レーズンエクササイズやリフレーミングでのハラスメント対策方法について紹介します。最近はとある企業の事件から「パワーハラスメント」や「セクシャルハラスメント」などハラスメント対策を重要視されるようになりました。
しかし、企業はあくまでも建前で相談窓口などを設置しているだけでその内情は変わっていないのも事実です。そこでこのコラムではハラスメントを受けた時に陥る視野の狭小化から抜け出す方法を解説していこうと思います。
ハラスメントとは?
世間で取り沙汰されているハラスメントは「嫌がらせ」や「いじめ」という意味です。多くは職務上の優位性を利用したもので「パワーハラスメント」がその代表といえるのではないでしょうか。
特に大企業ではCSRの観点からハラスメント対策に力を入れているようですが、設置されている相談窓口は所詮企業が設置したものでいくら情報を開示しないと言われても信用できずに利用していない人も多いでしょう。
仮に相談したとしてもロクなアドバイスも貰えずに悩み続けることもあるでしょう。
ハラスメントが原因のストレスは根本的な解決をしなければなくなることはありませんし、ストレスに弱いと腫れ物扱いされる危険性だってあります。それでは、どうすればハラスメントを乗り切ることが出来るのでしょうか?
被害者側のハラスメント対策

リフレーミングを試してみては?
「リフレーミング」とは一つのことに集中してしまって周囲で起こっていることに気づかずに視野が狭小化してしまうことから抜け出す思考法のことを指します。
例えば、パワーハラスメントを受け続けると「また今日も出社すると怒鳴られるのか」と出社=怒鳴られると短絡的な考えに陥ってしまい、出社しなければいけない状況が続けばそれだけストレスに侵され続けることになります。
そこを「この理不尽な経験を本にして暴露してやろう」とか「この人は怒りしか感情のない可哀想な人だ」と少し自分自身に優位性を持たせる考え方に変えてみればパワーハラスメントを受けているときに受けるストレスが軽減することがあります。
要するに自分の受けた辛い経験をどこにも消化することができないためにストレスの捌け口がなくなってしまっているのです。
その捌け口を意図的に用意してあげることでストレスも軽くなるのです。とはいえ、いきなり考え方をコロリと変えることは無理な話です。そこで、自分が日頃感じている感情や考えを紙に残らず書き出してみましょう。
具体的には「こんな会社辞めてしまいたい」と書いてみると、その理由を考えて「何でもかんでも怒鳴る上司がいるからだ」と原因が明らかになり、そこから「もし上司が変われば環境が良くなるかもしれない」「そうだ!人事部や労基に相談してみよう」と解決の糸口が見つかるかもしれません。
人は追い詰められると視野が狭くなり、思考がループしてしまうことが多いので一旦自分が置かれている状況を客観視するためにも紙に書き出すことは大切なのです。
ただし、上記で紹介した「リフレーミング」はある程度健康な心でなければ効果は少なく、その行為自体ができないこともあるでしょう。その時は自分で解決するのではなく、心療内科や精神科、カウンセラーなどに相談して適切な治療を受けることが大切です。
精神薬は危ないものと勘違いされているケースが多いかもしれませんが、心の病から回復するきっかけになってくれるものでもありますので是非相談してみてください。
レーズンエクササイズを試してみよう

一つだけレーズンを手に取り雑音のない静かな場所で行うマインドフルネスのことです。うつ状態では自分の思考が事実に基づいたものなのか幻想から来ているものなのか混乱して分からなくなっています。
そこで、一旦目の前で起こっていることに集中して現実を受け入れることで自分自身の心の動きも見ることが出来るのです。
まずは静かで落ち着いた場所に座り、一粒のレーズンをじっくりと観察してみます。「シワはどのようについているのか」「色は紫色か黒色か」「柔らかさはどれくらいなのか」など隅々まで可能な限り観察し続けてください。
その後、鼻に近づけて匂いを嗅いで言葉で表現し、味を想像してみましょう。レーズンを食べると触った感覚と違った感覚に気づくのではないでしょうか。
味は想像通りでしたか?想像との違いは具体的にどこですか?しっかりとレーズンの風味と触感を味わうと次に喉から胃の中へ移動するのを感じてください。
初めてレーズンエクササイズを終えた段階では特に効果は感じられないかもしれませんが、これらを色々な物で同様に実践していくと少しずつでも客観的に自分が置かれている状況が見えるようになり解決策が見えたり、気分が少し楽になってくるでしょう。
エクササイズ中は他のことに気を取られるかもしれませんが、なるべく目の前のレーズンに集中するようにしてください。
早めの相談を!ハラスメントに対する法的対処について
昔はいわゆる「恐怖政治」が当たり前の時代だったこともあり、あまり問題視されていませんでしたが、現在は法律により対処することが可能です。
具体的には「使用者責任」や「名誉毀損」「不法行為」などの民法によって賠償請求を行うことが可能です。また暴力や暴言など直接な被害を加えられた場合は刑法によって処罰を受けさせることも可能なため、早めに弁護士に相談するようにしてください。