勉強が得意な人の心理的特徴について。もともと生まれ持った知能指数の高さが学力にも関係していますが、ここでは心理面で勉強向きな人の特徴を見ていきます。
勉強に対してどう思っていると得意になるのかに着目すると、面白い傾向が見えてきました。本人も意識しない場所で動いている心理や性格を見てみましょう。
勉強が得意な人の心理的特徴
疑問を抱かない
学習をする上で、興味を持って取り組むには内から湧き出る素朴な疑問を持つことが大事だと言います。けれど、それは勉強が得意な人というより勉強が「面白い」人。疑問を持ち、知りたいという人間の自然な欲求が満たされることで勉強を面白いものだと認識します。
勉強が得意というのはこの好きという気持ちから派生するものでもありますが、そうでない場合いは逆に疑問を抱かないこともあります。例えば、勉強なんて突き詰めれば答えがないことも多いですから、「どうしてappleのスペルはappleなの?」「どうして円周率は3,14なの?」「どうして窒素の方が酸素より多いの?」などという疑問は持たない方がすんなり進めるのです。
これを確かめようとすると大学院まで飛ぶこともありますが、それをこの疑問を抱く人に対して説明していては、理解できたとしても成績には繋がりません。そこまで問うような定期テストや受験はないからです。
勉強が得意な人と言われるのは、少なくとも高校まではテストという数値化されたもので良い点を取る人のことを指します。この場合は、いかにテストで良い点を取るか、ここに着目できるので余計な疑問というのはむしろ無駄である、という心理が働きます。
数学の公式がどうしてそのようになるのかに対し疑問を抱くより、素直に公式はこうと決められているものなのだ、とそれ以上追求しないのも時に成績UPのためには必要だったりします。
語学でもそうで、言語は日々変化するもので、誰かいつどのように作りだしたかわからない動きのあるものです。これに対していちいち突っ込んでいたら、いつまで経っても語学習得はできないでしょう。
好奇心が多くもなく少なくもなく、絶妙な塩梅である人は勉強に向いていると言えます。
ほどほどで良い精神
勉強ができる人はテストの点数が高い人と捉えられますが、成長していって大人になっても学力を高く保持できるのは、100点を目指して頑張るタイプだけではありません。80%取れれば良いと考える人もまた、後々勉強ができると言われるようになります。
合理的な考えの持ち主で、頑張ればそれだけの点数はもらえるのですが、あえてそれをしません。ほどほどの点数で満足し、それ以上は目指さないのです。
具体的には、学校でテスト範囲が配られると、そのメインとなる箇所だけを勉強します。出題される可能性が低いところを一生懸命勉強していると、その科目だけで日が暮れてしまいます。勉強が得意な人は、どの科目もそつなくこなすことができます。
全力投球して時間を削る人もいますが、どれも80%に留めておいてバランスが良いのも、勉強が得意な人と言えるのではないでしょうか。変に一つどころに力を入れすぎない楽な姿勢が、満遍なくどの科目もできる人へと導いていきます。
先生の意図が読める
テスト範囲を配られても、中にはどう勉強したらよいかわからない人がいます。勉強がわからないのではなくて、勉強の仕方がわからないというタイプです。
しかし、テスト範囲表からメインとなる分野を見つけ出し、かつ先生が出題しそうな問題がわかるという人は勉強が得意だと言えます。このような人はよく勘や山が当たると言われますが、実は先生の出題意図が見えています。
自分が先生だったら、自分ができなかった問題を出題するな、と想像力を働かせることができるのです。誰かに教わってそうなるというよりは直感的に感じるので、「普通わかるでしょ?」という感覚でいることも多いです。
よって、時間がなくても小テストであればその前の休み時間にサクッと出そうなところだけをマークし、そこに重点を絞って学習します。
他の問題ができるようになったとは限りませんが、それでテストの点数が上がるのならば、周りからは勉強が得意だと言われることでしょう。この場合、実際には勉強が全面的にできるというよりは、先生の立場に立つことができるだけです。
海馬を直感的に上手く使っている
人間の記憶をつかさどる脳の領域は、小指の先くらいの大きさの海馬と言われる部分です。これを上手く活用できる人は勉強で必要とされる事項の定着が早いです。人は、大切と思ったものを記憶していき、必要ないと判断したものは忘れていきます。
大切と思うものは死に関係するものが多く、これは死ぬことを回避する本能から来ています。しかし、学校で勉強することを覚えなかったからと言って死ぬことはありません。だから人は習ったことを忘れていきます。
これを防ぐためには、繰り返し学習が必要となります。勉強が得意な人はこの海馬のシステムを直感的にわかっており、自分がもう忘れかけているなと思う事柄を適切な時期にもう一度繰り返すことができます。
計画を立てなくてもそれがわかるので、長期記憶領域に入っていきやすいのです。生まれつき覚えが良い人と悪い人がいますが、それとはまた別で海馬の使い方が上手い下手も勉強の得意不得意に関係していきます。
もしなかなか暗記したことが定着しないというのであれば、死に近づけることはできませんが、危機感を持って取り組む勉強法なら実践できます。
心地よいと思う温度の2度ほど低い室温の中勉強すると、定着度合が良くなります。お腹が空いている時も暗記したことが残りやすいので、活用してみるのもアリでしょう。
まとめ
人は生まれながらに不平等で、学習能力にも差があります。けれど、それ以外で差ができるのは勉強に対してどう接しているかという本人の心理も関係していました。
疑問を持って追求していくのはいいけれど、基礎ができないうちから完璧を目指そうと思うと勉強しづらくなってしまいます。時に力を抜いてみるというのもまた一つの手段で、常に100%を目指さなくても良いと思っておくのがコツです。