくなることを意味します。

最強の盾になりえるものですが、その挫折を上回る嫌なことが起きた場合はこれまでしてきた対処方法がなくなり、危険な状態になります。

 

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常に期待はしない心理

挫折やトラウマを引き合いにして自己防衛をする心理の他に自分を守れるものがあるとすれば、心は「期待しないこと」だと判断します。期待するからショックを受けるのだと学んでしまうと、傷つくことを極度に恐れる人は精神的に傷つくことがないよう常に防御の体制をとります。それが「期待しないこと」なのです。

恋愛において臆病と言われる人もこの心理が働いています。好きになった人がいたとしても、「自分なんかどうせ相手にされない」とどこかで思っておくことで自分を守っているのです。

 

この傷つきたくない気持ちが強いと、好きな人ができなくなります。自分から好きになるとつらいのだと思い、守りをより固めてしまうのです。恋愛は自分からはいかないという人はその分防御力も高いため、たとえその人のことを好きになった人がいたとしても近寄りがたいと思われます。

結果、恋をしにくくなることに拍車をかけています。この心理は日常生活のちょっとしたことでも起きます。例えば、久しぶりの休日に楽しみにしていた映画を見に行こうと思っても、ハードルを上げると期待した分損をする可能性が高まります。

 

だからあえて「世間が言うほどじゃないんだろうな」と自分の感情にストッパーをかけます。それ以上楽しみにするのは自分を傷つけるかもしれないという気持ちが働くからです。

このような人は失敗した時に強いですが、成功した時にはあまり喜べないのも特徴です。期待し、楽しみにするからこそ成功した後や期待通りだった後にウキウキ状態になるのですが、事前に感情をおさえてしまったことによって感情の起伏が小さくなってしまうのです。それでも損ではないと考えるのが期待しない人の心理で、周りからは冷静だと思われることもあります。

 

 

有益なことをすべきという心理

できることなら起きている時間には有益なことをしたいという気持ちが大きい人も、精神的に傷つきにくいです。何かに悩んでいる時間やへこんでいる時間が不利益だと判断すると、うじうじしている暇があったら別のことをしようと気持ちを切り替えられるのです。

これを頭ではわかっていても考えてしまうのが一般的ですが、頭でわかり心でも実践できる人は傷ついてもそれを引き延ばさず、結果として傷跡が小さくて済みます。

 

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有益なことというのは人によって違いますが、自分の趣味としていることをして自分が楽しいという気持ちを優先したり、仕事に精を出して周りの力になろうという心を大切にしたりすることを指します。

だからこの方法で立ち直ってきた人はすべきことが明確にあり、趣味がたくさんあったりしなければいけないことがたくさんあったりします。嫌なことがあった時に趣味に没頭できない場合は、心がそれが不利益なことだと判断していない状態です。

 

しかし、それもまた正しいのです。思い出さないようにすることで余計に心に深く刻まれるので、心の動き方のタイプの違う人は無理をして真似をする必要はありません。

その時はつらいですが、むしろその心のに身を任せているのが早く立ち直る方法です。時間が解決してくれるというやつですね。

 

 

まとめ

心が傷ついた時、そこからの立ち直り方を他人と比較したり、その早さや傷の深さについて議論することは少ないですよね。聞きづらいことでもありますし。傷ついた時は、周りもあなたと同じように隠して誰にも見せないようにしているのかもしれません。

傷つきにくい精神力を持ちないなと思う人は多いと思いますが、それは強い精神力とは少し違います。打たれ強いわけではなく、盾を用意して慎重に生きているだけなのです。

 

それは強いとは真逆の弱い心から来ており、そのダメージをもろに受けたら自分が壊れてしまうのではないかという恐怖が心の行動の源です。メリットは傷つきにくいことですが、デメリットは感情の起伏が小さくなり、楽しめることも楽しみにくくなることです。

その方がずっと良いと考えてしまうのもまた、精神的に傷つきにくい人の特徴です。あなたはどうですか?上記のように考えることはあるうでしょうか。自分の特性をチェックしてみるのも自分を知れて面白いでしょう。

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