色彩心理学とカラーセラピーの違いとは?

色彩心理学とカラーセラピーの違いについて。カラーセラピーは現在の色の効果に興味を持つ女性の間で、ひそかに注目されている心理学的なカウンセリングですが、不思議なパワーを秘めた色彩効果は、遥か数千年前の古代エジプト人がそれによく似たヘリオセラピーと呼ばれる治療法が起源だという多くの意見があります。

古代エジプトは太陽神を始めとした、自然や動物を神として信仰する文化がありました。ヘリオセラピーの語源である現在のエジプトの首都カイロの住宅街付近にあった、ヘリオポリスと言う都市で行われていました。

この都市はエジプトの神話にも多く登場する大変古代ロマンのある聖地として、現在でも世界各国の考古学者の間で研究が進められています。その古くからの色彩心理が、どのように現在のカラーセラピーへ発展していったのか紹介します。

 

色彩心理学とカラーセラピー

ヘリオセラピーの実際の治療方法と効果

古代エジプトでは各部分(頭部、首、胸部等)を6色の色で表していました。その為、体調不良の箇所によって、体に各部分によって決まっている色の服を身にまとって、神殿内に天然石を原料として作られた色のついたガラスを太陽光に当たる場所にはめ込み、部屋にその色が差し込こむので、そこへ治療を受ける患者が入ってゆっくりと休ませて、治療の効果を色彩で上げるという療法がとられていました。

太陽療法とも言われますが、現在でも例えば晴れた日の朝は起きたら外の光を浴びると、1日の始まりで体内時計が正常に活動を始めたり、神経等のバランスを保ったり、眠っていた脳の活性化にも繋がりますので、とても有効な健康法とされています。

また太陽光によって、古代エジプト人は細胞の活性化で美容効果も含めて治療を行い、太陽神信仰のパワーも含めてこの治療法が広まったものと考えられます。

 

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治療に使われていた色の種類と意味

古代エジプトの基本色は6色で、それぞれが当時の信仰色の濃い意味合いを持っていました。以下はその色の意味を表した一覧です。

  • 赤→太陽神(古代エジプトの最高神とされています。)の色で命の源となる色。
  • 緑→復活を司る神(古代エジプトのオシリス神)農業や大地の繁栄をあらわす色。
  • 黒→死を司る神(古代エジプトのセト神)また冥府の入口の番人(アヌビス神)の色。大地の色で洪水をもたらし水の恵み等で豊かさをあらわす色。
  • 青→エジプトの中央を流れるナイル川の神(古代エジプトの神々の父でありすべての命を育む)また、当時の女性のアイシャドウにも使用された色。(虫が多く発生するため、虫よけ効果もあってこの色で濃いアイメイクをしていた。映画で有名なクレオパトラもそうでした。)
  • 白→多くの神殿での儀式にも使われる古代エジプトで神聖な色。
  • 黄→亡くなった歴代の王たちのミイラに付けるマスクの色。絶対的権力の象徴や、永遠の命をあらわす色。

 

 

現在のカラーセラピーとの違いは何か?

古代エジプトではセラピーと言われますが、それは主に体調不良の部分を治療目的で身体的な事への療法でした。古代では色彩は特殊なパワーがあると考えられ、神々の崇拝や多くの儀式・祭典、そして生命や死後の世界の祈願という、どちらかというとスピリチュアルなイメージの強い使われ方でした。

しかし現在は、メンタルケア的な人の心の内面の治療を目的としている所が大きな違いです。深層心理の占い等で、自分の好きな色を選んで、それによって心理状態を考える気軽に色彩の意味を活用したものもありますし、色の持つ意味を精神的なカウンセリングに役立てられたり、その活用によって心のバランスを良い方向へ導いていくケアとしても使われます。

 

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色彩心理を利用したセラピーのメリット

ストレスを自分では解消できなくて、それを何とかしたいと悩みを抱えて、心理カウンセラーに相談する方が増えてきていますが、カウンセリングを受ける際に、上手く言葉でカウンセラーに伝えられない事柄があった時、このカラーセラピーがとても役に立ちます。

カウンセラーは相手から肯定的に同調しながら話を聴いてくれますが、いざ初めて会う人に心を開いて何でも話せるかと言うと疑問を感じるでしょう。そこで登場するのが、カラーセラピーです。

 

カウンセラーは何も見ていないようで、相談者の細かなしぐさや言動を観察しており、それによって多くの事を話しやすい雰囲気を作って、アドバイスや対処法を良く理解している知識を身に付けているのです。

多くの事を話を聴いたうえで相手の深層心理を知り、自分で悩みの原因と思いこんでる内容が、実は他のところにも本当の原因が隠れている可能性を上手に引き出すことができ、対話しているだけでも、その原因を改善できる答えが見つかる事もありますが、中々難しいためカラーセラピーで相手に合った対処法で、色彩の持つパワーと合わせて心を落ち着かせるヒーリング効果が期待できます。

 

 

まとめ

まだ文明が発展していなかった古代において、現代にも適した色彩心理の療法があることに、今さらながら驚かされます。古代エジプトは世界7不思議にもなっているミステリーが数多くある、歴史を研究する方が魅力を感じる要素が多く残る文明でした。

食文化でも、パンやビール、ワインも建造物の壁画にその製法が載っていたりするため、今では考えられないほど発展を遂げていたに違いありません。

 

そんな文明も時代の流れで終わりを告げましたが、素晴らしい技術を持った文化は、その後の時代の人々の手で脈々と受け継がれて残されてきたのです。

日本でも伝統文化である着物や地域の工芸品を作り上げる専門職人が居るように、優れた物はいつまでも残されるものなのです。心理学の世界においても、技術やそれによって作り出された物は変わることなく今後も多くの新しい時代のために役に立っていくでしょう。

 

新しいものと思われていても、過去のノウハウを基に成り立っている現状を色々知ると、心理学も歴史を学ぶとより楽しく親しみを持てるようになりますので、歴史にまつわるエピソード等の興味深い話は普段からアンテナをはって、情報収集を積極的にしていき自分の悩みの解決法を見つけていきましょう。

心理学は難しく考える物ではなく、自分の心に正直にむきあう術を知る親しみやすいものです。

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