ペットに対する心理と認識の変化

時代の流れとともにペットに対する考え方、飼い主の価値観の変化が年々進んできて、最近はペットと言う言葉が、飼い主の愛玩動物ではありますが、どちらかというと所有している「物」というイメージで、飼い主の自由に扱えるとか主従関係があるとか、あまり対等な感じで使われていないのではないか?という考え方も生まれてきました。

では、どのように変化してきたのでしょうか?現在の時代背景の影響と共に考えていきたいと思います。

 

時代の流れによるペットに対する心理と認識の変化

ペットも命ある大切な存在

ペットは人間同様、命ある大切な存在です。ですから今まではペットは飼育する、どちらかというと人間の方がペットよりも上であると思い込んでしまうことが、一般的に多かったのではないでしょうか?

当時はそれが当たり前だと考えられていたという、時代背景もあったためだと思われます。ペットでも特に犬の場合は、犬種によっては人間がしっかりと主従関係をしつけしないといけない場合もありますので、そのあたりの事も踏まえると中々難しいのですが、今はペットの住むことになる生活環境を考えて整えてあげる、存在価値を尊重して人間と同等に一緒に住む家族として扱うという家庭が多くなってきました。

 

そのため、当然人間と同様ペットが病気やケガをしたとき等は、治療をしてあげたり、看病してあげるのも家族の伴侶として生活することの条件です。

これは時代が変わっても同じだと思いますが、ただ可愛いとか、近所の人が飼っているから見栄のような感じで、無理矢理衝動的に飼ってしまったとか、もしくはその時代に流行った映画の影響でその動物を飼ってみたくなったという方や、その後自分がどのようにお世話するとか具体的に考えずに動物と一緒に生活を始めてしまう方も多いようです。

 

よく普段から見かけるのは、犬の散歩の際に、かなり面倒な感じで嫌々連れている方がいますが、おそらく家族で飼うことになるのですが、全員の意見が一致しないまま飼ってしまって、そのようなことになってしまっているようです。

また、急に気候の変化で、ペットの容体が悪くなってしまい、普通なら動物病院に連れていく等の処置をしてあげるべきですが、そうせずにどこかへ捨ててしまうという方も居ます。現在はそういった事が少しは減ってきたようですが、今でも多くある悲しい現実です。

 

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ペットという呼び方の認識の変化

「ペット」は所有する物という事で使われるようですが、最近他の呼び方で言われるのが、「コンパニオンアニマル」という言葉です。これは「伴侶動物」、つまり一緒に生活をしていく一員であるという位置づけと考えられています。

確かに現在は、差別的な言葉として犬や猫が含まれた内容の例えで、他人を非難したりするこが減ったと思います。それは、やはり伴侶であるという事で、その動物を対等に扱い責任を持って最期まで共に生活を送るという考え方が多くなってきたからです。

 

コンパニオンアニマルは、一緒に生活してその存在そのものが、家族の生活を良い方向に導くことに貢献しているのです。

それは心理的な癒しだけでなく、家族に寄り添い苦楽を共にし、動物の人間より優れた視覚・聴覚・臭覚等によって危険からの回避ができるなど、本当に様々な素晴らしい能力で家族の一員として過ごしていることの現れだと思います。

 

 

コンパニオンアニマルへ変化していった理由

なぜ「コンパニオンアニマル」へと認識が変化していったのか、それは世界的にも多くの研究者がその実績を発表し、ペットを育てることによって学んでいく教育方法の見直し、特に幼児に情操教育するのに役立っていたり、また動物との触れ合いによって心に悩みを抱える方々への心理的なセラピー効果、介護や福祉施設への動物の派遣で、年配の方の喜びや楽しみを与えてくれる存在になったり、普段の生活を共にすることで話し相手として、日々のストレスを癒してくれる存在であったり、様々な方面や生活スタイルの方々への動物の魅力と、その素晴らしい医療的な効果が見直され、研究をしている方のみでなく、世界的にヨーロッパを始めとして、動物愛護に関する法案も整備されていき、今までの動物に対する扱いとは大きく変化をしていった要因になっています。

 

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人間の心理の変化で傷つく動物たち

ニュースにも度々取り上げられていますが、自分の自宅でお世話している動物を、その時の心理状況や実際に一緒に生活してみて飼うのが難しいとか、様々な理由で動物たちが捨てられて野生化してしまったり、虐待されて傷つく痛ましい事件も数多く起こっています。

世界中で動物に対する存在価値を見直され、尊重されるようになってきている中で、今でも動物に対する認識や価値観の違いはかなり大きくあり、家族同様の価値観で育てている方も居れば、逆に所有物なのだからどのようにしてもいいのではないかと考える方も居ますので、もし後者の考え方の人と一緒に生活することになった場合の動物は、その後の生活を時にはあまり良くない方向、捨てられて野生化していく等、自然環境での生態系への影響も出てくる可能性があり、その動物の心も傷つけてしまうこともあると思います。

伴侶動物として位置づけられるようになったのは、そう言った事を無くすためにも、動物たちの心の叫びに耳を傾けてほしいというメッセージと動物との幸せな共存への願いも込められていると思います。

 

 

まとめ

ペットではなく、コンパニオンアニマルへと変化していったのは、それだけ動物を育てることに関心を持つ人が増えたからではないでしょうか。様々な研究によって動物と一緒に過ごすことが、良い効果をもたらすという報道や番組を観る機会も増えてきたのも背景にあります。

動物は人間よりも優れている能力が多くあります。そのことに今までは目を向けることが少なかったのかもしれません。

命の大切さや尊さを、深く学び感じることで動物との関係がどのようなものか、個々に感じ方が違うのはありますが、動物と人間のお互いが手を取り合って共に喜び、悲しみ、悩みそして幸せを感じつかんでいく、人生の歩みを良い方向へ導いていけるように、日々生活を送りながら努力を続け、楽しく過ごしていくことが双方にとってのいい関係ではないかと感じます。

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