ポール・スミスの腕時計が人気の理由とは?

ポール・スミスの腕時計が人気の理由について。英国人ファッション・デザイナーのポール・スミスは70年代に最初のお店をノッティンガムにオープンさせると、80年代には日本に進出し、東京の南青山に店舗を構えます。

その後ニューヨークにも出店。アメリカに本格的に進出すると、当時の若者を中心に世界中で絶大な支持を得るようになりました。

ポールスミスについて

出典:都城中めがね店 ブログ

2000年には母国イギリスでエリザベス女王から「ナイト(騎士)」の称号を授与され、その他にも華麗な受賞歴を誇るなど、名実ともに偉大なるファッションデザイナーとして現在も君臨しています。

親日家としても知られる彼はコムデギャルソンの川久保玲とも親交が厚く、日本のメディアにも多数出演。最近のコレクションでは日本でおなじみの魚であるマグロをモチーフとしたデザインを発表し、大いに話題となりました。

 

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ポール・スミスの腕時計が人気の理由

 

クロノグラフの腕時計

現在では様々な一流ファッション・ブランドが腕時計業界に参入し、独自のデザインでレディースやメンズの腕時計を発表していますが、ポール・スミスも以前から腕時計を手がけてきました。

そのラインナップの中でも特に彼の個性が現れるのは、やはりクロノグラフの腕時計です。クラシカルなスタイルにひねった要素を入れることをデザインのコンセプトに掲げるポール・スミスの魅力が詰まった製品と言えるでしょう。

 

クロノグラフは機能を重視する人が選ぶ傾向が高いので、思い切ったデザインを施す事が出来ません。確実に時刻を視認する為にはむしろ凝ったデザインは邪魔でしかないからです。故に各デザイナーは独自性を打ち出し、差別化を図る事に苦労しています。

ではそのデザインが難しいクロノグラフにポールスミスが挑み、今も腕時計愛好家から支持され続けている理由は何でしょうか。それは彼自身が正当な伝統的デザインを理解し、知り尽くしているからです。

 

メンズジャケット一つを例にとってみても、彼のデザインは紳士服の基本に忠実で、伝統とエレガントさを兼ね備えています。英国と言えば歴史と伝統ある紳士服。その本場で生まれ育った彼はファッションのスタンダードが何であるかを体感して熟知しているのです。

そしてその確固たる基本にあえて独自のひねりを加える事によって、オリジナル性の高い上品で格調高いブランド品を生み出します。このスタイルを腕時計にも応用した結果、長く支持される製品が誕生したのです。

 

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正統の中に垣間見えるデザイン・センス

細部に注目して魅力を探っていくとまず目を引くのは腕時計の顔であるフェイス部分で、文字盤中央部にはハイブランドの称号とも言えるポール・スミスのイニシャルが筆記体で記載されています。

ではポール・スミスが手がけた腕時計のどの部分が優れているのでしょうか。ここではクロノグラフを例にとって見ていきます。

 

ここにブランド名が入る事自体はどのメーカーでも行なっている事なので特に珍しくはありませんが、ポール・スミスの場合は配置の妙とデザイン性で差をつけています。

クロノグラフ・タイプの腕時計は本来目で時刻や曜日を認識する製品なので、数字や曜日の文字以外の余計な部分が目立つのはデザイン上好ましくありません。

 

しかしながらこのブランド・ロゴは雑妙な大きさと配置によってさりげなく自身のブランド名を主張しているだけなので、文字盤中央部に配置されていてもあまり目立たず、邪魔には感じません。

腕時計に興味がある人物が至近距離でじっと見つめ、初めてそれと分かるという奥ゆかしさが光る絶妙なデザインなのです。

 

ブランドと言えばロゴを全面的に押し出すタイプの製品をイメージしがちですが、ポール・スミスは自身の主張よりも全体の調和を第一に考えている事が分かります。

そんな彼のもう一つの特徴のである「ひねりのあるデザイン性」が最も現れている部分が配色です。全体的には落ち着いた配色を用いながら、秒針の色だけをアクセント的に変えていたり、または文字盤上部に5色のリングを効果的に配置する事もあります。

 

色彩的に制約が多いクロノグラフでこのポップなカラーリングをさりげなく行ってしまうあたりの手腕は見事としか言いようがありません。

引くべき所は引き、押すべき所は押し出す。華麗な紳士服を数多く生み出してきたデザイナーにしか為し得ない絶妙なバランス感覚がこのクロノグラフに昇華されているのです。

 

 

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まとめ

ファッションはやはりトータル・コーディネートなので、腕時計だけが浮いてしまっては話になりません。異なるデザインをシーンによって使い分けるか、全てにおいて調和する製品を選ぶかの二択となります。

その点ポール・スミスはメンズファッション全般をデザインして総合プロデュースする能力に長けたデザイナーなので、全体の調和を重んじつつ、彼ならではのセンスに長けたコーディネートし易い腕時計を提案してくれます。

シーンを問わず着用可能で、さらにハイセンスなデザインも堪能できる。これが英国紳士ポール・スミスが手がける腕時計の魅力です。