ヘリコプターペアレントの特徴とは?

ここでは、そんなヘリコプターペアレントの特徴について解説します。どんな親でも我が子の成長と幸せを願うものです。でも、子どもへの過剰な関心、過干渉や過保護は、時として子どもの成長に悪影響を及ぼします。

中でもヘリコプターペアレントと呼ばれる親に育てられた子ども達は、その子の未来にまで大きな爪痕を残しかねません。

 

ヘリコプターペアレントとは?

ヘリコプターペアレントというのは、モンスターペアレントの一種です。上空を旋回するヘリコプターのように、子どもに付きまとい、親が子どものすることに過干渉に関わることで、子どもや子どもを取り巻く人達に迷惑をかける親のことをいいます。

親は、本来子どもが自立していけるように育てるべきなのに、その自立への教育をせず、自分の思いを優先して、その思いを子どもに押し付けるように、手取り足取り、時にはお金まで出して保護したり干渉をしたりしてしまいます。

 

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なぜ過保護がいけないのか?

『過保護』のイメージとしては、親が子にベタベタするといったもので、例えば虐待やネグレクトほど悪いイメージがない人が多いのではないでしょうか?

もっと言えば、『過保護』は子どもの保護を行き過ぎたという事なわけで、なぜ子どもを過剰に保護にすることが、いけないと言われるのでしょうか?

 

保護というのは、対象の誰か(親の場合ならば我が子)を守りサポートすることで、子どもが小さいうちは、この「親の保護」をとても必要とします。親も、我が子に危険がないように、嫌な思いをしないように一生懸命に保護するわけです。

しかし、親の中には、子どもを一生懸命保護しすぎるあまり、全ての事に手を出し口を出し、嫌な思いや辛い経験をしないように、全てを遠ざけようとする人もいます。

 

一見、子育て熱心に感じますが、実はそういった親の行動は行き過ぎで、かえって子どもが持つ自立の力や意欲、成長を妨げているのです。

成長を妨げることで、全ての事に意欲がなく、誰かから支持を受けないと何も考えられない動けない大人に育ってしまいます。更に、自分の意志ではなく、誰かの指示にしたがって動いているので、例え失敗しても自分の責任だとは考えなません。

 

ですので、反省をせずむしろ指示を出した相手を責めてしまう事が多いのです。指示待ち人間だからと言って、自分の責任を他人に押し付けないだろう!それは大げさだ!!と思う人もいるかと思いますが、最も身近な例えがあります。

毎朝、お子さんを起こしている人や自身も学生の頃、親に起こしてもらっていたという人は、多いのではないでしょうか。

 

親に起こしてもらい、毎日だいたい時間通りに起きて、学校へ行く。それでも、時には二度寝してしまったり、睡眠が深くて起こされたことに気づかなかったりして、遅刻してしまうこともありますよね。

そんな時、いつも起こしてくれている親に『どうして起こしてくれなかったの!!』と腹を立てた経験や子どもにそう怒られた経験はありませんか?

 

でも、よく考えてみてください。学校に行かなければいけないのは、子どもであり当時学生だった自分自身なのです。つまり、遅刻しないように起きなければいけないのは、学校へ行く人の義務であり責任ですよね。

という事は、朝起きれずに遅刻したのも、本来は自分の責任であるはずなのに、なぜか遅刻したのは起こしてくれなかった親に責任があると責めてしまっているわけです。

 

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これが、自分の失敗を反省せず、指示を出した側を責めてしまうというといういい例ではないかと思います。

また、過保護な親は、子どもが意見を言ってもそれを聞かず、自分の思いを通す事が多いため、子どもの自己肯定が育たず、自分を否定的に捉え自信のないおどおどした子どもに育ってしまいます。

 

更に、過保護な親は、子どもが危険な目(ちょっとした痛い目すら)にあったり失敗することを回避させようと、過干渉な対応をするため、子どもは失敗をほとんどせずに成長します。

人というのは、失敗する事で様々なことを学びますし、痛みを知って初めて相手の痛みも知ることが出来ます。例えば、生理痛の痛みや辛さを経験したことがない男性にそのことを伝えても、理解されませんし、でこぼこ道で走って転ぶから、不安定な道では慎重にならなければいけないことを知るのです。

 

それなのに、失敗を経験せずにきたことで、様々なことを学習する機会を奪われ、また、失敗から立ち直る経験をも奪われるため、ちょっとしたミスでも立ち直ることに多大な時間を要したり、立ち直ることが出来ず引きこもってしまったりする可能性があります。

つまり、子どもを過保護に育てることで、

・自立できず指示待ち人間になってしまう
・失敗を人のせいにしてしまう
・自分自身に自身が持てない
・失敗した時立ち直ることが出来ない

ような大人に育ってしまう可能性が高くなるのです。

 

 

ヘリコプターペアレントの特徴は?

