反抗する生徒の心理とは?どんな対応を?

反発、反抗する生徒の心理について。反抗期になると子どもは学校でも先生に反発します。ですが、それを「反抗期」という一言では終わらせられません。彼らには彼らなりの反抗する理由があり、それにはロジカルな理由もあるのです。

先生に反発したくなるその心理にはどんなものがあるのか確認してみると、子どもとの付き合い方も変わるかもしれません。

 

反抗、反発する生徒の心理

ダメな理由を教えてくれない

先生に反抗する理由のうち大きなものの一つに、校則の存在があります。集団で生活していく上ではルールがないと成り立たないこともあり、特にまだ精神が未熟な学生ならあってしかるべきものでしょう。

ところが、その校則は生徒にとって理解しがたいものもあります。それを破って先生に注意されると何故かと聞く子もいるのですが、先生から適切な回答が得られないと、「大人も何故守らないといけないかわかっていないルールなんて破ってもいいじゃないか」と判断します。

 

例えば、シャツはズボンやスカートの中に入れろという身だしなみチェックがあったとしましょう。何故シャツをインしなければならないかと聞かれると、大抵の先生は「だらしないから」と答えます。すると生徒は「これはファッションだ」と答えるでしょう。

そうすると先生はもう「規則だから」としか言えなくなり、口が達者な生徒は勝ってしまうのです。中にはそれに対抗しようと、「昔はシャツは下着だった。だからシャツは見えないようにインしなければならない。」と無理な回答をする先生もいます。

 

いつの時代の話をしているのだと逆に反感を買い、その理由に生徒たちは反抗します。してはダメな理由がわからないと、生徒はただ強制的に指導されていると感じます。

前髪は眉毛より上にしなければならない理由、膝かけの使用が10月31日はダメで没収対象になり、11月1日は使って良い理由、これらをきちんと答えられる大人がいないと納得ができません。答えがいつも「規則だから」では反抗して良いという心理状態になってしまうのです。

 

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悪者を見つけることで仲間意識を高める

人は、好きなものが一緒だと仲良くなるとは言いますが、嫌いなものが共通している方が実は上手く行くと言います。生徒にとって学校は世界であり、そこでは常に自分の居場所を確保しておきたいもの。

だから皆に共通する悪者を見つけようとする心理が動きます。その対象として見繕いやすいのが先生です。特定の先生を悪者にしておけば、それに共感する生徒は少なくありません。

 

趣味や個性が多様であっても、皆が共通して知っていて、どんな趣味趣向でも嫌う対象が似通っているものだから反抗対象となります。これでクラスの仲間との結束を強めることができるため、組織で上手くやっていくための彼らなりのやり方となります。

特定の生徒を対象にするといじめとなりますが、先生なら大人だから傷つかないと思っている生徒も多く、また生徒と違って先生は中学校、高校なら科目ごとに変わりますし、クラスに常にいないため悪口を言いやすい環境ができるのです。この共感の和が広がれば、それに比例してクラスの結束が強まっていくという仕組みを生徒たちは知っているのです。

 

 

罰を与えられる

先生の仕事は生徒に勉強を教えることです。そのためには宿題も出します。ところが、これを罰だと感じる生徒は多いです。正解できなかったらもう一回やり直し、赤点ならプリントの英単語を10回ずつ書き写し、これらによって先生は生徒の学力を上げようとしているのですが、生徒からすれば「できなかったら罰が待っている」のだと感じます。

また、公立中学なら特に生徒の学力差が大きいので、どうして自分なりの勉強方法をやらせてくれないのか、もっと効率的な方法があるではないかと感じる生徒も出てきます。

 

特にこの傾向があるのは学力レベルの高い子で、平均レベルの授業を受けているとその時間がもったいなく感じてしまいます。もうわかっているのに繰り返されるというのは大変苦痛です。

知らないことを学ぶから楽しいのであって、知っていることを50分座って聞いているのはなかなかにつらいのです。個別対応ができればそれが一番良いのですが、それができない集団授業だからこそそうなってしまうことを生徒はまだわかっていません。

罰を与えられる対象が先生なので、言動には出さなくても心の中で理不尽を感じていることがあります。

 

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怒られ慣れている

誰しも怒られたり叱られたりするのは嫌なものですが、叱ってもその効果が全くと言っていいほど効果のない子がいます。そのような子は家で怒られ慣れているケースがあります。

慣れてしまうと大きな声や相手の怒りに関心が行かなくなり、相手の不快感をかっても自分のしたいことをしたいと思うようになります。怒られることに対し麻痺してしまい、自分が嫌と感じる感覚が薄くなっています。

 

だから怒られても怖くもなく、反抗したところで待っている罰はその子にとって重大なことではありません。その結果、その連絡が親に行ったらどうなるかなどその先を経験済みでわかっており、知らないことが起こるとは思っていません。

先生に反抗してもこの程度のことかと知り、どんどん平気になっていきます。家でむやみやたらに怒鳴ったり、些細なことで叱り倒すのは非行に走る原因を親が作っていることにもなりえます。適度に叱ることがわからない親の子どもは、学校でも大人を信用しません。

 

 

まとめ

身内に反抗する子は多くても、学校の先生に反抗する子はその数に比べれば少ないです。ですが、それでも反発する生徒はいます。その子たちが何故反発するのか、原因を調べていくと理由はわかるでしょう。

特に自分が親の立場だと、今の学校と自分たちが通っていた時代の学校とは少し違うことに注意です。色濃く出てはいなくても、暗黙の了解的にクラスにカースト制度があったりもします。自分の時はこんな風にはならなかったのにと思うのは、今の学校を知ってからにしましょう。

教育方針は間違っていなかったか、子どもがどんな風に感じているのか、どう対処すべきなのか、それを学んで子どもと一緒に親としてのレベルを上げていくのが大切です。