効率よく勉強する方法は人間の心理を使えば簡単?

色々とある学問分野のなかで、とりわけ人気のあるのが、心理学です。勉強に役に立つ心理現象も多数、発見されています。例えば、記憶研究やモチベーション研究は、受験勉強中の学生だけではなく、社会人にも重要な研究テーマです。

社会的有用性の高い研究テーマであることから、心理学の世界では、活発に日夜、研究されています。ここでは、勉強をするときに、知っておくと得をする心理現象について、いくつかご紹介します。

 

人間の心理を利用して効率よく勉強する方法

一緒に勉強すると集中力が増す?「共行為効果」とは?

学校では、一生懸命に勉強できるのに、自宅に帰るとつい遊んでしまうという人はいないでしょうか。あるいは塾や図書館などでは集中力が持続するのに、なぜか帰宅した途端に、やる気が失せてしまう。

心理学の世界では、この現象は共行為効果として知られています。周囲の人たちが一生懸命に勉強していると、そのやる気や雰囲気が伝染するという現象のことです。

 

逆に、周囲の人たちが遊んでいると、自分も遊びたくなってしまいます。この現象は、勉強に限らず、職場などでも見られます。同じ作業や課題を行っている他者が身近にいることで、自分も頑張らねばという気持ちになってきます。

作業や課題を直接、頑張ってこなすように指示されたわけではないのに、周囲の環境に心理が影響されるということです。したがって、勉強の場合には、集中して勉強している人たちが集まる場所で行うと、効果的です。

 

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効率的に暗記ができる「自己照合効果」とは?

暗記科目をこなす際に、語呂合わせをしてみたり、それぞれの用語の頭文字をつないでみたり、ストーリーにして理解してみたりなど、さまざまな暗記法が発見されてきました。

なかでも、覚えたい対象を、具体的にイメージして覚える暗記法の効果は、つとに知られています。しかし、これらの現象が発見されたあと、自己照合効果という現象が見つけ出され、話題になったことがあります。

 

自己照合効果とは、暗記したい項目が自分に当てはまるか考えながら覚えるというやり方をすると、暗記がしやすくなるというものです。自分(自己概念)と関連付けながら、勉強をすると、驚くほど効率的に覚えられるということです。

やり方は簡単です。覚えたい単語などと、自分の名前、誕生日、家族構成、出身地、経歴、趣味などとの接点や関連性を思い浮かべながら、覚えるだけです。心理学の世界で知られている効果的な暗記法のなかで、最も効果が高いとされ、注目されています。

 

 

忘れそうになる直前に復習すると覚えられる

勉強を捗らせるには、記憶のメカニズムについても知っておくと役に立ちます。さして重要ではない事柄はすぐに忘れるように、人間の頭はできています。

効率的に覚えるためには、重要だと頭に思わせることが肝心です。人間の忘れやすさは、エビングハウスの忘却曲線としても知られています。

 

一度覚えられたと思った事柄でも、20分で42%、1時間で56%、1日で74%、1週間で79%のことを忘れてしまいます。

単語などを覚えるためには、繰り返すことが大切ですが、繰り返すタイミングも重要です。頭に重要だと思わせるためには、忘れかけ始めているタイミングで復習すると、覚えやすいです。

特に初見の事柄は、忘れる速度が速いので、20分後に読み返す。次は1時間空けて読み返すといった風に、情報の定着度合いに応じて、復習する感覚を広げていくのが、おすすめです。

 

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散歩が勉強になる

日中、大量の情報を頭に詰め込むと、それ以上情報が入らないようになってきます。受験勉強では、特に期限があるため、つい焦って勉強しすぎてしまうこともあるでしょう。

そうした場合には、無理をして勉強をせず、ぼうっと散歩をしてみるのも効果的です。散歩には頭のなかの情報を整理する効果があることが判明しています。

 

一時的に新しい情報をシャットアウトすることで、その間、処理が追いついていなかった情報がきれいに整理されます。

つまり、本人は休んでいるつもりでも、散歩をすることで、頭の方では、せっせと日中に覚えた事柄のなかで、重要な情報に関してはきちんと整理しているわけです。勉強はしていないが、頭が勝手に勉強しているということです。

また、散歩には、気持ちをリラックスさせる効果もあるので、モチベーションアップにも効果的です。

 

 

目標を達成するために、宣言してみよう

「志望校に合格できるだろうか」、「資格試験にパスできるだろうか」と悩んでいる人もいるでしょう。そうした場合には、思い切って、身の回りの人に、自分は絶対に合格してみせると宣言してしまうとよいです。

自分は目標を絶対に達成させてみせるんだと、宣言することでモチベーションの高まることが分かっており、これを宣言効果と呼びます。身の回りの人に宣言するのは、勇気の要ることですが、これがプレッシャーにもなり、やる気にもつながります。

 

しかし、宣言をすることで、成功確率が上がることが判明しているので、勇気を出して宣言してみるのが、おすすめです。また、思い切って言い切ってしまうことで、あたかも夢や願望を実現しているかのような感覚にも陥ってきます。

つまり、潜在意識に、目標を達成しているイメージが刷り込まれ、成功確率が上がるとされています。

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