子どもが大切過ぎる

さて、ヘリコプターペアレントになってしまう親の多くには、『子どもが大切すぎる』という特徴がみられます。もちろん、どの親でも我が子は大切なです。

だからこそ、親は、子ども自身が自分の力で自立してい生きていけるように、試行錯誤しながら一生懸命子育てをするわけです。

 

しかし、ヘリコプターペアレントと呼ばれる親たちは、子どもが失敗したり苦しんだりする姿を見ることを嫌がります。それは、子どものそんな姿を見ると自分自身も苦しいからです。

そうならないために、子どもが苦しむことがないように障害になりそうなものを全て排除し、なだらかな道を歩かせようとします。

近年のいい例としては、運動会で勝敗を決めないというのが、そのものズバリで、これは、リレー等で負けてしまった我が子が悔しがるという過剰な親の思いからきているようです。

 

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子どもは自分の所有物

我が子を『自分の所有物』と考える特徴もあります。そう考えるヘリコプターペアレントは、子どもは子ども自身の意志や感情と関係なく、自分(親)の思い通りになって当然と思っています。

ですので、子どもに自分の考えで行動する自由など必要なく、親の言うことを聞かない時は、子どもを激しく責めたてる傾向にあります。それによって、子どもはトラウマを作ってしまう場合があります。

上記の他にも、『子どもが親を頼る前に手伝う・子ども(子育て)以外の人生の楽しみがない・子どもが失敗しないように先回りする・子どもの力を信用していない(=自分(親)がいないとダメだと思っている』といった特徴がみられます。

 

 

ヘリコプターペアレントにならないために大切な2つのことは?

過保護で過干渉であることを認める

ヘリコプターペアレントにならないために大切なことの1つは『自分が子供に対して過保護・過干渉であることを認めること』です。

でも、自分が子供に対して、過保護であったり過干渉であることを認めるのは、結構つらいですよね。だって、それは自分の今までの子育てや自分自身を否定しているようなものですから。

 

でも、それを認めない限りは、どんなアドバイスを聞いたり、ヘリコプターペアレントの実体験を聞いたところで、過保護や過干渉を止めることは出来ません。

筆者もあるきっかけから、夫に「過保護だよ」と言われ、最初はそれを認めることが出来ず、そう言われたことに腹を立ててしまいましたが、冷静になって自分の子供に対する接し方を見つめ直した時、確かに過保護であることに気付いたのです。

その事にに気付いてからは、今までの関わり方を見つめ直すことが出来たし、今まで通りに思わずやろうとしても、この関わりは過保護(過干渉)だな。と気付き、止めることが出来るようになってきました。

 

 

子どもの力を信じて待つ

ヘリコプターペアレントにならないために大切なもう1つのことは『子どもの力を信じる』事です。

親は、ついつい勝手に子どもの限界を決めてしまうものです。「この子はここまでは出来るけど、これ以上は出来ないだろう」とか、「この子はこれが苦手」と考え、出来なかったり苦手だと思っている所を手伝ってしまいがちです。

 

確かに小さいうちは、出来なかったり苦手だったりしていたかもしれません。でも、子どもの成長する力というのは未知数で、親が思っている以上に成長しているし、苦手なことも克服できるものなのです。

しかし、親の方はその子どもの成長する力に気づかず、いつまでも小さい時のイメージのままこの子は出来ないから・・・。と手伝ってしまうことで、過保護や過干渉につながってしまいます。

 

また筆者の体験で申し訳ないのですが、筆者もやはり、勝手に子どもの限界を決めていた親の1人で、いつまでも色々なことを手伝い、上記の通り「過保護だよ」と言われてしまったのですが、子どものちからを信じ、今まで手をかけていた多くのことを子ども自身に任せ、子どもには『最後にチェックだけするね』とだけ言って、自分でし終わるまで待つようにしました。

すると、今まで出来ないだろうと思っていっていたことの多くを、1人でやってのけ(もちろんこちらの手直しが必要な部分もありますが)、任せることで子ども自身も、自信を付けていきました。

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まとめ

ヘリコプターペアレントになってしまう親も、見方を変えれば子どものことを思い、子育てに一生懸命になっているのだと思います。ただ、その方法が独りよがりになってしまった結果、逆に子どもの成長する機会を妨げ、傷つけ悪影響を及ぼしてしまっているのだと思います。

子どもの成長を願えばこそ、子どもの力を信じ自立できるようサポートしていくことが、親としていちばん大切なことなのだと思います。