海外旅行に行かない人の理由、心理について。「まだ日本で行ったところのない場所が未開だから」「英語喋れないから」「遠いから」「お金がかかるから」などなど、何かと理由をつけて海外旅行に行かない人は周りにいませんか?
それが本当だったならその人の本心ですが、実は興味があるのに怖くて行けないという人もかなりいます。国内なら気軽に行けるのに、どうして恐怖心がわいてしまうのでしょうか。これがわかり、克服できれば世界はもっと広がるはずです。
海外旅行に行かない人の心理、理由

自分の弱点をさらけ出したくないから
新婚旅行で海外へ行く時、ツアーならまだ良いですが、自分たちでハネムーンを組んだ時には色々と自分たちだけでしなくてはならないことが増えますよね。
ツアーと違って時間を自由に使えるのは嬉しいところですが、航空券の手配からホテルの予約、観光地への最短ルートを調べて行動に移す必要があります。
ここで、海外旅行に行きたいのに行きたくないという矛盾的心理を抱えている人は、自分ができないかもしれない自信のない行為をできるだけ避けたいという思いが出てきます。
ホテルの予約を英語でできなかったらかっこ悪いとか、相手に頼りにならない人だと思われたくないと思ってしまいます。日本では上手くやっていけるのに、勝手が違うとどうすれば良いかその場に行かないとわからない不安があります。
特に好きな人の前では良い格好をしたいため、海外旅行は楽しみな反面わざわざ弱点をさらけ出すような場所には行きたくないのです。どうせなら自分の知っている場所を案内するなど、主導権が握れるところが良いと思う節があります。
未知に対する恐怖感が人一倍強いから
人は、未知のものに関しては最初に恐怖を覚えます。見たことのない料理を食べる前、知らない虫に出会った時、子どものころ初めて自分の影の存在を知った時、そもそも何なのかわからないものを目にした時、それぞれに恐怖を覚えるはずです。
物音はしたのに正体不明だと、それが何なのかとりあえず確認しに行くと思います。それが猫など、自分の知っているものなら安心し、知らないものなら更なる恐怖を生み出します。海外も、見聞きしたことがあるにしてもやはり未知の領域です。
行ったことがある場所なら安心して行けるのに、初めての場所は緊張するという場合は海外に踏み出すのに勇気が要ります。特に日本は外国と陸続きでないため、ヨーロッパに住む人よりそのハードルは高いものになります。
ヨーロッパならユーロ圏なら通過だって同じですし、スイスやドイツ、オーストリアなら言語も同じです。それを思うと日本人が海外に恐怖を感じるのは、どこへ行っても文化の差が大きいからとも言えるでしょう。
準備期間は「期待」ではなく「不安」だから
遠足の前日の夜は興奮して眠れないと言いますが、この興奮とは期待や楽しみにしていることを意味しますよね。一方で、海外旅行については緊張によって眠れないという意味の違った寝不足に陥ることがあります。
この場合、旅行を計画して実際に行くまでの期間を期待より不安の方が上回っています。その種類は様々で、経由地できちんと目的地へ行く飛行機に乗れるかとか、飛行機の中の狭い空間に押しつぶされないかとか、荷物は無事届くのか、現地のホテル管理は信頼できるのかなど、到着するまでの不安が大きく出ます。
一般的に、飛行機に乗ってしまったらその不安はなくなることが多いのですが、それをわかっていたとしても、自分が感じる不安は拭えないのが厄介なところです。今の時代は海外に対するハードルはこれでも下がった方で、ネットで様々な情報が世界中から得られます。
同じように海外へ旅行に行ったという人のブログを読めますし、オススメスポットや評価の高いホテルもチェックできます。それでも怖いのは、人が情報や知識だけでは不安を拭うには不十分であることを示し、実際に行って経験することが必要なのだとわかります。
「きちんとしなきゃ」という精神が働くから
いつもはのんびりしている人や、時間にルーズな人、人任せな人も、海外旅行となるとある程度気を張っていなければいけません。乗り換えがある場合、現地の言葉や英語で案内されますから、それを聞き逃すと経由地に取り残されることになります。
慣れない空港内で荷物を確認しなければなりませんし、時間通りに飛行機に乗らないとこれも置いてけぼりになります。国内ならその対処方法もまだ簡単ですが、海外となると取引する相手は外国人であり、より面倒事が増えてしまいます。
それを防ぐためには、やはりいつもよりは気合いを入れていかなくてはなりません。「もしここで乗るターミナルを間違えたら?」「時間がギリギリだけど大丈夫かな」と、しっかりしなければならないことによるプレッシャーを感じます。
実際、海外では荷物が紛失したり、自分の乗る便がキャンセルになることも珍しくありません。その時に適切に対処した経験がないと、不安になるのも当然です。思いがけないトラブルが起きた時、果たして自分がそれにきちんと対応できるのか、それがネックで海外に足が向かないという人も多いです。
まとめ
海外旅行、日本という環境が既にそのハードルを上げてしまっている感はありますが、それでも外に行く人と行かない人に分かれます。一度経験しておくとその後は気が楽になり恐怖心も大分緩和されるので、興味があるなら、そしてこだわりがないなら近場に行ってみるのも良いでしょう。
これは病気ではありませんが、心療内科では予期不安に対する治療方法は、規模の小さなことから順を追って段々大きなことにチャレンジしていくことです。それを使って海外へ足を伸ばせば、飛行機で10時間かかる場所でも、経由地があっても不安や緊張を感じず、体調良好で旅を楽しめます。
要は最初の一歩を踏み出すまでが大変なのであって、2回目からは楽になることを覚えていれば安心感も生まれてくるかなと思います。世界を知って見聞を広め、自分自身の楽しみを増やすためにも、日本以外の世界へと目を向けるのは良いことです。知識を体験へと変えるフィールドワークは、自信を付けるための最良の方法です。