叱れない人の心理的特徴とは?なぜ甘やかすの?

叱れない人の心理的特徴について。自分の子にせよ他人にせよ、誰かを叱るというのは意外と難しいもの。ですが、そうすることによって正しい未知へと導いていくことができるので、上に立場になればなるほど叱り方は身につけていかなくてはならないことです。

ところが、人を叱ることができない人もいます。よそから見ていたらそこは叱って当然だろうという場面でもそれをしない人は、何故叱ることをやめるのでしょうか。その心理をのぞいてみましょう。

 

叱れない人の心理的特徴

他人に嫌われるのが怖い

誠意を持って叱れば、相手はわかってくれるものです。しかし、その経験がないと叱り方がわかりません。特に、自分が叱られて嫌な思いをしたことが強く残っている場合、「自分がされて嫌なことは相手にしてはいけない」という心理が働いてしまいます。

怒るのではなく叱るわけですが、幼少期にほとんど怒鳴るように叱られた経験があればそれは躾としてではなく怒りを向けられたと認識されています。それをとっぱらうことができなくて、自分が叱れない人間になってしまっていることに気づきません。

 

叱るというのは相手に一時的に嫌な思いをさせることの方が多いため、叱れない人は他人に嫌われたくないという意識が強まります。

叱らなかったら自分が我慢すれば良いだけのことだからと、自分が好かれたいがために我慢することを選ぶのです。叱れないのは叱るべきだとわかっていないわけではありません。わかっていながらできない理由がどこかにあるのです。

 

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そもそもあまりイライラしない

性格によって、感情の起伏が小さい人がいます。そうすると相手が叱られて当然のことをした場合でも許せてしまいます。怒りの沸点が高く、大抵のことに対して怒ることがありません。

だから叱らないのです。周りから見たら甘やかしていると捉えられますが、その人からすると「それくらい許そうよ」という感覚になります。叱るのは時に大きな声を出さないと相手に伝わらないことがあります。

 

優しく諭すのもアリですが、それだと相手の心に余裕が生まれ同じミスをしてしまいがちです。ですが、大きな声を出すにはそれなりの感情がないといけないため、感情の起伏が少ない人にとって叱ることはやはり向いていないと言えます。

「私は気にしないけど叱るべきだから」という気持ちでは叱ったところであまり効果はありません。叱るのは自分に向いていないとわかっており、その仕事は他の人がやった方が良いと判断していることもあります。

 

 

ことなかれ主義

一度空気が悪くなったら、それを立ち直らせるのには時間がかかります。平和を愛し争いごとはできるだけ避けたいと思っている人は叱ることができません。要は自分が可愛く、そのような空気に耐えられなかったり、叱ることでエネルギーを消費したくないと考えています。

周りに人がいる場合、自分が上手く叱れているか見られていると意識するので、その自信がないとも言えます。こんな自分が叱って良いのかと疑問を抱き、叱る立場に立てるほど立派ではないと感じていることも。

そんな自分が誰かを叱ったら、今度は自分が周りから白い目で見られるのではないかと考えてしまうのです。人間関係の悪化が響くような職場では特にこの心理は大きく働き、余計にことなかれ主義がより一層強くなっていきます。

 

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言葉を上手く紡げない

叱る時には、ただそれがダメだと頭ごなしに言うのは正しくありません。重要なのは、何故それがダメなのかを相手にわかってもらうことです。叱れない人は、この説明が上手くできない傾向にあります。もしダメだと言えたとしても、その先が続かないのです。

こういう理由があるからダメなのだと論理立てて話すことができないと自分で判断してしまうと、言葉を飲み込んでしまいます。叱るにはその時に言うのが効果があり、後になって言うとぐちぐちうるさいと思われることがあります。

ですが、その時その場で正しい言葉を紡げないと説得力に欠け、叱った方がしっかりしていないとみなされます。このようなタイプの人は、後になって場面を見返すときちんと言え、「あの時ああ言えば良かった」と後悔します。時間をかければ正しいことが言えるのに、頭の回転が速くない場合叱ることを先延ばしにしてしまうのです。

 

 

叱らずに対処できる方法を模索している

これまで誰かの上の立場に立ったことがなく叱った経験がないとなると、見て見ぬふりをする人、怒りに身を任せる人と、叱らずに他の対処法を模索する人の3つに分かれます。

見て見ぬふりをする人は様子をうかがっており、叱る方法を探しています。他の策をひねり出そうとしている人と共通するのは、そのまま流されて叱るタイミングを失ってしまうことです。

 

だから叱ろうとは思っているものの、他人から見れば甘やかしていると思われます。初めての経験であれば、他の人が叱っている様子を思い返したり、自分が叱られたときのことを思い出すことがあります。

慎重なタイプの人に多く、最適案を探るべきだと思う責任感の強さがあります。少なくとも相手に不快な思いをさせることであるから言い方が難しいと考えており、どうするのが適切かを自分の中で見出そうとしている最中です。叱らないことが正しいとは思っていないのですが、いざ言動に移そうと思うと尻込みしてしまいます。

 

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まとめ

「あの人は甘い、どうして間違ったことをしている人にも優しくするの?」そんな風に思っていた疑問は解決したでしょうか。もちろん上記以外の心理もありますが、大きく分けるとこれらが叱らない、または叱れない理由です。

性格によって叱るのに適している人と適していない人がいるため、職場などの組織では適材適所が重要となってくるでしょう。しかし、上司になれば部下の面倒を見る責任はあるので、叱れない大人になっていくのは避けたいところです。

自分が叱れない人だなと感じたら、周りで人を諭すのが上手い人を参考にしてみましょう。そういう人は、たとえ叱られた人がいたとしてもその人から嫌われるどころか好かれているはずです。自分の中で働いている心理はどれだろうと冷静に考えることでその解決策も見えてきます。