うつ病の人の心理的特徴とは?

うつ病の人の心理的特徴、本人ができる対処法について。うつ病というのは病気の一種です。治るまでに時間がかかることもあるでしょう。時には思うようにいかずネガティブシンキングに陥ることもあります。

 

そもそも「うつ病」とは?

現代では、精神的な病気が多数見受けられます。そんな精神的な病気の一つであるうつ病ですが、そもそもうつ病とはどういった病気なのでしょうか。

症状は人それぞれですが、まず、気分がどうしようもなく落ち込む、やる気が出ない、不眠や食欲不振などが伴う、疲れやすい、などが一般的な症状です。いくつか種類があり外因性や身体因性、心因性、生活環境因性などがあるようです。

 

内因性のうつ病は、一番典型的で、治療をしなくても良くなることもあるようですが、やはり抗うつ薬などで治療した方が悪化する前に治せるでしょう。心因性のうつ病は、性格や環境がうつ状態に深く関係している場合にこう呼ぶようです。

身体因性うつ病は、アルツハイマー型認知症や、ステロイド薬などの薬が原因でうつ状態になってしまった場合のことです。ここでは主に心因性うつ病、生活環境因性について述べたいと思います。

 

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うつ病と判断するには(自分が病気なのかの判断基準)

うつ病と判断する為の症状は様々です。気分が落ち込む、寝つきが悪い、よく眠れないなどの睡眠障害もその一つです。また、食欲がない、逆に食欲が増す、何を食べてもおいしくないなどの食欲の変化や、体がだるい重い、疲れやすいなど疲労や倦怠感を感じるといった症状もそれにあたります。

他にも頭痛や肩背中などの痛みや胃の痛み、発汗や動悸などを感じてから2週間以上続いた場合なども、うつ病と判断する材料となります。こういった症状が見受けられる場合は、まず病院で受診することをお勧めします。

 

 

うつ病の人の心理とは?

病気とはそもそも、外見からは分かりにくく、人に気づかれにくいものです。うつ病の場合には特に分かりにくいかもしれません。気分がひどく落ち込む、体がどうしようもなくだるい、眠れない、ご飯を食べたくないなど、人間であれば病気ではなくても良くあることです。

うつ病とはそういう状態が長く続いている場合に診断されるようです。この病気は本人の自覚症状がなく、病院を受診することで初めてうつ病と判別することが珍しくありません。

 

精神病の場合、医師に診断された後、周囲に病気を告白しにくく、職場や学校などのコミュニティで理解を得ることが難しいです。その結果、辛い思いをして仕事を辞めるしかなくなり、家に閉じこもってしまう事も珍しくありません。

「自分自身ただ怠けているだけではないか、もっとしっかりやらなきゃ」と自分を追い詰めてしまい、結局社会生活を送ることが難しくなっていくのです。

 

周りの人たちも「あの人最近やる気ないよね」とか、「具合悪いって言ってるけど元気そうだよね」など、病気だということを分かってくれないという状況も気持ちを追い込んでしまいます。本来は治る病気なのに、症状を繰り返して何年も通院し続けているということはよく聞く話です。

仕事や家事などをしていく中で、「体が辛いけれどちゃんとやらなきゃいけない」「具合が悪いけれどこんなことで休んでられない」とだんだん必死になっていきます。

 

次に、「怠け癖は治さなきゃいけない」と思い詰めてそのうちに体が思うように動かなくなります。

「朝、目が覚めても手足が重くて起き上がるにも体を支えられない、でも早く起きなきゃいけない」という状態を毎日繰り返し、やがて何もできなくなってしまった自分を責めて、やがては死を考えるようになってしまうこともあります。

 

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自己否定と積極的の繰り返しが行われる

うつ状態が続くとマイナス思考になり、どこまでも落ち込んでいってしまいます。しかし、その状態にも波があり、気分が浮上している時期もやってきます。その時期にはやる気がみなぎり、気分が高揚してはしゃいでみたり、仕事をバリバリこなしていったりします。

がしかし、張り切りすぎる(頑張ってしまう)と自分でも気付かないうちにストレスを溜めてしまい、やがて再びうつ状態がやってきます。マイペースに何事も進めていければストレスの溜まり方も緩やかなのでしょうが、普段が自己否定の日々を過ごしている為、ついつい頑張ってしまうのです。

自分でも気付きにくい為、人に相談したり愚痴を言ってみたりしてガス抜きすることもなかなかできません。どんどん気持ちが内に向かっていって、自分の出来なかったことの反省ばかりするようになっていきます。その辛さばかりを考えるようになってしまうと、やがて死を考えるところまで追いつめられてしまいます。

 

 

本人ができるうつ病への対処方法とは?

うつ病は風邪などと同じ“病気”です。でもその症状が普段よくあるようなことなので、本人の自覚症状として「怠けているだけ」とか「やる気が足りないだけ」と思ってしまいがちなのです。

ですから、まずは病気なのだと理解することが大事です。幸せホルモンと言われるセロトニンという脳内伝達物質をご存知でしょうか。セロトニンが多く分泌されていると達成感や幸せを感じやすくなります。

 

うつ病が起きる原因として、その分泌量が少なかったり、分泌していてもうまく受け取れなかったりすることが挙げられます。そう考えると、「うつ病は病気」だと認識しやすいのではないでしょうか。

そして何より大事なことは「焦らない事」です。うつ病に罹る人は真面目で責任感の強い人が多く、ついつい頑張りすぎてしまいます。思うように仕事や家事などを進められないと焦ってしまい、もっと頑張ろうとして深みにはまってしまいがちです。

 

周りの病気を認識してくれている人から「頑張らなくていいよ。ゆっくりやっていけば大丈夫だから」という気遣いの言葉もネガティブにとらえ「ああ、ちゃんとやれてないんだな、もう少し頑張らなきゃ」と思ってしまう人も少なくないようです。

マイペースでいられるよう意識するというのは結構難しいことだと思いますが、小さなところから意識していく癖をつけると効果的かもしれません。例えば、今日はあまり体調がよくないかなと感じたりする時には、一人で黙々と仕事をすることも一つの方法です。

まず自分のことを大事にして、人からどう見られているかなどは気にしないよう心掛け、「優しい人、いい人、できる人なんて思われなくてもいいや」という精神状態になることが、この病気の場合は特に大切なことなのかもしれません。

 

 

周りの理解と協力について

うつ病は治る病気ではありますが、なかなか治らず長期化することも少なくないのが特徴です。本人の気持ちの在り方が大切ですが、周囲の人の協力も不可欠です。

まずは本人と共に病気についてしっかりと学んでいき、お互いに気を使いすぎず、気楽に相談しあえる環境が最も大切なことです。

周囲の人は言葉の使い方に注意して応対しているということが多いですが、家族や親友といった近しい人ならば、自然に接していくことはそう難しいことではないはずです。うつ病にかかっている人に対して、相手を心配しているということを伝えすぎてしまうのは逆効果と言えます。

 

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まとめ

苦しくて苦しくて逃げだしたくなることもたくさんあります。ですが、うつ病はいつかは治る病気です。うつ状態のときは特に「これがうつ病の症状なんだ」と認識し、焦らず少しずつ前を向いて、ゆっくりとうつのトンネルから抜け出しましょう。