ゆとり世代の心理的特徴とは?どんな考え方?

ゆとり世代の心理的特徴について。性別や国籍というカテゴリーで一塊にされることは多々ありますが、生きてきた時代によって人がカテゴライズされることもあります。昨今それが顕著なのが「ゆとり世代」ではないでしょうか。

今このゆとり世代が持っている心理にはどんなものがあり、どう感じているのでしょう。それがわかれば年齢問わず周りと上手く付き合えるきっかけになります。

 

ゆとり世代の心理的特徴

期待は抱かない

ゆとり世代の大きな特徴としてあげられるのが、特に世の中に対して期待は抱かないということです。どうしてそんな心理を抱いたのか、それは自分たちが国の実験台にされ、更には失敗作というレッテルを貼られたからです。

生まれたとたんバブルがはじけたのがゆとり世代であり、好景気を生まれてから一度も経験したことがありません。政権は変わっても世の中は変わらない、そう悟ってしまったのが彼らです。

 

また、詰め込み教育からの脱却として実験が始まったのもゆとり世代から。より良い教育になったのなら喜ぶべきところですが、それは失敗だったという結論から今はまた元の教育に戻っています。よって、今のゆとり世代が知らない知識を今の小学生は知っています。

更に、就職活動時には100年に一度の不況と言われ、時代が違えば内定をもらえた人も精神を病みながら就活をしたということも珍しくありません。

 

生まれた時、義務教育の時代、社会人としての一歩を踏み出す時、人生の転機でそれぞれ世の中の仕組みによって悪い方へ動かされてきたゆとり世代。そんな人生を歩んでくれば期待を抱く方が困難です。

だから多くの人が「良いことは起こらない、起こると思って過ごすと自分が損をする」という意識を持っています。これは他の世代の人にもある心理ですが、社会からそう学んだという意味ではゆとり世代が最も根強く感じていることです。

 

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ギャンブルはしない

時代の流れの中でゆとり世代が良くも悪くも得たものは、悪いことから身を守る予防法です。自分ではどうしようもない悪いことが起こったとしても、それが自分に与える影響を最小限にする術を学んだのです。

つまり、慎重になり賭けはしないということですね。奇抜なものにはならず、物事を注意して見なければならないという心理が働いています。客観性に長けていますが、悪いことが起こる前提での行動なのでやりたいことが制限されてしまうきらいもあります。

好むのは安定を得られる公務員であったり、老後のためにお金が大事だと強く感じたりします。

 

 

逃げるのが下手

「これだからゆとり世代は」というセリフを言われ続けた彼らは、どこか諦めてしまう節があります。就職したらブラック企業なるものが浮かび上がってきて、不況で人材が足りない中、仕事を辞めたくても辞められないようになりました。

逃げ道は人生のどこにだって用意されているのに、それに気づかず逃げ遅れる人も出てきました。特に自分に厳しい人は、「私たちより上の年代の人はそんな時代を生きてきたのだ、ゆとりと言われるのも無理はない、もっと頑張らなきゃ」とそこで踏ん張ってしまいます。

 

「これだからゆとり世代は」と同意語は、「昔はよかった」や「俺たちの時代は」です。これを言われるとその時代を知らない若者はどう言うこともできず、今自分たちが生きている時代はそんなに悪いのかと感じます。

今の時代を作ってきたのはまさにあなたたちであろうと思いつつも、上司や目上の人に対しては言えないため、我慢して抱え込んでしまいがちです。

逃げるなんてとんでもないと、耐え忍ぶことに美学を持ちがちな年配者の教えから、逃げるのは恥ずかしいことだと認識します。耐えられなくなってとうとう逃げるも、それは遅すぎたなんて話も少なくありません。逃げるべき時期を逃しがちなのです。

 

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自分たちの考えを持っている

社会に出るまでは、教育がゆとりとして機能していたので割とゆっくりと過ごしてきたのが今の若者です。しかし、社会に出るその瞬間に急に厳しくなりました。これも時代の流れです。ところが、これは時代のせいではなく社会人になったからだと思う心理が働きます。

社会に出たら厳しいというのは何となく知っていたことからそちらのせいだと感じる人の方が多いのです。しかしこれも、数年後にただ社会人になったから厳しい環境になったわけではないと気付き始めます。

 

学校ではゆっくりで良いと教えられてきたのに、社会に出たとたんそんなことではダメだと矛盾したことを言われる、そう感じた彼らは、自分たち独自の考えを持つようになります。

SNSツールを使って考えを発信し、LGBTを受け入れ、アニメやゲームに打ち込む人たちの多様性を受け入れられるのもゆとり世代の持つ考えがあるからです。

多様性に対してまだ偏見や抵抗があるのは、ゆとり世代より上の年代の人たちではないでしょうか。社会の考え、教えに従うのではなく、自分が個人として成り立たなくてはいけないと学んだ結果です。

 

 

趣味・特技を大事にしている

義務教育時代に彼らが他の世代よりもできたことと言えば、勉強以外の習い事です。土曜学校がなくなったことにより、親はその時間を活用しようと習い事に行かせることも多くなりました。

その背景から、今もそれを特技や趣味にしていたり、自分だけの時間を持つ大切さを学ぶことができました。社会人になった今でも息抜きとして趣味は大事であると考えており、小さいことから好きなものを見つけられた人が多くいます。

それを活かしてSNSで細々と活かせることから、身近で自分のしたいことができることも実感しつつあります。

 

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まとめ

ゆとり世代に関しては悪いイメージの方が多いと思います。けれど、彼らに対して他が持つイメージや心理と並行して、ゆとり世代たちが持つ心理的特徴も理解してあげるべきではないでしょうか。大人が作り上げた今の社会で生きている彼らを責められる人は誰もいません。

ジェネレーションギャップがある者同士がより円滑なコミュニケーションをするには、心理を読み解くことも大いに助けになります。彼らの生きてきた時代を読み解きながら、その心理を知るのは悪いことはありません。