視覚障害者の心理|目が見えない人の気持ちは?

視覚障害者の心理、目が見えない人の気持ちについて。視覚障害者とは目が見えない人のことです。「視力障害者」「盲人」と呼ばれることもあります。一般に、視覚障害者はまったく目が見えない「盲」と、なんとか文字が見える「弱視」に分かれています。中には、ほとんど見えなくても普通に日常生活を送っている「生活視力のある人」もいます。

 

視覚障害者の心理、目が見えない人の気持ち

みんなと同じ学校に行きたいという心理

視覚障害のある子供は目が見えない分、できないことが生じます。それでも、「自分の住んでいる地区の学校に行きたい」「お兄ちゃんやお姉ちゃんと同じ学校へ行きたい」「近所の友達と同じ学校がいい」という心理があります。

目が見えない子供や見えにくい子供は、意外に盲学校よりも地元の学校に通っている場合があります。授業は指で読む点字を使ったり、黒板に書いた字を先生が読み上げた時、ノートに点字でとることができるからです。

体育などは声を出す人を決めて、その人について走ったり、輪っかなどを持って一緒に走ることもできるでしょう。やり方を工夫して、一緒に学校生活を送っている場合が少なくありません。

 

スポンサーリンク

 

いじめられたくないという心理

視覚障害を持っている子供は、補助の先生のサポートによって授業を受けることがあります。例えば、図工や理科の実験など目を使う時は、レーズライターと呼ばれる特別な紙を使うことがあります。

ボールペンで書いた字が浮き上がり、手で触れて絵や字を確認することができるものです。そのため、周囲の生徒たちは「先生が目が見えない子供だけに、べったりくっついる」「目が見えない子供だけを〇〇ちゃんと呼んで特別扱いしてる…」と思ってしまうことも。

一方、本人は「みんなと同じように接してほしい…」といった心理になり、みんなと違うことやハンディがあることで、「いじめられてしまう…」という心理になります。

 

 

行きたい場所が見つけにくいという心理

視覚障害のある人は「行きたい場所が見つけにくい」という心理になることがあります。目の見えない人が外出する時、頼りにするものの一つは点字ブロックです。ただし、役所や駅など公共の場所以外は敷かれてていることが少なく、限られているのが現状です。

目が見える人は標識や看板、建物などを目印にして移動することがありますが、目が見えない人は自由に動き回ることはできません。近くの人に聞くこともできますが、人通りが少ない場所や暗い場所は難しいでしょう。

大勢の人が集まるラッシュの時や人の流れが多い街の中なども、助けてくれる人を探すことになり、「思うように見つけられない」「行きたい場所になかなか着けない」といった心理になります。

 

 

障害物が怖いという心理

目が見えない人は障害物にぶつかって、こけたり、ケガをしたりすることがあります。街中には、電信柱や道路標識、路上駐車などぶつかりそうな障害物が至る所にあるからです。

通常、視覚障害者は白い棒を使って、歩く方向に障害物がないか確認しながら進みます。ですが、駐車している車のドアミラーやトラックの荷台などは、顔や胸の高さにあるため、避けることは難しくなります。

本来、誘導用の目的がある点字ブロックですが、その上を歩いていても、自転車や店の商品が置いてあったり、人が立っていたりして、ぶつかることがあります。「何かにぶつかるかもしれない…」「障害物でケガをするかもしれない…」といった心理になってしまいます。

 

スポンサーリンク

 

電車に乗るとき困るという心理

視覚障害者にとって最も怖いところは「駅のホーム」と言われています。目が見えない人にとって、危険が生じる可能性のある「欄干のない橋」のようだからです。通常、ホームの端に点字ブロックが敷かれていますが、「安全は十分だ」と言えないのが現状です。

実際、視覚障害者の二人に一人はホームから落ちたことがあります。しかも、かなりの人が点字ブロックが敷かれているホームで落ちる経験をしています。目が見えない人は歩道などのたった1㎝の段差でも、ガクッとした瞬間恐怖を感じます。

まして、ホームなどを歩いていて、突然地面がなくなったかのように感じ、一瞬で落ちてしまう経験は、本当に強烈な恐怖を感じるものです。「ホームから落ちるのではないか…」「ホームから落ちるのが怖い」という気持ちから、「電車に乗るのは大変」といった心理になります。

 

 

音を聞き分けるのが大変という心理

視覚障害者にとって、最も重要な情報源は「音」と言われています。道路を走る車の音や青信号の信号機から流れる音楽、駅のホームでのアナウンスなどいろいろな音が入ってきます。これらは目が見えない人にとって必要な音ですが、必要としない音もあります。

例えば、高速道路の下にある道路を横断する時、信号の音を聞きたいと思っても、他の音が入って聞こえにくくなります。また、交差点の近くで道路工事などが行われていると、青信号の音楽が聞こえず、なかなか渡ることができません。

必要以上の音が入ってくると、「必要な音を聞こう」と集中している神経が緊張して、足がすくみ、体が固まって、動きがとれなくなることもあるほどです。「音を聞き分けられないから怖い」「必要な音が分からないから動けない」といった心理になります。

 

 

まとめ

欧米では、すでに障害のある子供とない子供が一緒に学んで、「違い」をこだわらないようにする「インクルーシブ教育」が普及しています。そのことは、国連総会で採択されている「障害者権利条約」の中でも記載されています。

視覚障害者の中には、外出する時にガイドヘルパーのサポートを受けている人もいます。道を教えてくれたり、安全に誘導してくれたりする人のサポートも大きな助けになっています。

スポンサーリンク