ADHDの人の心理的特徴とは?

ADHDの人の心理的特徴について。ADHDとは「注意欠陥多動性障害」とも呼ばれています。集中力・注意力・衝動性・多動性などを自分でコントロールしにくい状態のことです。原因は、脳の前頭葉と呼ばれる部位に機能不全があると考えられています。

ADHDは病気ではありません。アメリカでは「脳の個性」とか「脳の働き方のクセ」とも呼ばれています。ここではADHDタイプの人の心理をご紹介します。

 

ADHDの人の心理

書類作成は苦手という心理

ADHDタイプの人は苦手なことがくると、脳がフリーズしてしまいます。しなければいけない仕事と分かっていても、中断してしまい、無意識にウロウロしたり、別のことをしてしまったりします。

日常生活では、さまざまな機会に書類を作成することがあります。学校での提出物や面接のための履歴書、市役所などの手続きや毎日の記録など。仕事での伝票や報告書などもあるでしょう。

 

特に、ADHDタイプの人は書くことが頭の中でまとまらなかったり、書き損じてしまうことが多いため、「書類作成は苦手だから書きたくない」という心理になります。

また、分からない漢字や資料を調べるといったことも、「面倒くさいから嫌だ」と感じるでしょう。辞書や電卓を準備することが億劫になるため、作業が中断してしまいます。

時間のロスが結構あって、結局何も進まなかったという状況に。ADHDタイプの人にとって書類作成はひと苦労です。そのため、いつも後回しになって、たまってしまうことが多いでしょう。

 

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片づけはめんどくさいという心理

ADHDタイプの人はワーキングメモリーと呼ばれる作業記憶に問題があります。普通は、「した方が良い作業」を見たとしても、「今している作業」があるから、これが終わってから後でしょうと思います。

ですが、ADHDタイプの人の脳は「今している作業」を覚え続けていられないために、新しく入ってきた刺激つまり、「した方が良い作業」によって「今している作業」が抜け落ちてしまいます。

 

例えば、買い物して帰宅したところ、雨が降り出したことに気づき、買い物袋を玄関に置いたまま、洗濯物を取り入れる。取り入れた洗濯物をいつもの場所に置こうとしたら、テレビが目に入り、見たいテレビの時間だったと、洗濯物をその場に置いてテレビのスイッチを入れる。

玄関に置いたままの買い物袋やいつもの場所においていない洗濯物はそのままの状態。気がつくと、「あれっ、部屋が散らかっている」という心理になります。「片づけはめんどくさい」という心理から、脱いだ洋服や読みかけの本が山のように積み重なることもあるでしょう。

 

 

先のことを考えるのは苦手という心理

ADHDタイプの人は時間や空間を把握することが苦手です。そのため、友人との約束や出勤時刻にギリギリだったり、遅刻してしまうことが多いでしょう。例えば、朝はギリギリまで眠っていて、目覚ましを見て驚いて起きる。

急いで靴下を履こうとするけど、片方ないことに気づいて探し出す。洗濯機のそばまでくると、ついやりかけていた洗濯を始め、「ストッキングは網に入れなきゃ…」、そうしているうちに時間があっという間に経ち、会社に遅刻してしまうといった感じです。

 

「こんなはずではなかったのに…」という心理で悪意はなく、いつも必死ですが、繰り返してしまうのです。また、「余裕」という概念もあまりないため、「あの時は行けた」という心理なり、過去に最短時間でできた記憶で考えたり、電車などは待ち時間や乗り換えの時間を前もって考えないことがよくあります。

一方、少しでも時間に余裕ができると、「よし、買い物ができる」と考えるなど、あらゆるすき間に何かしようとする傾向があります。

 

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とにかくこれをしたいという心理

ADHDタイプの人は刺激に反応しやすい脳を持っているため、感情的になりやすいでしょう。また、衝動も強いため、お金や体力、人間関係などを犠牲にしても、目の前の目標を目指してしまう傾向があります。

例えば、興味の対象がでてきた場合、「とにかく可能な限り、早くこれを完璧にそろえたい」という心理になります。懸命に情報収集し、時間や体力、お金を使って全部そろえるまで活動し続ける。

 

そろった頃には、「けっこう飽きてきた」という心理になります。そろえたものが古くなって使えないということも。また、結果として目標を達成できても、問題が起こることがあります。

自分の体のことも、周囲のことも、目に入らなくなって一点集中するため、倒れるまで体の疲れに気づかないことが多いでしょう。自律神経やホルモンのバランスが崩れやすかったり、ストレスや刺激に敏感に反応して気分の差が激しくなります。

なんだか調子が悪い…と思っていても、「大丈夫」と頑張ってしまうでしょう。

 

 

まとめ

一般に、「片づかない」とか「間に合わない」といったことは誰にでも生じます。ですが、ADHDタイプの人はその状態が慢性的に続いてしまいます。日常茶飯事に続いているため、ADHDタイプの人はいつも混乱状態に。

周囲の人から見ると、「何をやっているのだろう」と思われることも多いでしょう。幸い、ADHDは治療によって対処できます。自分にとっての「ちょうど良い加減」を身につけて、気持ち良く生活できるといいですね。

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