まだ幼い小学生以下の子供を持つ親は、元気がない等の子供のちょっとした変化に気付いて、早い対処や対策を心掛けたいものですよね。
ただ、何があったかのか、何を思っているのかを言ってこない年齢の子供なら、その思いに複雑なものを抱えているかもしれません。小さなお子さんをお持ちの親御さんは、「こんなことを思っているのかも」と一つのヒントに繋げてみましょう。
「元気がない」などいつもと様子が違う子供の心理
情けない、弱いと思われたくない
小さな子供であっても、そこにはプライドがあるものです。「情けないな」「弱いな」と身近にいる親に思われたくなくて、言葉で伝えないこともあります。
自我が芽生え自立心が育ってくると、なんでも「自分でやりたい」「一人でできるもん」と思うようになる子供たち。しかし思いと行動が伴わないこともあり、子供の中では大きな「葛藤」となっていることがあるのです。
中には「あの子はできているのに」とか「この間はできてたのに」と思われてしまうと、見栄を張ってしまう子供もいるでしょう。小さい体ながらもそこにはプライドや見栄があることを察知してあげ、子供を傷つけないように聞き出すことが大事になります。
「そんなことで」「ハッキリ言えばいいのに」と突き放したり見下す言い方をするのではなく、言ってくれた後には「よく言ってくれたね」「言ってくれて嬉しい」と褒める言葉に繋げることが大事。
意地を張ったり頑固でいるよりも、話した方が褒めてくれるんだと子供が思えれば、そこに「安心」や「安定」が生まれてくるのです。
忙しそうだから迷惑をかけたくない
お母さんという立場は、常に家事や育児で忙しい日々を過ごしていますよね。その中で仕事を抱えていれば、尚更自分の時間すら持てない毎日でしょう。
そんな姿を見ている子供たちは、「忙しそうだから」「バタバタしているから」と、話す時間を持ってもらうことに遠慮することがあります。
例えば子供が何かをお母さんに伝えようとした時、「これ終わってからね」「あとでゆっくりね」と後回しにされることが多い場合、「忙しいのか」とその場で話すことを諦めてしまいますよね。
大人にとっては「後でね」と思うことであっても、子供からしたら「今」伝えたいと思っているのです。「今」が無理だと分かった子供は、忙しそうなお母さんに迷惑をかけまいと、我慢したりためらったりするようになります。
子供がお母さんを思う優しさであり気遣い。しかし、「今」を大事にしないと、子供は言わなくなってしまいます。すごく言いたそうな表情や行動って、お母さんならきっと見てすぐ分かりますよね。
ワクワクした表情だったり、走って駆けつけてきて「聞いて聞いて」と話をしてくる場合、一度手を止めて「どうしたの?」「なになに?」と興味を示すようにすると、忙しそうだからと変に遠慮することがなくなっていくでしょう。
何からどのように話せばいいか分からない
小学校に上がる前くらいの子供あれば、言葉を上手くまとめられないという思いや考えもあるでしょう。
言いたいことはたくさんあるのに、何からどのように話せば上手く伝わるのか分からず、考えた結果「話さない」で終わってしまうこともあります。
例えば誰かと喧嘩した、意地悪されたという場合、「○○くんと喧嘩した」と言えばいいものの、どうして喧嘩になったのか、どんな意地悪をされたかのかという状況を説明することが難しい場合がありますよね。
記憶が曖昧になってしまっている、○○くんのことに意地悪されたけど嫌いではないなど、そこには自分の複雑な思いが絡み合っているケースもあり、一言で言い表せないこともあります。
このように考え込んでしまうタイプの子、話を上手にまとめられない子の場合は、逆に質問してあげることで話しやすくしてみると良いです。
「誰と喧嘩したの?」「どこで喧嘩したの?」「なんて言われたの?」と、一つ一つ丁寧に聞き出すことで、子供は的を絞って話すことができます。言いたいけど言えないというタイプの子であれば、一つ一つ誘導する形で質問していけば、話しをきちんと聞き出すことが可能でしょう。
心配かけたくない
お母さんがとても子供のことを大事にしている、いつも味方でいてくれると自信や確信を持っている子に限って、「親に心配かけたくない」という思いが先行することもあります。
自信や確信を持てているということは、それだけ愛情を受け取れている証拠であるため、子育ての仕方や接し方には全く問題はないでしょう。
ただ、そんなお母さんを悲しませるようなことをしたくないと思ってしまう優しい子供は、心配をかけたくなくて話さないこともあります。
「どうにかなる」「話したらお母さんがまた悲しむ」と思ってしまうタイプの子は、とても我慢強くて強がりな面がある子ですよね。お母さんのためを思って話さないという子には、あえて無理に話させなくても良いでしょう。
ただしその子が限界を迎えないように、そして味方であることには確信を持ち続けられるように、抱きしめたり「いつでも味方だよ」という表現は必要です。
心のどこかでは安心が得られるように対処してあげると、その子の強さに変わり、例え話せなくても前に進むことができるはずです。そのお母さん思いな面や優しさ、自信や確信はその子にとっての長所でもあります。上手に向き合い対処することで、その長所をさらに伸ばしてあげることができるでしょう。
まとめ
元気がない、食欲がない、一人になりたがる、口数が少ないなど、子供のちょっとした変化に、「どうしたのかな?」と心配になってしまいますよね。
だからといって、何があったかを無理に聞き出そうとすると、余計に殻に閉じこもってしまうケースも少なくありません。子供がどんな思いを抱えているかを察知して、それに合った対処を上手くしてあげることで、子供にとっても安心に繋がります。
どうしても気になる場合は、子供の元気が回復しいつも通りになった時に、「この間元気なかったよね?」と聞いてみれば、素直に話してくれることもあるでしょう。