分離不安症の猫の心理とは?原因や症状は?

分離不安症の猫の心理、原因、症状、治し方について。最近のペット事情で猫たちの取り巻く環境が変化してきた影響もあり、今まではその性質から犬が割と多くなっていた分離不安症に猫たちも発症することが増えてきました。

 

分離不安症の猫の心理

分離不安症とは?

今まで一緒に過ごしてきた親しい仲間、ペットとして自宅で飼われているのであれば、その飼い主との別れ等で猫たちが不安になり、極端にその苦しみの感情が強く覚えて、病的な症状が出る、普段とは違う問題のある行動を取るようになることを、分離不安症と考えられています。

今までは、どんな動物でも出る症状ではありましたが、ペットとして飼われるのが猫たちも多くなったことで、その猫たちを取り巻く環境がもたらす心理的な症状と言えます。

 

何故犬が多くなる症状だったのかと言いますと、犬は集団行動をする動物とされてきましたので、その集団のリーダー的存在、つまり飼い主がいなくなってしまうと、この症状が出やすくなっていたそうです。

猫は元々、単独行動をする動物でしたので、発症することが少なかったのですが、猫たちが完全に室内で飼われ、しかも1匹で飼う方が多くなったことと、飼い主の猫たちに対する接し方が過度な愛情を注いでしまっていることもあり、猫たちも分離不安になる事が増えたとされています。

 

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環境と分離不安を発症してしまう原因

集団生活を好まない動物であった猫たちが、ペットとして飼われることによって、その野性的な本能も低下していき、さらに飼い主が1匹だけで飼うことも多いため、子猫のころから、他の猫同士で触れ合うことがなくて、コミュニケーションを取る相手が主に飼い主である人間であれば、なおさら飼い主がいなくなったり、留守になるとその症状が出てしまうのも無理はないことです。

また、室内で飼われているため、外で暮らしている野生の猫たちと違って、子猫の頃から他の猫同士で遊んだり、母猫と一緒に過ごす期間が短かったりすると、本来単独行動に伴う自立した本能を身に付ける能力が低下していきますし、単独でいる時間が少ない状況であれば単独行動を猫たちがだんだん好まないようになっていくようです。

ところが、そんな環境で過ごしてきた猫たちが、急に飼い主のライフスタイルが変化してしまって、今までずっと一緒に居てくれる時間がたっぷりあったものが、猫だけで留守番をする時間が増えてしまって、飼い主に構ってもらえることが少なくなってしまったり、また同じ家庭内で可愛がっている猫でも、一番なついていた飼い主が仕事で転勤になったり、結婚してその家からいなくなったりすることも、猫たちに大きな心理的苦悩を与えると言われております。

 

 

具体的にどんな症状が出るの?

猫たちが飼い主との環境の変化で精神的に不安定になって、人間がショックを受けた時に出る症状とよく似ていますが、2つのパターンに分かれるか、そのどちらの症状も出る場合もあるようです。

その2つとは「パニック症状」と「ひきこもり・うつ症状」で、「パニック症状」の方は、どちらかというと攻撃的な行動を取る、室内の物を壊したり、異常に鳴き続ける、噛みついたり落ち着きなくうろうろしたり動的な症状を言いますが、「引きこもり・うつ症状」は、逆に食欲がなくなってしまったり、人と接することを怖がったり、元気がなくなり、普段よりも自分で毛並みを整えるときにかきむしってしまったり、トイレでないところで、排泄をしてしまうことも特徴です。

 

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分離不安を軽減する解決方法と猫たちへの接し方

猫たちの病的な症状を見ていると、どうしても可哀相になって、いつも以上に更に過度に愛情を注いで接してしまっては逆効果になります。一番いいのは、猫の本来の性質を尊重してあげる、つまりちょっと気まぐれに感じるかもしれませんが、猫の機嫌がいい時だけ飼い主に寄ってきて、その時になでてあげたり、声をかけてあげたり少し距離を保つことです。

また、いつも一緒に寝ていたり、テレビを観たりするなど、常に同じ行動をとることを少し減らしてみるというのも1つの方法としてよいかもしれません。その距離感に慣れさせれば、通常の猫らしいとされる行動へと戻っていくでしょう。

 

外出時や留守にする際に、飼い主が習慣としている行動、例えば持っていくカバンを準備し始めて、身支度をして等の外出の際の普段からしていることを、その時だけでなくて、掃除するときにカバンをどけてみるとか、習慣的な行動は猫はよく記憶しているため、それによって不安にならないようにしてあげれば猫も安心しますので大丈夫です。

また、猫のメンタル面を和らげてあげる、ヒーリング効果のある音楽をかけてあげるのも、不安定な状態を改善するためには有効です。

 

そして、猫たちが物を壊すなどの行動をとると、どうしてもそれをやめさせようと、飼い主は当然怒ると思いますが、その症状が何から来ることなのかをよく飼い主が理解し、実際に目の前で見ていた問題行動以外は猫を怒ってはいけません。

そうでないと、猫は不安定な状態になっているため、何故怒られているのかが理解できないからです。

もし、1匹だけで飼っているなら、例えばもう1匹他の遊び相手になる猫を飼ってみるというのもいいですが、その際には注意点として先住の猫を必ず最初にかまってあげる、餌の順番、遊んであげるとき等、新しい猫だけに構うのではなく、同じように接してあげないと、あとから飼った猫に暴力的な行動を取ったり、排泄を他の場所にするなど、自分が構ってもらいたくて問題行動をする可能性が高いので、そのことにはくれぐれも注意しましょう。

 

 

まとめ

人間も猫たちも、その個々が持っている性質や本能が本来はたとえ同じであったとしても、その生まれ育った環境や周りの人たちの接し方によって、性格の形成も大きく変わってくるものだというのは想像がつくことだと思います。

過度の愛情表現や接し方で、猫たちもそれが当たり前だと思ってしまうと、それを失ってしまったときに心のバランスを崩してしまうのは人間社会と同じことです。

子育てをするのと同じように、猫たちに不安を与えてしまう事を避けるためにも、人間の人格形成の大半が決まるという幼少期から適度な距離を保つ等の接し方で、猫たちを将来的に悲しませないためにも、それが逆に本当に猫たちを大切と思うのであれば必要なことではないかと考えます。

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