クレームをつける客の心理について。「そんなことで怒る?」と思える範囲内であっても、すぐにクレームをつける人っていますよね。特にサービス業、接客業している人であれば、そのようなクレーマーを見かける機会も多いでしょう。
なぜ、そこまで大きな問題でもないのにクレームをつけてしまうのでしょうか。クレームをつける側の心理を把握し、上手に対処・早期解決できるよう心掛けてみるとしましょう。
クレームをつける客の心理
日々のストレスを他人にぶつけている
クレームをつける人には、自分と日々関わる人に対しては温厚という人も多く見られます。
仕事上毎日のように関わる人や自分の友達、顔見知りといった関わりある人に対してはいたって普通の接し方なのにも関わらず、全くの他人という関係の時に強気に出てしまうのです。
これは毎日の生活で多くのストレスを抱えていたり、気を遣いすぎている人に見られる様子で、日常の中で溜めたストレスが他人に向けられている状態です。
自分と関わることがない人に対しては上から目線で攻撃する姿勢を見せ、それまで耐えていた思いやストレスを発散していると言えます。
日常的に自分を偽っている人に見られる行動のため、普段自分を出せないでいることに悩んでいる可能性もあります。
クレームをつけることで自分の日々のストレスや怒りを吐き出しているため、その人にとってはやめられないストレス解消法になっていることが考えられます。
自分を特別扱いしてほしい
自分を特別扱いしてほしいという人も、クレームをつけることがあります。
周りと同じ扱いをされることに不満を抱く人もいれば、まるで王様・女王様のようになった気分になりたい人が、クレームをつけることで特別扱いされようとしているのです。
仕事がら「お客さん」という立場の人を相手にしている人は経験しているかもしれませんが、自分に非がなくてもお客さんから意見を言われてしまえば、謝らなければならない理不尽な状況もありますよね。
謝るという行動をすることによって、相手は「自分が勝った」と捉えてしまうため、その人は自分が優位な立場にいると感じてしまうことも少なくありません。
「自分は客なんだ」「客に向かってなんて態度なんだ」と、自分を特別視してほしいと感じているクレーマーは、周りとの差別化を期待しています。
あまり受け入れすぎたり要望を聞き入れすぎるのもエスカレートしてしまう原因ですが、その場を早急に収めたい場合であれば、「今回だけ」「あなただけ」という言葉を用いて接すると、特別扱いされた気分になった相手は徐々に気分が落ち着いてくることでしょう。
注目を浴びたい、目立ちたい
クレームをつける際、周りに多くの人がいる状況を好んでクレームをつける人がいます。この場合はその場での自分の存在をアピールしていると言えます。
文句を言うこと、大きな声を出すことによって、周りから注目を浴びることができ、目立つ存在になります。
声を張り上げて相手にクレームをつけることで、「あの人よく言ったね」「この状況で言えるなんてすごい」と思ってもらいたいと感じていることも。
クレームは頻繁に起こるという訳ではないため、その状況が珍しく思って集まってくる人もいるほどです。
自分の存在をアピールしたい、皆にすごいと思われたいと、目立つことが目的でクレームをつける人もいるため、クレームの内容が矛盾していたり間違っているケースも少なくないのです。
正義の味方のつもりでいる
クレームをつけることを、「良いことをしている」と思っている人も中にはいるでしょう。
「皆が言えないことを代弁している」と代表格としてクレームをつけている人もいれば、「こういう意見があって会社が大きくなる」と貢献しているつもりでクレームをつける人もいます。
このようなクレーマーは、正義の味方のつもりでいます。「自分がやらないといけない」という正義感、「変えていくのは自分なんだ」という使命感に駆られ、クレームをつけているのです。
ただ、実際に相手が間違っている、ミスをしているという状況でこのような正義感や使命感は役立つものでもあり、一概に否定する問題ではありません。
このような感覚があるからこそ、日々サービスや接客が向上しているのも事実でしょう。
ただしそれによって、「自分が成功させた」「やっぱりクレームをつけることは正義なんだ」と思い込んでしまっていると、すべて自分が正しいと勘違いしてしまいます。
客観的に見てどう感じるか、自分が相手側の立場だったらどう感じるかをも考えた上で正義感や使命感を持つことは良い事と言えるかもしれませんね。
まとめ
些細なことでもすぐにクレームをつける人は多くなってきています。SNSの普及、ネット社会と言われるこの時代は、いつどこでも誰かが監視している状況だと言えるかもしれませんね。
まともなクレームは相手のためにも繋がるものの、中には非常識とも思えるようなクレームが存在することも事実です。なぜクレームをつけているのか、その人にはどんな事情があるのかを考えてみると、クレームの目的以外の思惑が知れるかもしれません。