心理学を使った見やすい資料の作り方

心理学を使った見やすい資料の作り方、デザインについて。学生のみならず社会人の皆さんは必ずと言っていいほど直面する資料作り。見やすい資料を要求されますが、最初の頃はイマイチ分からずに感覚で作ってしまい、上司や先生から再提出を要求されることも少なくありません。

それでは一体どうすれば見やすい資料を作ることが出来るのでしょうか。心理学の観点から見やすい資料作りについて考えていきましょう。

 

心理学で見やすい資料を作る方法

人が美しいと感じる理由とは?

人に限らず犬や猫などある程度知能が発達している動物は左右対称の物体に美しさや気持ちよさを感じて好意を抱くと言われています。

例えば、印象形成が重要となる企業や自治体等の組織が自分たちのトレードマークとしてロゴを制作しますが、多くのデザインが左右対称に作られています。他にも家電製品やインテリア雑貨なども左右対称であることが多いです。

 

また、イケメンや美人と言われる人の大半が左右で大きな違いのない顔つきをしていることからも如何にバランスが大切か覗えます。そのため、逆に左右非対称のものには不安や嫌悪感を抱いてしまいます。

絵画や陶芸などの芸術作品では意図的に左右非対称のデザインにすることも多いようですが、資料はあくまでも「見やすさ」が大切なので、文字の分量や参考画像の張り付けの際にはバランスに気をつけて配置するようにしましょう。

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色による効果的な訴求とは?

人は約100万という膨大な色を見分けることができると言われています。

色を知覚できる動物の多くは太陽光が照らされる日中に活動することからモノを見分けるきっかけとして発達していますが、夜行性の動物は僅かな光でモノを判別する必要があるため視覚よりも触覚や嗅覚などが発達し、色を見分ける能力が劣っているとされています。

 

特に人間は果物や動物を摂取する以外にも火を使ったりモノ同士を組み合わせて道具を作るために色彩感覚に優れており、色に寄って自信の感情さえも左右されるようになっています。

そのため資料作りにおいても色の使い方が如何に大切か分かります。それでは、メジャーな色がもたらす効果について見ていきましょう。

 

まず「赤」は人が最初に知覚できるようになる色として知られており、危険を示す色であることから最も視覚誘導に効果的です。資料では一番伝えたいことを「赤」にして訴えると効果的です。

続いて「青」は興奮を抑えて冷たさを感じさせる色となります。プレゼンなどではマイナスのイメージを意図的に与えることができるので、売上が下がっていることや事故の事例を紹介する際に使用すると良いのではないでしょうか。

 

次に「黄」は楽しい気分にさせて集中力を向上させることができます。一方で黒と使用すると交感神経に作用させて注意を促すことができるので立入禁止などの表示に使われることがあります。

最後に「緑」は落ち着いた印象を与えるのに最も効果的な色で、自然環境や健康といった「生」にまつわる言葉を緑色で表現することが多く印象を底上げすることが望めます。

 

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フォントを利用した印象誘導

一昔前はフォントの種類が限られており、文字を見ただけで「古臭い」と感じたことがあるのではないでしょうか。

現在ではオリジナルのフォントを作成することもでき、その数は年々増えています。例えば、某有名RPGのタイトルは専用のフォントを使用しており、作品のブランディングに大きく貢献しています。

 

資料作りにおいてもある程度見やすさを意識したフォント選びは重要ですが、多少常識から逸脱したフォントを選んでみるのもインパクトを与えるのに効果的です。感情を動かされることで記憶する「エピソード記憶」を活用して相手に覚えてもらうことができるのです。

常識から外れないように資料作りをしていると無難に終わってしまう一方で記憶に残らずコンペなどで選ばれにくいこともあります。そこで、多少なりとも常識はずれなフォントを意図的に使用することで「エピソード記憶」を形成させてみるのも一つの手段として有効です。

ただし、この「エピソード記憶」は一回限りしか有効ではないとされているため、毎回フォントを変えていればそれは「意味記憶」になり、その人自体のイメージに変わってしまうため大切な時に使うことをお勧めします。

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変化とインタラクティブ

下手くそなプレゼンや授業は御経のように淡々と話していることが多く、聴衆は飽きてしまい睡魔に襲われてしまいます。それを回避するために大切なことは「変化」と「インタラクティブ」です。

まず「変化」とは、話すテンションを内容によって変えると効果的です。例えば、伝えたいことは大きな声で危機感を与え、悲しいことは小さな声で悲壮感を与えます。

 

感情は伝播するので大笑いすればつられて笑ってしまい、大泣きすれば周囲も悲しい気持ちになるのです。

次に「インタラクティブ」とは講話者と聴衆が双方向でコミュニケーションを取るということです。プレゼンの内容に入る前に意識調査がてらに聴衆へ質問を投げかけるなど一方的な情報提供にならない工夫をしてください。

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