目標を達成できる人の心理について。交通事故をよく起こす人は注意力が散漫になる傾向があります。エンジンをかけるとすぐラジオやCDプレイヤーのスイッチをオン、走行中でもしきりにカーナビゲーションのチェック、同乗者と盛り上がるおしゃべりや隣の車や歩行者へのよそ見など視線があちこちに移ります。
よそ見をすることは目標から目をそらすことと似ています。目に入る障害物に思いがさまようからです。「勉強をする」と決めてもテレビやパソコンのせいでできなかったり、「ダイエットする」と決めても夜食を食べてしまうなら、目標を達成することから離れてしまうでしょう。目標を達成するために、障害物に目を向けないことは重要です。
目標を達成できる人の心理
目標について考える時間をとるという心理
ある研究結果によると、目標について考える時間と目標を達成するレベルには非常に深い関係があることが分かっています。サッカーなどの球技でも「球から目を離すな」とよく言われますが、望むことがある場合、その目標から思いをそらさないことは重要です。
例えば、不愉快な人のことや不快な出来事のことばかり考える人と、爽やかな人や心温まる出来事についていつも考える人では、時間の過ごし方が全く異なります。もし、他の人との良い関係をつくりたいのであれば、後者の考え方で毎日を過ごす人の方が達成しやすくなるでしょう。
はっきり行き先を決めるという心理
「お客さんが来なくて大変だ」と言う店主の場合、お客さんが来ない理由やお客さんが来たくなる方法を箇条書きに書き出したり、半日でもじっくり知恵を絞ることは、目標を達成するのに役立つでしょう。
そのように、後ろを振り返らず、行き先をしっかり定めることが重要です。行き先から目をそらした時は「目標からズレていっている」「振り回されている」といった点を思い起こすことができるでしょう。行き先に目が向いているなら、目標を妨げる障害物は入らなくなるからです。
目標を達成するために行い続けるという心理
目標について考えるだけでなく、目標を達成するために行い続けることも重要です。しっかり目標を立てると、その時から自分が行く場所や読む物、手に取るものが変化し、出会う人も変わってきます。
見るテレビ番組や離す会話の内容も変わってくることが少なくありません。目標を立てると、その目標がいろいろなことを引き出してくれるようになります。
目的と関連づけるという心理
「目的意識を持て」という言葉がよく聞かれます。これは、いつも目的だけを考えて他のことはしないという意味ではありません。どこに居て、何をしていても目的と関連づけて考えるクセを持つという意味です。
そうすれば、目標の手綱を離すことはないでしょう。例えば、本を書く仕事をしている場合、映画を楽しむ時、本にどう生かせば良いかを考えながら観ることができるでしょう。講義の準備をする時、考えているテーマと周囲の環境が結びつくことがあることも少なくありません。
辛抱強く観察するという心理
目標を達成するために何ができるか考える場合、幾つか思いき、行き詰まって諦めてしまう人も少なくありません。それ以上、アイデアが浮かばないのです。この場合、時間をかけて観察することが重要です。
例えば、街路樹の絵を書く場合、どうしても細かな部分が思い浮かばず描けないということがあります。そのような時は外に出て、街路樹を観察することで、見たことをそのまま描くことができるでしょう。
目標を達成するための方法を考える時も、時間をとり、対象を辛抱強く観察することでアイデアが生まれることでしょう。
選択的注意集中という心理
選択的注意集中という言葉をご存知でしょうか。そもそも、人間の脳は1つの目標に集中すると、網様体と呼ばれる部分にスイッチが入って、目標以外のものは目に入らなくなり、目標に関係していることには敏感に反応するようになっています。
つまり、脳が目標と関連するものにだけ強く反応して、それ以外の刺激を無視するようになるため、目標に集中しやすくなるでしょう。
言語的・常識的触発刺激という心理
目標行動を引き起こす刺激の1つに言語的・常識的触発刺激があります。例えば、やるべきことを忘れないために、送信予約サービスを活用して自分にメールを送ることができます。
また、携帯の待ち受け画面やパソコンの壁紙に目標を達成するためのto doリストを貼り付けておくこともできるでしょう。公開の場に張り出して、大々的に宣言することも効果があります。定期的にやるべきことを自分に思い起こさせてくれるでしょう。
状況的触発刺激という心理
一般に、音楽を聴きながらスポーツをすると、平均15%も長続きすると言われています。他にも、就職したい会社があるなら、写真を机の前に貼ってみたり、笑顔を増やしたいと思ったら、笑っている写真を壁にかけることができます。
ダイエットをしている場合、冷蔵庫に豚の絵を貼って、ドアを開けるたびに「まだ食べる?」とつぶやくようにすることもできます。自分の意欲を刺激するため、状況を活用することができるでしょう。
社会的触発刺激という心理
一般に、同じ目標を持つ人といると、目標を忘れる可能性は低くなると言われています。ある調査結果によると、友人が太っている場合、太っていない友人を持っているよりも、太る確率が57%も高かったと報告されています。
学生であれば、自分の部屋で一人で勉強するよりも、図書館の静かな学習室で一生懸命勉強してい友達のそばの方が集中しやすいという人もいます。つい、つられて一緒に同じことをする、目標を達成するために周囲の刺激は役立ちます。
まとめ
毎日考える時間を決めることも役立ちます。一般に、目標を達成するためには、目標が視野から離れないようにすることが重要と言われています。いくら忙しい毎日を送っていても、心の中に常に目標があるようにすることができます。
朝起きた時、夜ベッドに入る前など、自分の目標と関係のあることをその日1日、どのように行うか、どのように行ったかをチェックすることができるでしょう。毎日15分でも決めて考えるなら、その行動が10年後の自分をつくることにつながります。