免許返納をしたくない高齢者の心理とは?

免許返納をしたくない高齢者の心理について紹介します。

 

高齢者の免許返納をしたくない心理

高齢者の起こす事故

多くの人が免許証を持つようになって、50年が過ぎその世代の人が高齢を迎えました。特に田舎は公共の交通機関があまりないこともあり、1970年代には一家に一台どころか、あっという間に成人一人が一台持つようになりました。

農家では、乗用車の他に農作業用のトラックまで必要で、車の普及は目ざましいものがありました。ところが、一人一人が車を持つようになり始めた世代の高齢者の事故が頻繁に起るようになり、大きな事故のほとんどがオートマの車です。

 

ギヤのマニュアル車なら、ブレーキとアクセルペダルを踏み間違えてもエンストを起こして止まってしまいますから、オートマ車のような大きな事故は防げます。

しかし、若いときからマニュアル車だけ乗ってきたのならいいのですが、安全だからと言ってマニュアル車に簡単に切り替えるのは無理です。現在の高齢者のほとんどはマニュアル車の免許ですが、今の若い人はオートマ車しか運転できない免許証の人もいますから、さらに無理です。

 

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免許返納をしたくない気持ち

高齢になっても、仕事に用事にドライブにと、楽しく便利に使ってきた車は手放せません。ましてや車が無ければどうにもならない田舎ならさらに無理です。

田舎のスーパーで、足を引きずるように歩いていたお爺さんいて、てっきり家族と一緒に買い物に来たものとばかり思っていたら、軽トラックの運転席に行くので驚きました。

 

しかも見るからによろよろしながらの運転で、さらにシルバーマークも付けてありませんでした。シルバーマークがついていれば周囲の車も気をつけることが出来るのにです。もっとも、見るからによろよろ運転なのですぐわかるとは思うのですが、危なっかし過ぎます。

本数が少なくバスの便も悪いとはいえ、まったくないわけではなく、市内を循環するシルバーバスもあるのですから、それも利用できる状況です。しかし、便利に行きたいところへ自由に行っていた車はなかなか手放せないようです。

 

 

自分から進んでの免許返納

先日も85歳の高齢の男性が、高校生二人をはねて、意識不明の重傷を負わせるという事故が起りました。その男性は、家族に運転するのを止められるので、止められないように早朝家を出て起こした事故でした。

高齢者の家族が、運転が危ないので運転させないようにカギを隠しても探しだして運転をしてしまう高齢者に、息子夫婦に運転を止められて大ゲンカしている家もあります。

 

家族がいるのですから、自分で運転をしなくても間に合うのですから、必用というより、とにかく運転がしたいのです。70歳になったらすぐに返納をする人もいますが、そういう人は早くからいつになったら返納すると心に決めている人が多いと言います。

高齢になると判断力も落ちてきますから、自分の運転の危なさもわからなくなります。そして大きな問題が「運転できなくなるのが嫌!」という気持ちです。高齢になってから運転するのは危険と理解して、判断能力が衰える前に早くから心に決めておく必要があることを感じます。

 

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免許返納の行政のかかわり方

同じ年齢でも運転能力や判断力には大きな個人差がありますから、高齢者の免許返納には行政でも頭を痛めていると言います。今後どのように解決していくのかわかりませんが、試験をして落されると傷つきますから、一定の年齢を決めてその年齢なったら強制的に全員返納となれば諦めると思います。

若い人が免許を取るときは満18歳にならないと免許が取れませんから、同じ学年でも早く取れる人と取れない人がいます。でも、それが法律で決まっていれば、不満を持ちながらも諦めます。

高齢者も年齢で運転が許可されなくなれば諦めますし、運転を止める家族と喧嘩になる事も避けられます。まだ十分運転能力がある高齢者には酷な場合もあるかもしれませんが、高齢者の起こす事故で若い人が命を失うのは絶対避けるべきです。

 

 

運転ができなくなった時の準備の大切さ

今現在運転している人も、必ず高齢になって運転できなくなる時がやってきます。そのため、心の準備運転できなくなった時の生活のシミュレーションをして準備しておくのも大切だと思います。

運転ができなくなった時の買い物はどのようにしたら良いかとか、通販で買い物をするとか、あるいは、ある有名大手スーパーでは、市内にそのスーパーがあれば、ネットで写真を見ながら選び注文をすると500円の配達料で品物を届けてくれます。

 

また、5,000円以上の買い物なら配達料無料で届けてくれます。食品ですからたとえ一人暮らしでもすぐに5,000円の買い物になってしまいますし、乾物や調味料などをまとめると、ほとんど問題なく無料で配達してもらえるようになります。

後は運転ができなくなった時に楽しめる趣味を見つけておければ理想ですね。早くから早めに免許証を返納した時の心の準備をしたり、シミュレーションをしておけば不安なく免許証を返納する時を迎えられるのではないでしょうか。

 

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免許証返納に関しては今現在の高齢者が一番大変

今の人たちは、高齢者の人が起こす大きな事故をニュースなどで見て、意識的にも無意識的にもある程度の年齢になったら運転は止めなければいけないと思うはずですから、自分で進んで返納する人も増えるのではないでしょうか。

ましてや家族や近所のお年寄りが、運転が危ないのに家族と喧嘩をしてでも運転している姿を見聞きしていると、自分はああなりたくないと心に刻む可能性が大きいです。

 

法律的に明確な取り締まりが不十分と言っても、90歳過ぎた高齢者の起こした事故のニュースを聞くと唖然とします。しかし、若い人は高齢者になったことがないので高齢者の気持ちがわかりません。

高齢者の心理を理解しながら行政で上手に取り締まってくれることを願うしかなく、隠れてでも運転をしたがる高齢者をかかえている家族が大変すぎます。

 

海外でも高齢者の起こす事故が問題になっていますが、日本の法律では年齢が75歳を過ぎて免許の更新をするときは、更新の手続の前に認知機能検査の試験を受けることと、高齢者講習などを受けることが義務づけられています。

しかし、それでもなお高齢者の大きな事故起きていて、高齢者の運転の問題の難しさを感じさせます。