皆さんは人に嫌われたいですか?それとも好かれたいですか?多くの人は好かれたいと答えるはずです。会社の離職理由やうつ症状の主な原因に挙げられるのが「人間関係」です。
そこでこのコラムでは、「人間関係」を良好に保つために覚えておいて損はない心理現象を踏まえた立ち振舞い方をご紹介します。
人間関係、対人関係を上手くいかせる心理学
「返報性の原理」を活用せよ
全員が当てはまるわけではありませんが、普通に学校教育で集団生活を送ってきた人なら当てはまる「返報性の原理」と呼ばれる心理現象があります。
「返報性の原理」とは、他人から自分に利益になる行為や好意を向けられると何らかのお返しをしなければいけないと考えてしまう現象のことを指します。
この現象を利用してなるべく相手に対して好意的な行動を取るように心掛けたり、小さな気遣いを意識的に行うようにすると必ずあなたを「良い人」として認識するようになり、困ったときに助けてくれる存在となります。
「アンダードッグ効果」相手よりも幸せであってはいけない?
よく失恋の相談を意中の相手にすると、そこから新たな恋が芽生えるというエピソードを耳にしたことはありませんか?
これは「アンダードッグ効果」と呼ばれる心理現象を利用した策略で、不幸な人や悩みごとがある人に対して同情し、どうにか助けてあげられないかと手を差し伸べてしまう現象です。
この「アンダードッグ効果」を普段から利用して、常に相手よりも不利な状況にある人間を演じてみましょう。故意的にでも自分の弱みを相手に見せるだけで「放っておけない」「助けてあげたい」と思ってくれるため、それが仲良くなるきっかけになります。
人は自分より幸福な人を見ても憧れはするものの、親身になって何かをしてあげようとは思わないため深い友情を作ることは難しいでしょう。
コミュニケーション能力を理解する
よくお笑い芸人のように面白いことを一方的に発信する能力をコミュニケーション能力と勘違いされている方が多いようですが、ビジネスの世界ではヒアリング能力がコミュニケーション能力の大部分を占めると言われています。
それではヒアリング能力とは一体何でしょうか?一見すると人の話を聞く能力とザックリ理解することはできるのですが、そう単純なものではありません。
まず、人間は二足歩行かつ集団で生活する動物であるために、些細な心理状態を相手に伝える「表情」と明確に自分の考えを伝える「言語」の二つを駆使して会話を行います。
そのため、どちらか一方が欠けていると相手に不信感や不安感を抱かれてしまい、最悪の場合嫌われてしまいます。
例えば、怒った表情で慰められても説教を受けているように感じますし、笑いながら皮肉を言うと性格が悪い人と思われてしまいます。
そのため、相手の話を聞くときはその会話内容に合わせた表情を作るように意識して、こちらから発信するときも会話内容に合わせた表情で話す工夫をするべきです。これらが自然とできるようになると感情豊かな人間味のある人なんだなと好印象に繋がることでしょう。
「初頭効果」身だしなみを整える本当の理由とは?
学校教育の一環として規定の服装から乱れているものに対して指導された経験はありませんか?実は単純に校則として定められたことから逸脱しているために注意されているだけではなく、上手く人間関係を構築できるようにと指導していたのです。
心理学では「初頭効果」と呼ばれる現象があります。これは、第一印象がその後の行動による印象形成に影響してくることを指し、第一印象が良ければその後の行動も良い印象を抱きやすく、一方で第一印象が悪い人はどれだけ良いことをしても最初のイメージが悪い方に影響してきてしまいます。
よく外見次第で生涯年収が数千万円もの差が開くと言われているように立ち居振る舞いはもちろん、髪型や顔のパーツ、スタイルなどあらゆる外見を形成する要素に気を使わなければ第一印象を良くすることは難しいでしょう。
ビジネスの現場以外にも、ナンパをするときに肌がキレイな人の方が荒れている人よりも立ち止まって話を聞いてくれる割合が高いという結果があります。恋愛においてもビジネスにおいても人間関係を構築する場面では見た目に気を遣うことで有利にすることができます。
「親近効果」初頭効果の真逆も大切
初頭効果が第一印象に大きく関わるとすると最後に起こった出来事に影響するのが「親近効果」と呼ばれるものです。これは最後の別れ際の記憶が鮮明に残る現象で「終わり良ければ全て良し」という言葉の通り、その人の印象形成に大きく影響してくる心理現象といえます。
いくら第一印象を良くしようと努力しても会話をしていくうちに段々と本性が出てしまって最後に説教臭くなったりと悪印象を抱かせてしまうと折角の努力が水の泡となってしまうので注意してください。
最初と最後は表情と身だしなみに気をつけて笑顔で清潔感を保つ工夫をし続けることが好かれる人間になる第一歩と言えます。