誰しも雑談するときの話題が思いつかなかったり、場を盛り上げる方法が分からなかったりとコミュニケーションの難しさを実感したことがあるでしょう。
何を話して良いかわからないときはオーソドックスな話題として、天気や体調のことなど誰にでも共通しているものが選ばれるでしょう。
それも一つの手ではありますが、心理学を意識した話題や話し方を実践するだけでその場の盛り上がりや相手をコントロールする力が大きく変わってきます。そこで今回のコラムでは、人生の大半を占める雑談で意識しておきたい心理学的現象をご紹介したいと思います。
話を盛り上げるために意識できる心理

ユーモアの大切さ
お笑い芸人や敏腕営業マンたちの多くは雑談の中にユーモア溢れる冗談を入れながら話しています。よく笑いの基本構造として「緊張」と「緩和」が挙げられますが、ここで言うユーモアとは「緊張」と「緩和」を適度なバランスでコントロール出来る力のことを指します。
売れていない芸人に見られる滑るギャグには、この「緊張」または「緩和」のどちらかが極端に強すぎるために上手く聴衆の感情をコントロール出来ていないのです。
このユーモアのある雑談は、慣れと学習が必要となります。特に真面目な方で普段から人を笑わすことを意識しないような人は、話し上手な面白い人のユーモアの使い方を学習する必要があります。
笑いのもう一つの要素として「共感性」が挙げられます。これは、漫才の題材を考える際に意識されることで、誰しも一度は見たことのある日常の光景や多くの人に共通しているコンプレックスなどを披露して笑いに持っていく方法があります。
そのため、自分しか知らない習慣や狭いコミュニティだけに常識化されている話題は雑談に使うべきではありません。そのため、「共感性」を得られる話題から「緊張」と「緩和」を上手く使い分けて多くの人に面白いと思われる雑談力を培うことが大切となります。
ユーモアをしっかりと理解して使えるようにできれば、大切な商談で成功したり、人脈を広げることに繋がったりと様々な場面で人生を豊かにしてくれることでしょう。
聞く力こそがコミュニケーション能力

上記では、発信側としてのユーモアの大切さについて紹介しましたが、雑談の場面では聞き手に回ることも多いでしょう。そんな時に意識しておきたい「あいづち」について考えていこうと思います。
あいづちは、話し手に対して「しっかりあなたの話を聞いているよ」と意思表示するもので、どれだけ相手に気持ちよく話してもらうかはあいづちに懸かっています。それでは、どのようなあいづちが好まれるのでしょうか。
まず、大前提としてあいづちは相手に共感していることを伝える意味もあるため、基本的に否定はしません。「話の腰を折る」という言葉があるように、否定は相手にとって余計なもので不愉快に感じてしまいます。
そのため、少し自分と意見の異なる内容を話していたとしても肯定するように心掛けてあいづちをするように意識しましょう。
相手への視線

次に、視線の大切さについて紹介します。人の目を見て話すことは大切だと教えられてきた方も多いと思いますが、聞き手側としても人の目を見て聞くことは相手に「しっかりとあなたの話しを聞いている」とアピールすることに繋がるため、意識して行いたいポイントです。
ただし、ずっと目を見て話を聞いていると話し手側が緊張する上に自分も緊張してしまい、会話の内容が頭に入ってこないこともあるため、特に話の盛り上がったときや特に共感した内容を話している時に目を見てあげるだけでもしっかりと相手に伝わります。
相手の目を見る際に注意しておきたいのが、メンチを切るように睨みつけていないかを意識して確認しましょう。なかなか難しいとは思いますが、自分の中で眉間の筋肉を少し上げてあげるだけで睨むような表情にはならないので試してみてはいかがでしょうか。
相手の感情を代弁する

雑談と言っても「悲しい内容」や「楽しい内容」など多種多様の話題があります。そこで、意識しておくべきポイントとして「相手の感情を代弁する」です。
例えば、「飼育していた金魚が病気になって治療中」という内容に対して「それは辛いでしょうね」や「早く元気になって欲しいですね」など相手が感じているであろう感情を先に代弁してあげると「しっかりと親身になって話を聞いてくれているんだな」と感じてもらえます。
会話が続かない主な原因として挙げられるのは「これ以上話しても理解してもらえない」や「時間の無駄」と感じてしまうためで、「もっと話を聞いてもらいたい」「話していて気分がいい」と感じてもらうにはどうすればいいかを常に考えておくことで自然と雑談力は身につくものです。
少し難易度は上がりますが、表情にも気をつけておくと良いでしょう。どうして人間が表情から相手の気持を読み取れるかというと、集団生活をする上で感情を汲み取る必要性があったからです。
特に女性は四六時中誰かしらと対面する生活を送っていたため、小さな心の動きにも気づくことができるのです。