第一印象を決めるものの一つに身だしなみがあります。相手がどんなに思いやりがあり、優しい人でも、言葉を発する前はまだ分かりません。判断するものといえば、身だしなみの影響が大きいでしょう。
アメリカの心理学者であるレオナード・ビッグマンが行った実験があります。電話ボックスに10セントを置き忘れて、「10セント置き忘れたのですが、ここにありませんでしたか?」と尋ねるというものです。
きちんとした服装や身だしなみの人と、みすぼらしい服装や身だしなみの人が実際に行ったところ、硬貨を返してくれた確率はきちんとした服装の人が77%、みすぼらしい服装の人が38%でした。
つまり、きちんとした身だしなみの人の方が信頼されるということです。中身が良いのであれば、早く相手に伝えるためにも、身だしなみをきちんとして、良い印象を与えましょう。
信頼される身だしなみのチェック方法
五感の中で身だしなみと関わるものは視覚と嗅覚です。相手が目で見て「この人変わっている」「なんだか変かも…」と判断したり、近くにいると「嫌なにおいがする」「においがきつすぎる」と感じさせてしまうなら、身だしなみを整えた方が良いでしょう。
ポイントは視覚と嗅覚を刺激しないようにすることです。
服装
もしかすると、自分は身だしなみに満足していても、職場で上司から注意されることがあるかもしれません。
職場は仕事する場所ですから、なるべく仕事に臨む雰囲気や真摯な取り組みの姿勢が伝わる服装が良いでしょう。素直に改めて、自分が好きな服装は仕事が終わってから着ることができます。
髪型
髪は一番視覚に入る部分です。目立つ髪型は「奇抜な髪型」ととらえる人が少なくありません。大抵、みんなの注目を集めるため、行動も注目されることがあります。
会社によって個性がありますので、仕事をしている時はその会社の一員であることを意識した髪型が良いでしょう。個性的な髪型は仕事が終わってから、またプライベートの時に十分楽しむことができます。
香水
たくさんの種類がある香水はいろいろな香りを楽しむことができます。自分の気に入った香りは、つけていて心地よく、気分も明るくなるでしょう。ただ、自分が好きな香りが相手も必ずしも好きとは限りません。
職場の目的は仕事をすることですから、他の人の神経を刺激しないことも大切です。特に、職場でお茶を入れる機会がある人は香水をつけない方が良いでしょう。お茶に香りが移ってしまうからです。
香水のつけ過ぎにも注意しましょう。一度つけると、シャワーを浴びるまで香りは消えません。つける前に出かける目的を考えて、香水をつけるかつけないか、つけるとしたらどれを選ぶか考えます。香りは見えないものですから、その分気配りと個性を感じさせるでしょう。
職種
例えば、看護婦さんや警察官、レストランのウエイターやホテルのフロントマン、芸術家やお医者さんなど職種にはいろいろあります。その職場にふさわしい身だしなみをすることは重要です。
もし、病気を診てもらおうと病院に行った時、赤いマニュキアにカーリーヘアの看護婦さんが問診するとしたらどう感じるでしょうか。
また、高級ホテルのレストランで食事を楽しんでいる時、髪はボサボサで無精ひげを伸ばし、服装がヨレヨレの給仕さんを見るとどう感じるでしょうか。大抵「がっかりする」「心配になる」と感じるでしょう。
特に、サービス業の人は身だしなみをきちんとすることが、お客様から望まれています。就業時間中は、職場にふさわしい身だしなみをすることを一つの仕事と考えることができます。
カラー
カラーが人に与える影響は意外と侮れません。色には暖色系や寒色系、パステル系やビビッド系などさまざまな種類があり、色によっていろいろなことを判断する場合があります。
それぞれのカラーから感じるものは人それぞれ異なりますが、一般にカラーが持つ効力があります。その日の予定を考えて色を選び、身だしなみを整えることができるでしょう。
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- 白色 ……… 自律神経を活性化して、体の中のウイルスを汗と一緒に排出させる健康の効果。
- オレンジ … スポーツ神経を育てる効果。
- 黄色 ……… コミュニケーションの効果。
- ピンク …… 感情を刺激して興奮させる若返りの効果。
- 紺色 ……… 技術的な発想が良くなるテクノロジーの効果。
- 青色 ……… 分析力を高める効果。
- 緑色 ……… 心が平和になる安心の効果。
- 黒色 ……… 沈黙の色ですが多くを語るように感じさせる効果。
制服
職場に制服がある場合、素敵に着こなすことや誇りを持って着ることを意識すると良いでしょう。会社が制服を決める時、会社にふさわしいものにしようと慎重に熟考したものだからです。
お昼休みなど制服を着たまま外出する時は、会社にふさわしく行動することは重要です。カフェや喫茶店、食事処などでは、周囲の人は制服を見て「あの会社の人だ」と判断します。
食事が終わってもべちゃべちゃ喋っていたり、上司がいないからと下品な言動をすることは慎みましょう。スリッパを履いたまま、横一列に並んで歩く姿も、見ていて気持ちの良いものではありません。
ほんの一部の人がしたことを「あの会社の人が…」と言われると残念に思います。制服を着ている時は会社のことを意識すること、「会社の看板を背負っている」と感じることも重要です。
まとめ
視覚に入ってくるものの中に姿勢や動作もあります。きちんした姿勢や動作は相手にやる気や信頼を感じさせます。綺麗な立ち方や歩き方、お辞儀など少し気をつけるだけで、印象もグッと違ってきます。
例えば、お腹を引っ込めたり、背筋を伸ばしたり、足を揃えたりするだけでも、印象がとても良くなります。また、無駄な行動が加わらないシンプルな動作も綺麗に見えます。
例えば、お辞儀をする時、髪をかきあげる仕草をしないことや、グラスやカップを持つ時、小指を立てないことなどです。職場のマナーとして、男女関係なく女性を出すことは慎みたいことです。
ですが、女性として「はしたないことをしない」という意識は、綺麗な動作につながりますので持っていたいものです。きちんとした身なりに、きちんとした姿勢や動作を心がけるなら印象をアップさせることができます。