本を読む人の心理、理由は?

本を読む人の心理、理由について。一般的に、「読書が好き」という言葉の意味は「小説を読むことが好き」とほとんどイコールであるように思えます。実際、ノンフィクションが好きという人はあまりいません。

もちろん、小説を読むことも大切なのは確かでしょう。しかし、こういった風潮により、本を娯楽としてだけではなく、人生に役立てようという視点が生まれてこないように思えるのです。そこで、本記事では、功利主義的な読書人の心理について書いていきます。

 

本を読む人の心理、理由

ノンフィクションを好んでいる

もちろん小説などのフィクションを読むことも大切です。小説は、登場人物の人生を疑似体験できます。あるいは自分がその世界に入って空想することも想像力を高めるでしょう。しかし、人生に役立つ情報を効率よく得ようとしたら、ノンフィクションの方が合っています。

それでは、何故ノンフィクションはあまり読まれないのでしょうか。これは、本を読む習慣をつける小学生の頃に読む本の多くが、物語であることが原因だと考えられます。あまり本に興味はないけど、「周りの友達が読んでいるから」という理由で人気の物語を手にとる。

こういう人は多かったのではないでしょうか。小学校では特に、情動的な教育が重視されています。読書感想文などでも論理よりどう感じたかという気持ちの方が重視される傾向があります。しかし、大人になると途端に論理が求められます。

 

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影響されようという思っている

読書経験を活かすために重要なのが、この影響されようという気持ちです。作家の森博嗣氏も、本を読むときは、常に影響されようと思って読んでいるのだと言います。この気持ちがなければ、本を読む意味がありません。

森氏は、そういった気持ちが客観的で冷静な判断をする上で大切であるということも言っています。本を読むことの目的の一つがこの客観性を身につけることです。そういう意味では、意見の違う人の言葉こそ、聞く価値があります。

 

読書家として知られる作家の佐藤優氏は、相手の内在的論理を知ることが大切だと言います。相手がどういう考えを持って、そういう言動をしているのかということです。

自分の意見と違ったらすぐにシャットアウトしてしまうのは好ましくありません。「どうしてそう考えるのか」という論理を見ることが客観的かつ冷静な判断をする上では大切なことなのです。

 

 

とりあえず信じてみようという心理

とにかく疑ってかかろうとする人がいます。損をしたくないという心理かもしれません。もちろん何でもかんでも無条件に信じることはいけません。きちんと論理的に吟味するのが大切です。馬鹿正直に信じる人よりも、疑って考える人の方が知的な印象を与えることも多いでしょう。

しかし、何でもかんでも批判しようとする人は、価値観が狭まりがちです。とにかく疑う気持ちが先行してしまうと、自分が知らない有益なモノまで排除してしまうことになりかねないのです。「本当か」と思うことでも、とりあえず知識としてインプットしておくのが大切です。

 

例えば、睡眠に関する本を読んだ人が「八時間睡眠が大切だ」という知識を得たとします。しかし、別の本で「ショートスリーパーと呼ばれる人はあまり寝なくても平気なのだ」と書かれていたとします。

ここで、「同じ人間なのにそんな違いがあるわけがない」「トンデモ本だ」と考えるのは安直です。実際、ショートスリーパーやロングスリーパーと呼ばれる人が存在していて、これはノンレム睡眠の長さの違いからくることが知られています。

これらの知識から総合的に考えて、「自分にとって心地よい睡眠時間を取れることが重要」という結論が導けることが大切なのです。

 

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何からでも学べるという心理

究極的には、人は何からでも学ぶことができます。成功だけでなく失敗からも学べます。あるいは、自分の経験だけでなく、他人の経験や歴史からも学べます。そして、人間以外の生物やモノ、自然現象からも学べるのが人間です。

バイオミミクリーという分野があります。これは、生物や生態系などの自然界における機能を模倣し、新しい技術を生み出そうという考え方です。

バイオミミクリーの例としては、蚊の針を模倣した痛くない注射針や、シロアリの巣に注目したエアコン要らずの住宅などがあります。これらは持続可能な社会を作る上で期待されています。

 

 

読書が人生を良くする最も効率的な手段だと信じている

読書は多くの人にとって、最も効率的に人生を変える手段なのです。例えば、「子供に何を習わせようか」と考えている教育熱心な親がいたとします。今のグローバルIT時代には、英語とプログラミングが大事と考えるかもしれません。

しかし、一番大切なのは読書です。本に書かれているのは著者や著者の見てきた人やものの履歴です。本を読むことは、世界を知り、人生を設計するためには最適なのです。本を読んで興味を持ったことを子供に好きにやらせればいいということになります。

 

こういった自発的な気持ちは、周りがああしろこうしろと言ったところで生まれることはない、とても貴重なものです。これは大人においても同じことでしょう。

もしも、様々な習い事をさせたとしても、子供が興味を持つかはわからないし、向いているとも限らないでしょう。そういった習い事をさせて、仮に10人に1人が才能を発揮できるとしたら、10個の習い事をさせてようやく元が取れるわけです。

お金も失うし、何よりも子供の貴重な時間を失います。世の中に存在する本は1億3000万冊と言われています。これは、1日20冊読んでも読み切るのに約18000年かかるほどの量です。人生における様々な問題の多くは、すでに誰かが本の中で書いていると見ていいでしょう。

 

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まとめ

ここまで見てきてお分かりの通り、読書を通して自分が変わろうという心の柔軟性が大切です。「読書をしても意味がない」ということはありません。

上記の睡眠の例のように、様々な知識から総合的に考えて、自分に役立つように加工することができれば、読書の可能性は無限に広がるでしょう。そして、人生をよくするための最も効率的な手段が読書なのです。ぜひ、生活に取り入れてみることをオススメします。